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第35回向田邦子賞贈賞式開催。「毒島ゆり子のせきらら日記」矢島弘一氏が喜びを語る。前田敦子らキャスト陣も祝福2017/05/30

第35回向田邦子賞贈賞式開催。「毒島ゆり子のせきらら日記」矢島弘一氏が喜びを語る。前田敦子らキャスト陣も祝福

 優れた脚本作家に贈られる向田邦子賞(向田邦子賞委員会、株式会社東京ニュース通信社主催)の、第35回贈賞式が5月30日に都内で行われた。今回の受賞者は、4月4日に行われた選考会で決定。受賞作は、矢島弘一氏が手掛け、TBSで2016年4月20日~6月22日に放送された「毒島ゆり子のせきらら日記」。

 受賞作は、新聞社で大物政治家の番記者としてがむしゃらに働きながら、プライベートでは奔放な恋愛を満喫していた主人公・毒島ゆり子(前田敦子)が、ライバル紙の記者・小津翔太(新井浩文)と出会い、恋に落ち、壮絶な最後を迎えるまでを描いた作品。選考会では「テンポの良い会話と笑える警句が絶妙であり、人物達に的確な存在感を与えている」と絶賛され、選考委員全員一致で受賞が決まった。

第35回向田邦子賞贈賞式開催。「毒島ゆり子のせきらら日記」矢島弘一氏が喜びを語る。前田敦子らキャスト陣も祝福

 矢島氏は受賞について、「初めて書いた連続ドラマの脚本だったので、プロデューサーや監督などのアドバイスに食らい付きながら、ヘロヘロになって書き上げました。だから執筆期間中のことは、正直何も覚えていないんです。まさに無我夢中でした。『毒島ゆり子のせきらら日記』を書いたことで人生が変わりました。そして、この賞を取ったことで、これから先の人生が変わっていくんだと思っています。今まで支えてくれた家族、そして劇団のみんなには感謝の気持ちしかありません。彼らがいたから自分はここで受賞のあいさつをしています。これから描いていくドラマで、劇団の仲間に登場してもらうことが恩返しだと思っています。これからも精進してまいります」と喜びを語った。

 贈賞式にはキャストも大勢駆け付け、主演の前田は「出来上がった状態で渡された全10話の脚本を読んだ時から、『よ~い、ドン』で物語の世界に引き込まれていきました。撮影期間中も朝から晩まで濃密で、なかなかできない経験でした。これからどんどんすごい脚本家になられていく矢島さんの最初の連続テレビドラマに出ることができて光栄です。あらためまして、このたびは受賞おめでとうございました」と祝辞を述べた。

第35回向田邦子賞贈賞式開催。「毒島ゆり子のせきらら日記」矢島弘一氏が喜びを語る。前田敦子らキャスト陣も祝福

<池端俊策選考委員コメント>
まろやかで安定した作品よりも、尖って緊張感のある作品を選ぶのが向田邦子賞であるならば、この作品こそが相応しいと感じた。相対的な価値観の狭間で揺れながら、本当は絶対的な愛を求めている現代の女性をユーモラスに描いている。それこそが矢島さんの才気だろう。

【出演者コメント】

<前田敦子>
出来上がった状態で渡された全10話の脚本を読んだ時から、「よ~い、ドン」で物語の世界に引き込まれていきました。撮影期間中も朝から晩まで濃密で、なかなかできない経験でした。これからどんどんすごい脚本家になられていく矢島さんの一番最初の連続テレビドラマに出ることができて光栄です。あらためまして、このたびは受賞おめでとうございました。

<渡辺大知>
普段はバンドをやっている自分だからこそ表現できることを描いてくれていたと思います。矢島さんに会ったことはないはずなのに、自分のことを理解してくれているような脚本だと思いました。だから迷うことなく役を引き受けさせてもらいました。だから今回の受賞は本当にうれしいです。

<中村静香>
ドラマで女性同士のけんかをする場面があるんですけど、共感しながら演じていたことがとても心に残っています。こんなに繊細で女性的な脚本を書かれる方ってどんな人なんだろうと思っていて。実際の矢島さんはすごく気さくな方でびっくりしました。あらためてすてきな作品に出演できた感謝の気持ちを伝えたいと思います。

矢島弘一氏プロフィール

1975年東京都出身。2006年、劇団東京マハロを旗揚げし、主宰を務める。テレビドラマ脚本として 「ふるカフェ系ハルさんの休日」(2015年・NHK Eテレ)第2話を担当し、「毒島ゆり子のせきらら日記」 (2016年・TBS)が初めて連続ドラマ脚本となる。舞台脚本としては、東京マハロの舞台のほか、松竹映画「引き出しの中のラブレター」の舞台版脚本などがある。

<向田邦子賞>

故・向田邦子さんがテレビドラマの脚本家として、数々の作品を世に送り出し活躍してきた功績をたたえ、現在のテレビ界を支える優秀な脚本作家に送られる賞として、1982年に制定された。主催は「TVガイド」を発行する東京ニュース通信社で、選考は歴代受賞者らによる向田邦子委員会が担当している。前年度に放送されたテレビドラマを対象に、選考委員がノミネート作品を選定。本選を含めて4回の討議を経て、受賞作品を決定。選考委員は池端俊策氏、冨川元文氏、大石静氏、岡田惠和氏、井上由美子氏(向田邦子賞受賞順)。


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