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「NHKスペシャル」“均等法の母”赤松良子が託したバトンの行方を見つめる2025/05/27

「NHKスペシャル」“均等法の母”赤松良子が託したバトンの行方を見つめる

 NHK総合では5月30日に、NHKスペシャル「未完のバトン 第3回『“均等法の母”に続く長い列』」(午後10:30)を放送する。

 「未完のバトン」は、放送100年を迎えたNHKが手がける大型シリーズ。日本が直面するさまざまな課題に対し、理想を掲げながら苦闘する人々の姿を通して、次代への希望を描き出すドキュメンタリーだ。第3回では、“均等法の母”と呼ばれた赤松良子さんが残した未公開資料から、ジェンダー平等への道のりをたどり、現代に積み残された課題と格闘する人々の姿を描く。赤松さんが遺した日記の朗読を、俳優のキムラ緑子が務める。

「NHKスペシャル」“均等法の母”赤松良子が託したバトンの行方を見つめる

 女性は結婚したら退職、女性のみ30歳で定年。そんな差別がまかり通っていた昭和の時代、職場における男女平等を実現しようと奔走(ほんそう)した女性がいる。昨年、94歳で亡くなった赤松良子さんだ。女性官僚のパイオニアとして旧労働省の婦人少年局長などを務め、「男女雇用機会均等法」の成立に尽力した。その法律の成立から今月で40年となる。

 戦後、男女平等が盛り込まれた日本国憲法が誕生。しかし、実際の社会状況は平等には程遠く、その実現に向けて数多くの女性たちが苦闘してきた歴史があった。赤松さんもその1人。財界などの猛反発を受けながらも法案成立に突き進んでいった彼女は「男全体を敵にまわしては駄目。西欧のやり方のまねばかりでは駄目。自分の国に合った戦術を考えなければ。仁義を切って、切って、切りまくり、鬼のように根回しをする」と、その覚悟を日記につづっていた。

「NHKスペシャル」“均等法の母”赤松良子が託したバトンの行方を見つめる

 数年にわたる厳しい交渉の末に誕生した均等法だが、赤松さんにとって、決して満足のいくものではなかった。初公開の資料や日記からは、昇進差別、男性の育児休業、非正規雇用、女性の政治参加など積み残した課題を解決しようと奮闘を続けた姿が浮かび上がってきた。晩年まで同じ志を持つ仲間たちを励まし、自戒の念とともに次の世代への期待を語っていた赤松さん。彼女から“バトン”を受け継いだ人々はいま、どのような現実に直面し、どんな未来を描こうとしているのか。

 NHKが取材を続けてきた“均等法第一世代”と呼ばれる女性たちの記録に加え、キャリアの壁に直面する子育て中の女性など、現代を生きる人たちに密着。そして、少しずつ変わり始めた家庭や企業の在り方の中で、自らの働き方を見直す男性も取材。“均等法の母”が次代に託した未来の行方を見つめる。

「NHKスペシャル」“均等法の母”赤松良子が託したバトンの行方を見つめる

 取材・制作に携わった吉峯美和ディレクターは「10年前、戦後70年の女性史をたどる証言ドキュメンタリー番組で、84歳だった赤松さんにインタビューしました。とても気さくでチャーミングでもあり、ご自身が達成したことだけでなく、やり残したことを正直に語ろうとされる姿勢が印象的でした」と10年前に会った印象を語り、「去年、亡くなられた後のお部屋には膨大な資料が眠っていて…。赤松さんの思いをあらためて感じることができました。しかし、この番組は昔話ではありません。いまだ終わらない大きな課題を、現代に生きる女性たちの葛藤の中で追いかけました」と赤松さんに思いをはせ、現代も続く問題に向き合った様子。

 同じく、取材・制作に関わった宣英理ディレクターは「1985年に生まれた男女雇用機会均等法。その第一世代として活躍を続けてきた女性たちや、総合職として
働く子育て世代の女性たちを取材しました。キャリアを積むためには今なお乗り越えなければならない問題がある中で、それぞれに最善と思う選択をしながら懸命に生き抜く姿を見て、私自身ひとごととは思えずとても勇気づけられました。残された課題が一日もはやく解決されるにはどうすればいいのか、番組を通じて一緒に考えるきっかけになることを願います」と取材の感想を述べ、課題への思いを口にした。



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