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「いつか、無重力の宙で」木竜麻生「30歳ってこんなもん」。宇宙への夢を取り戻す役への共感2025/09/08 07:00

「いつか、無重力の宙で」木竜麻生「30歳ってこんなもん」。宇宙への夢を取り戻す役への共感

 NHK総合では、木竜麻生が主演を務める夜ドラ「いつか、無重力の宙(そら)で」(月~木曜午後10:45)を9月8日からスタート。

 本作は、高校時代に「一緒に宇宙に行こう」と夢を語り合った天文部の女子4人組が、大人になってそれぞれの道を歩む中で、忘れていたかつての夢と再会する物語。「超小型人工衛星だったら…今の私たちでも宇宙を目指せるかもしれない…!」と、あの頃の自分に背中を押されて2度目の青春が始まる。ごくごく普通の30代女性たちが、いつの間にかそっと手放した夢を、仲間と共に拾い直すストーリーだ。

 木竜が演じるのは、大阪の広告代理店勤務の30歳・望月飛鳥。社内では若手が目指すべきロールモデルと言われ、社員代表として会社の採用サイトにも載っている“できる人”だが、周りの期待に応えようと日々必死で、何が自分の言葉で思いなのか、よく分からなくなっている人物。高校時代は宇宙が大好きでよく天体観測に出かけたが、大人になってそんなことをすっかり忘れていた。日比野ひかり(森田望智)との再会で、ふたをしていた「宇宙」への思いが少しずつあふれ始める。

「いつか、無重力の宙で」木竜麻生「30歳ってこんなもん」。宇宙への夢を取り戻す役への共感

 木竜は飛鳥というキャラクターについて、「物語のはじまりで飛鳥は社会人9年目。上司と後輩の間に挟まれて、日々目の前の仕事に打ち込んでいます。周囲の人たちが求めることを察知しようと頑張ってしまうし、『自分がこの立ち位置にハマればうまく回るんだろうな』ということを常に考えている人だと思います」と人物像を解説する。

 さらに、「だからつい、1人で仕事を抱え込んでしまいがちだけど、これも飛鳥が30歳までの人生で自然と身に付けた処世術なのかも。彼女なりの経験則とコミュニケーション術で、意外とそつなく、普通に生きてこられた人なんじゃないかと想像しています」と役柄への理解を深めて見せた。

 物語の転機となる天文部仲間との再会については、「そんななか飛鳥は、高校時代の天文部の仲間たちと再会して『ああ、私そういえば宇宙が好きだったんだ』と思い出します。高校を卒業してからの飛鳥は、ふたを開けられるようなところからはかなり離れた場所に『宇宙』の箱を置いてきていたんだと思います」とコメント。「ところが、ずっと連絡の途絶えていたひかりが目の前に現れて、その箱のふたを開けられてしまいます。ひかりや天文部の仲間たちとの再会をきっかけに、これまでふたをしてきた飛鳥のなかの熱量が少しずつ少しずつ、放出されていく。そのプロセスを丁寧に演じたいと思いました」と役作りへの意気込みを明かす。

 同世代の飛鳥を演じることに関しては、「私が高校生ぐらいの時は、『30歳』と聞くとものすごく大人だと思っていました。でもいざ自分がその年齢になってみると、そうでもなくて。先日、高校生時代の飛鳥を演じる田牧そらちゃんと30歳のイメージについて話していた時に、そらちゃんに『私を見て。30歳ってこんなもんだから』と言ったぐらいなので(笑)」と率直に告白する。

 続けて、「でも、人って、その時はその時なりの、精いっぱいの悩みを抱えているものなんだなと実感しています。私の場合は30代に入った頃から、あきらめ…と言ったら語弊があるかもしれませんが、無理して持たなくていいものを手放していく作業ができるようになりました。自分の『容量』を知ることで、10代の頃よりはもう少し自分のことを大事にできる人間になれているかな、なりたいなと思っています」と30代になって感じる変化を振り返った。

 ドラマ冒頭で天の声が語る「大人になるにつれ、この世界の重力は少しずつ大きくなっている…気がする」という言葉について木竜は、「ドラマ冒頭の飛鳥でいえば、『No』と言えないとか、『大丈夫、大丈夫』とつい笑顔で言ってしまう感じとか。生きていくなかで、自分の選択や、今目の前にある仕事、人間関係、それから自分自身の思考や行動から、知らず知らずのうちにちょっとずつ(自分の本当の思いとは離れて)大きくなっているのが『重力』なのかなと思っていて」と独自の見解を示す。

「いつか、無重力の宙で」木竜麻生「30歳ってこんなもん」。宇宙への夢を取り戻す役への共感

 また、「誰かに『やれ』と言われた訳でもないのに、やってしまう。自分が置かれた場所で生きていくうえでの『折り合いのつけ方』みたいなものも、『重力』と言えるのかもしれません」と、現代人が抱える見えない重圧について考察を深め、「そうした重力を抱えつつ、飛鳥は人工衛星という目標に向かって突き進んでいきますが、この物語は『夢を持って実現に向かえば、全てが軽くなる』と描いている訳でもないと思っています」と作品の持つリアリティーについて言及。

 そして、「昨日より今日のほうが少し軽い気持ちになれたり、以前よりもちょっとだけ『重い時間』が短くなるとか。そのぐらいでも十分だったりするのではないかな。何か大きなことではなく、小さな変化の積み重ねで自分の機嫌をとれるようになることが大事なのかなと思っています。飛鳥としては、小さな進み方でも、彼女の生きる先が少しでも光っていくならば『上出来!』と思います」と飛鳥というキャラクターへの深い愛情を込めた。

 語りを担当する柄本佑にも触れ、「ずっと台本の『天の声』の部分を、想像で柄本佑さんの声を当てながら読んでいたので、出来上がった映像で初めて柄本佑さんの声を聞かせていただいて『本物の天の声だ!』と思って。コミカルな部分と、距離感を保って話す部分と、シーンに応じてすごく柔軟にメリハリをつけていただいて、純粋に感動しました。天の声が飛鳥の気持ちを代弁してくれたり、寄り添ってくれるシーンも多いので、柄本佑さんの声の表現に大きく支えていただいています」と感謝の気持ちを表した。

 最後に視聴者に向けて、「月曜日から木曜日までの夜の15分、視聴者の皆さんの生活に寄り添うような時間帯に放送されるので、何も考えず、ふわっと見ていただけたら。『小さな一歩』を積み重ねていく登場人物たちを、大手を振って応援するというよりは、小声で『頑張れ』と言いたくなるような作品になっていたら、と願って演じました。皆さんの生活のなかに私たちがフィットしていくように届けられたら、うれしいです」と温かいメッセージを届けた。

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