「あんぱん」スピンオフオーディオドラマ決定! 大森元貴主演でいせたくやの晩年描く2025/12/15 15:19

NHK総合ほかで2025年4月~9月まで放送された連続テレビ小説「あんぱん」(月~土曜午前8:00ほか)のスピンオフ特集オーディオドラマ「さいごのうた」が、NHK-FMで2026年1月3日(午後10:00)に、NHK-R1で2026年1月13日(午後9:05)に放送することが決まった。主演は作曲家・いせたくやを演じた大森元貴(Mrs. GREEN APPLE)が務め、本編やスピンオフドラマでは描けなかった、たくやの知られざる晩年を中心に描き出す。
今田美桜が主人公を務めた連続テレビ小説第112作の「あんぱん」は、脚本家の中園ミホ氏がアンパンマンを生み出した漫画家・やなせたかしさんをモデルとした嵩(北村匠海)と、嵩の妻・のぶ(今田)の激動の人生を描き、何者でもなかった2人があらゆる荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した「アンパンマン」にたどり着くまでを描いた。

スピンオフオーディオドラマの主人公・いせたくやは、ミュージカル「見上げてごらん夜の星を」で音楽を担当し、嵩が作詞した「手のひらを太陽に」の作曲も手がけた作曲家。オーディオドラマでは劇団も率いる晩年が描かれ、白鳥玉恵(久保史緒里)が歌う「手のひらを太陽に」をはじめ、歌が何曲も出てきて踊りたくなるほど元気が湧いてくる場面も登場する。また、新たな登場人物として、アメリカ公演メンバーのオーディションに参加し、後に、たくやの妻となる橿原薫役で三浦透子、たくやの弟子で劇団スタッフの八条大吉(通称・ハチ)役で小林虎之介が参加する。
1987年、作曲家であり劇団を率いるいせたくやは、「日本のミュージカルでアメリカ公演を成功させる」という長年の夢のため、稽古に励んでいた。仲間との衝突を乗り越え、ついに幕が上がった舞台は大喝采に包まれる。しかし、その成功の陰で、たくやの体は静かに病にむしばまれていた。1992年、嵩とのアンパンマンミュージカルの作曲中、突然倒れてしまうたくや。「もう仕事はできない」と告げられ、絶望に陥り病室で眠っていたある日、看病する妻・薫から「嵩さんから」と一通の手紙を渡される。そこには、ミュージカルの新しい歌詞が書かれていた。たくやは嵩とのある約束を胸に、最後の力を振り絞り、メロディーを紡ぐ。
再びたくやに命を吹き込んだ大森は「たくちゃんを演じ終えた後は本当にさみしくて、僕自身“あんぱんロス”でした。だからこうして再び演じられるのは幸せです。本編では描ききれなかったたくちゃんの恋愛模様や細かな心情がしっかりと描かれていることに、僕もとてもうれしくなりました」と喜びを語る。加えて「独特な表情や間がたくちゃんという人物を象徴していたので、声だけで表現する戸惑いもありましたが、収録は普段の活動に近い雰囲気でリラックスして演じられました」とアーティストとしての経験が生きた収録となった。注目ポイントについて「今作は本当に見どころばかりで、さまざまな掛け合いや久保さん、三浦さんの歌声、そしてたくちゃんが大切にする人とのつながりが深く描かれています。『あんぱん』ファンの皆さんには、ぜひ聴いてほしい作品です」と自信を見せた。

たくやが作曲、嵩が作詞した名曲「手のひらを太陽に」を歌う人気歌手の過去を持ち、今は歌手は引退し、養護施設の先生をしている玉恵役の久保は、「印象深い白鳥玉恵役を再び演じられたこと、本編ではご一緒する機会がなかった大森元貴さんと共演できたこと、本当にうれしかったです。同じ時代を共に駆け抜けてきた2人の関係性を今回描いていただいたこともうれしく思います」と新たな物語に胸を躍らせる。また、「大森さんとは初のドラマ共演ですが、プロフェッショナルな姿勢に引っ張っていただきました。2人の関係性が自然と完成されていたのは、大森さんのおかげです」と感謝し、「実は今作で一緒に歌唱するシーンがあります。台本を読んだ瞬間から緊張しましたが、大森さんから『白鳥さんだ!』と声をかけていただけてうれしかったですし、あの名曲を共に歌える日が来るとは思わず、ものすごく光栄でした」と感無量の面持ちだ。

そして、新キャストとして参戦した薫役・三浦は「『あんぱん』チームに初めてお会いした時、作品への深い愛といせたくやのモデルとなっているいずみたくさんへの強いリスペクトを感じて、最後の妻を演じることにあらためて気が引き締まりました」とこれまで紡がれてきた物語に敬意を表した。脚本については「台本を読むと、私の脳内で大森さん演じるいせさんがしゃべるんです。それがなんだかクスッと笑えてきて(笑)。その中で、薫さんの人柄やリズムを作っていくことは楽しかったです」と役作りを明かし、「本番では皆さんとの会話を通して自然と世界観を作ることができましたし、声だけで物語を届ける面白さも実感しました。本当にすてきな物語で、私も演じながら笑ったり泣いたりと心を動かされたので、ぜひ多くの方に聴いてほしいです」と充実感をにじませた。

同じく、初参加する小林は、「僕の朝ドラデビューは(2026年4月~放送の)『風、薫る』だと思っていたので、まさかずっと見ていた『あんぱん』に先に出演できるとは思ってもいませんでしたが(笑)、優しくてほっこりする作品の一部になれたこと誇らしいです」とまさかの朝ドラ“初参加”に。たくやからハチと呼ばれる八条役について「ハチは10年もいせ先生に付き従っていて、本当に尊敬しているんだと思います。いせ先生を演じられた大森さんもとてもすてきで、『この人ならついていきたい』と思うハチの気持ちを自然に演じられました」と大森の熱演が役作りの助けになった。また、「物語ではいろんな人に出会うので、ハチと一緒に旅をしている感覚がありました。大森さんたちの歌唱シーンもすごく楽しみですし、最後のいせ先生と薫さんの場面は、現場で拍手が起きるほど感動的でした」と感情を揺さぶられる物語を伝えた。
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