奥平大兼「いつか、無重力の宙で」で“宇宙バカ”彗を演じて「人間は弱い生き物」としみじみ2025/10/02 23:00

NHK総合で放送中の夜ドラ「いつか、無重力の宙(そら)で」(月~木曜午後10:45)。このほど、金澤彗役の奥平大兼からコメントが到着し、自身の役柄やドラマの見どころなどを語っている。
木竜麻生が主演を務める本作は、高校時代に「一緒に宇宙に行こう」と夢を語り合った天文部の女子4人組が、大人になってそれぞれの道を歩む中で、忘れていたかつての夢と再会する物語。「超小型人工衛星だったら…今の私たちでも宇宙を目指せるかもしれない…!」と、あの頃の自分に背中を押されて2度目の青春が始まる。ごくごく普通の30代女性たちが、いつの間にかそっと手放した夢を、仲間と共に拾い直すストーリーだ。
奥平が演じる彗は、望月飛鳥(木竜)たちが頻繁に足を運ぶファミレスでバイトをしている宇宙工学の研究室所属の大学生。群を抜いて優秀な成績を誇る一方で、他人とコミュニケーションを取るのは苦手で、研究室では少しなじめずにいる。しかし、本人は特に気にかけることもなく、むしろ人と関わることは「時間の無駄」だと思っている節が。そんな孤独を好む彗だが、たびたびバイト先に来店する飛鳥たちが、素人ながら人工衛星を打ち上げようとしている無謀さに我慢しきれずに、ついつい口を出してしまうという役どころだ。
そんなクールな彗を奥平は「必要か不必要かを常に考えている、思考がすごく論理的な人だと思います」と評し、「他人と一緒に何かをするのが嫌いというニュアンスのセリフがありますが、それはつまり『意味を感じない』からなのかなと。メリットのあることだけを選択して生きてきた、ちょっと人間離れしたキャラクターです。頭が良く、達観した目線で物事を見ていて、飛鳥を含めたみんなが楽しげに雑談している時でも、『この時間は、プロジェクトに必要あるのか』と考えてしまうタイプです」と分析。
自身との共通点については「もちろん僕は、コミュニケーションは大事だと思っている人間なのですが、少しだけ彗に共感できることがあるとすれば、子どもの頃両親に叱られた時に『前提』を話されるのが苦手だったんです。『前提よりも要点を教えてほしいな』と思っていた時期がありました。彗にもそんな部分があるのかなと、想像しています」と明かしている。
その宇宙への愛の深さゆえに“宇宙バカ”と呼ばれる彗と、周りの人との関わりについて「彗は根本的に『分かりやすい人』だと思います。天文部の4人も彗のことを『分かりやすい人』だと思っているのではないでしょうか。彗は自分の感情を隠さないし、隠す必要がないと思っています。だから思ったことをそのまま表に出す。下手したら『気まずい』という感覚もないのかもしれません」と推察し、「そういった彗は、どんな場面でどんなリアクションをするか常に考えて演じました」と打ち明ける奥平。「彗にとって宇宙はもう『生活の一部』だと思います。意識して『何かをしなきゃ』という感じではなく、呼吸をするように当たり前に宇宙の書物を読むし、調べるし、スマホを持てば宇宙のニュースだけ見ている。宇宙は目標であると同時に、彗にとって身近なものだと思います」と、その“宇宙バカ”ぶりを解釈しているようだ。

また飛鳥、日比野ひかり(森田望智)、水原周(片山友希)、木内晴子(伊藤万理華)という4人と同じ人工衛星のプロジェクトに参加することになった彗を、奥平は「プロジェクトに関わることになっても、彗が話すことは実務的で作業内容に関することばかりです。『理論の人』である彗からすると、飛鳥たち4人はすごく感情的に見えて、自分とは違う世界線で生きている人たちだと、遠くから観察しているような感じです」と、もともとは冷めた部分があると表現。
やがて、彗も心を動かされていく。「彗が信頼を寄せる研究室の和泉先生(鈴木杏)から言われたある一言がきっかけで、彗の心境が少しずつ変化していきます」と契機に触れ、「人工衛星のプロジェクトとなると、それなりに長い期間をチームと一緒に過ごします。おそらく彗にとってこれだけ長い間、誰かと一緒に何かをするというのは、人生経験上なかったことです。そんな中でだんだん湧いてくる彗の感情と、4人の感情が、時間をかけて共鳴し合うようになっていきます。それまで彗は、合理的だと考えて可能な限り一人で何でもやろうとしてきました。でも、同じプロジェクトで飛鳥たちと関わり、4人の取り組み方を目の当たりにして、『こういう選択肢もあるんだな』と知っていくのだと思います。一見無駄に思える『遊び心』や、仲間と一緒に達成感を味わう感覚など4人の姿を観察しながら、みんなでやる意味を考えるようになります」とその変化について言及。
加えて、注目してほしい部分として「常に物事を論理的に考える彗だからこそ、『誰かと協力しなければ宇宙には行けない』ということを体感しながら、『これも必要性のあることなんだ』と自分の中に落とし込んでいく。そんな彗の変化を見ていただければうれしいです」と挙げた。
そして奥平は「彗という人物を演じて一番感じたのは、『人は1人では生きていけない』ということです。彗はいい意味で、自分では無敵で怖いものなしだと思っていても、やっぱり人間は弱い生き物だと感じさせてくれるキャラクターです」と自身の役を演じて身に染みた部分を吐露しながら、「人が仲間と一緒に何か共通の目標に向かっていく姿は、とてもきれいだと思います。何歳になってもやりたいことがあったらやったほうがいい。そんな勇気をもらえる、とても温かい物語になっています。あらゆる年齢層の方に見ていただきたい作品です」と本作の魅力を口にしている。

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