「お母さんが一緒」初日舞台あいさつに江口のりこらが登場! 橋口亮輔監督へのサプライズも2024/07/17
7月12日にに江口のりこ主演の映画「お母さんが一緒」初日舞台あいさつイベントが行われ、キャストの江口、内田慈、古川琴音、青山フォール勝ち(ネルソンズ)、橋口亮輔監督がステージに登壇した。
本作は、ペヤンヌマキの舞台を原作に、「くるりのこと。」(08年)や「恋人たち」(15年)でおなじみ橋口監督の9年ぶりの新作。物語は、親孝行として母親を連れて温泉にやって来た三姉妹を中心に、“一番近い他人”である家族についてブラックユーモアたっぷりに描き出す。
江口、内田、古川、青山、橋口監督が、夏にぴったりな浴衣姿でステージに現れると会場は大いに盛り上がり。劇中で三姉妹の長女・弥生を演じた江口は「公開初日を迎えることができて本当にうれしいです」とコメント。次女・愛美に扮(ふん)した内田は「すごくワクワクしながら会場に来たが、ステージに上がる前の待機中に突然緊張してきちゃいました。作品を楽しんでいただけたらうれしいです」と一言。三女・清美役に挑んだ古川は「(作品の)上映前なので話せることは限られるが、少しでも楽しい時間になれたらなと思います」と述べた。清美の恋人・タカヒロを演じた青山は「映画の予告が公開されてから周りの芸人に『なんでお前が(映画に)出てるの? お前って本当に出てるの?』とすごく言われるようになりました。今日から公開なので、周りのみんなに『本当に出てたよ』といろんなところで言ってます(笑)」と明かし、会場を沸かせた。
MCから撮影中の面白いエピソードや作品の爆笑ポイントについて聞かれると、江口は「撮影中はみんな自分のやることに必死なので、笑えたことはなかったかもです(笑)。でも、作品は本当に面白くて、笑えるシーンもたくさんあります。完成版を見た時も『ここ面白いな、(撮影が)うまく行ってよかったな』と思いましたが、そのシーンがどこなのかは言えません(笑)」とユーモラスに答えると、客席からまたもや爆笑が起きた。続いて内田は「撮影に入って2日か3日目が終わって、撮影のオフがあったので(古川)琴音ちゃんと温泉に行ってきました。その時に2人とも初めて水風呂を体験して、水風呂に入りながらいろんな話をして楽しかったです。ちなみに江口さんはご自宅の方が気持ちが整うということで、東京に帰られてました(笑)」とエピソードを披露。内田の話を受けたMCが江口に向かって「撮影中に温泉は体験しましたか?」と聞くと「結局温泉は入ってないですね。ロケ地が山梨で2週間もあったので、『2週間ずっと山梨にいるぞ』っていう覚悟でしたが、次の日は休みっていうことが分かって、1回帰りました(笑)」と告白した。
江口らの姿をほほ笑ましく見守っていた橋口監督は「この4人は時間のない撮影の中で、ものすごく集中力を発揮して撮影に臨んでもらいました。すごく緊張感もあったと思いますが、そんな中(4人の)絆が出来上がっていて。僕は常に『疲れてない? 大丈夫?』って聞いてましたけど、みんなが口をそろえて「大丈夫です。私たちは家族なので」と言っていて。僕は『いつの間にそんな絆が生まれたんだろう』と思いつつ、その絆があったからこそ、集中力を持って(撮影を)乗り切れたんじゃないかなと思いました」と言いつつ、「青山くんはお笑い芸人だから現場で笑わせてくれるかなと思っていたら、ものすごく真面目で(笑)。そんな青山くんの出演シーンはどこもクスッと笑えて、少し涙を誘うところもあります」と青山の意外な一面をポロリ。すると青山は照れながら「そう思っていただいてありがたいです(笑)。笑えるシーンがたくさんあって、そういうシーンの撮影を皆さんと一緒に経験することができて楽しかったですし、個人としてもやりやすかったです」と率直な気持ちを語った。
イベントの終盤、7月13日が誕生日という橋口監督に、江口ら4人がサプライズでプレゼントを渡すことに。このサプライズは、作品中に三姉妹が温泉で母親にサプライズのプレゼントを贈るシーンにちなんだもの。MCから橋口監督の誕生日が7月13日であると発表されると、「せーの」という合図に続き、内田が劇中でも歌っているDREAMS COME TUREの名曲「HAPPY HAPPY BIRTHDAY」を橋口監督に向けて熱唱。
続いて青山は「おめでとうございます! プレゼントというわけではなくて、サプライズが一つあります。映画の中に笑っちゃうところがいくつかあって。映画の撮り終わった後のネルソンズの新ネタライブで、どうしてもちょうどいいボケが出てこなくて、つい(映画に出てきたものを)そのまま使ってしまいました。それは江口さんとやりとりで、相方の和田まんじゅうと僕でやっちゃいました。これは懺悔(ざんげ)ですね、すみません(笑)」と告白し、会場を笑いに誘った。
古川は「最近雨の日が多いですが、雨が上がった後の森の中をイメージして調合された石けんを橋口監督に使っていただきたいと思って用意しました。これでさっぱりしてください」と、大好きな店で買ってきたという石けんをプレゼントした。
最後に、江口はサプライズとして監督に手紙を書いてきたと明かし、「人前で読むものではないと思うので、抜粋して読みます」と照れくさそうに言いながら「橋口監督へ。監督、お誕生日おめでとございます。監督は、今回の映画のリハーサル初日に『この物語は女たちが傷ついて、ケンカしあって、ボロボロになるんだけど、最後に無垢(むく)なものが残るといいね』とおっしゃいました。私は、その無垢なものを橋口監督を見て感じます。橋口さんの映画は橋口さんそのものだと思います。私は橋口さんも、橋口監督の映画も大好きです。では、お体にお気を付けてよい夏をお過ごしください」とステージの上で手紙を読み上げ、その後手紙とともに花束を渡した。
江口ら4人のお祝いに橋口監督は「何かするんじゃないかと思って、(松竹の)宣伝部に『絶対しないでね』と念を押そうと思ってたんですけど、そういうそぶりがなかったから大丈夫かなと思ったら、ひそかにこういうことを企画していたんですね(笑)」と言いながら、恥ずかしそうに笑みを浮かべた。そして「僕はもうすぐ死ぬと思いますので、作品をたくさん残したいなと思って頑張って作品を作ってるんです(笑)。『お母さんが一緒』は、昨年の9月に撮影して、今公開なので、僕としてはすごく早いペースの公開なんです。このペースで作品を公開していけば、もっと多くの作品を皆さんに届けられるかなと思います。ただ、なかなかそうも行かないですが(笑)。この度は、本当に素晴らしいこの4人がそろったことが、この作品の要だと思いますし、本当にラッキーでした。皆さんと一緒に作品が作れて楽しかったですし、いい作品になったことをうれしく思います。どうぞ最後まで楽しんでご覧ください。ありがとうございます」と、改めて江口らへの感謝の気持ちと、今後の抱負について語り、イベントを締めくくった。
【作品情報】
「お母さんが一緒」
新宿ピカデリーほか全国公開中
配給:クロックワークス 製作:松竹ブロードキャスティング
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