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石橋静河が感じた「鎌倉殿の13人」静御前の魅力。“ライバル”三浦透子は「面白くてかわいい人」2022/05/21

石橋静河が感じた「鎌倉殿の13人」静御前の魅力。“ライバル”三浦透子は「面白くてかわいい人」

 石橋静河が、青森県で行われた、NHK総合ほかで放送中の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(日曜午後8:00)のトークライブに登場した。

 三谷幸喜が脚本を担当、小栗旬が主演を務めるドラマは、源頼朝(大泉洋)の妻となる北条政子(小池栄子)の弟・北条義時(小栗)を主人公に、地方の豪族から頼朝の第一の側近となった義時が、その後いかにして頂点に上り詰めたのかを、鎌倉幕府を支えた武士たちの姿を絡めて描くもの。石橋は、源義経(菅田将暉)をとりこにした都随一の白拍子・静御前役を演じている。

 静御前役を演じることが決まり、「『何の冗談だろう?』と。名前も同じだし、どういうことかなと、すごくびっくりした」という石橋。「静御前は伝説の人で、日本各地に伝説が残ってるので、なかなか最初、実感が湧くまで時間が掛かって、その後に『伝説の人をやるのか』ということですごいプレッシャーが襲ってきました。本当に皆さんいろんなイメージがあるだろうし、これだけいろいろな地で『ここは静が来たんだ』という伝承が残っているということは、それだけたくさんの人が思いを寄せる人物なんだなと。それを大河ドラマで演じるとなると、どんどん緊張していってしまって。かといって、過去の大河ドラマなどはあまり見ないようにしました』とかなりのプレッシャーを感じていたことを明かす。

 しかし、「そもそも静御前の伝説、その後どうなったのかみたいなことも、諸説ありますよね。そういう、いろんな情報が目に入ってくるんですけど、それを一つ一つ信じてしまうと目の前にある脚本に書いてあることが、『これは本当なのかな?』みたいに、いろんな情報がありすぎて心が迷ってしまう気がしたので、あまり資料も見ないようにして、脚本だけを大事にしようと思いました。作品ごとに静御前の描かれ方は違うと思うので、あまり気にせず、今回いただいた役とセリフから読み取って演じました」と、これまでの静御前像ではなく、今回の脚本を頼りに役柄を作り上げていったと語る。

 本作で描かれている静御前のキャラクターについては「川釣りをしながら『御曹司さん、全然釣れへーん!』なんてセリフもあって、本当に台本にそう書いてあるし(笑)、今回の全体的な作風も、ちょっとシュールな笑いがあったり、ブラックユーモアなんかも多かったりするじゃないですか。そういう中で今回、三谷さんが描こうしている静御前も、幻想・伝説の、みんなのイメージが出来上がってる静っていうよりも、ちょっと斜めから切り込むような、ちょっと男っぽい感じなんです」と解説。加えて「衣装もはかまでスタスタ歩けるし。義経がほかの男性たちと宴をしてる時も、隣で一緒にそこに参加していますよね。それは私も意外で、もっと一歩引いて、本当に“義経一筋”っていう人なのかなと思ったら、それはそうなんだけど、もっと1人の人としてそこにいる場所があるというか。そこにいる存在感のある人なんだなっていうのが、今回の脚本を読んで意外だったところですね」と話した。

石橋静河が感じた「鎌倉殿の13人」静御前の魅力。“ライバル”三浦透子は「面白くてかわいい人」

 義経との関係については「白拍子って、どんな振り付けで踊って、どんな衣装を着て、どんな歌を歌って…っていうような記録は書物に残っていないんです。だから振り付けも今回は所作指導の先生と一緒にやりながらつくっていった部分があるんですけど、白拍子って即興で歌いながら、即興で舞いながらっていうことをする人なんですよ。フリースタイルというか。その場の空気とか、そこにいる人とかから、瞬時にどんなことを歌おうか、というのを考えてやらなきゃいけない。すごいハイレベルなことで、もともとある“型”をやるというのとは全く別のことだと思うんですけど、それをいろんな殿様方の前でできてしまう静御前は、相当頭がいいと思ったんです。片や義経は戦の神のような人で、片や静は踊りということで、全然違うけど、同じぐらいのエネルギーというか。すごく感覚的じゃないですか、義経も。そういう大胆な部分とかが似ていたんじゃないかと私は思います」と自身の解釈を述べる。

 舞いへの挑戦に関しては、「最初の登場シーンの踊りは2日間しか練習ができなくて、結構大変でしたね。長袴もはいたことがなくて、歩きづらくて。中は裸足で、足が隠れてすそが後ろに長く流れるんですけど、そのさばき型もあるんですよ。美しく、立った時に八の字に広がっているのが一番奇麗な形で、回ったりした時にも踏んじゃいけない。舞なので、舞はもともと回るから『舞い』という言葉ができたらしいので、結構回るんですけど、そのたびに踏みそうになって、慣れないと本当に難しくて。それは大変でした」とかなり苦労した様子で、「最初はこれどうやって歩けばいいんだろうっていう感じで、『うわ、どうしよう』ってなった」そうだが、「所作の先生が『ただの布じゃなくて自分の足だと思いなさい』と教えてくださって、ちょっとずつそれに慣れていきました。ただ自分が、石橋静河として踊るのと、静御前っていう役を通して踊るのは全然感覚が違うので、すごく幸せな時間でしたね」と振り返った。

 また、義経の正妻・里(三浦透子)との関係について問われると、「本当に三谷さんの脚本だなっていう感じで。普通はもっとドロドロ、熾烈(しれつ)な争いになるけど、これがどこかユーモアがあって、『この人たちこのけんか、終わったら仲良くなっちゃうんじゃないか』って思うくらい(笑)、すごく面白いシーンでした」と説明し、「(三浦)透子ちゃんとは、作品では初めましてだったんですけど、今回一緒になっていろんな面白い話をしました。伊豆のロケが1日あったんですけど、前乗りをした時に、一緒におすし屋さんに行ってそこでいろんな話をして。本当に里も心(しん)の強い女という感じで、静御前も負けない女って感じなので。そのバランスがすごく面白いし、透子ちゃん自身もすごくかっこいい女の子なので、戦ってるんですけど、すごく楽しみながらやりました」と笑顔を見せた。

 そして「静御前という役は、本当に皆さんの中でいろんなイメージがあると思います。今回私が演じた静御前は、皆さんが想像される静御前とは違うかもしれないけれども、歴史を想像できるのが面白いところだと思うので、今回は『こんな静御前も面白いな』というふうに見てもらえたらうれしいです。これからの展開を楽しみに見ていただきたいと思います」と締めくくった。

 5月22日放送・第20話では、京から奥州平泉へ逃れた義経を温かく迎え入れた藤原秀衡(田中泯)が程なくして死去。それを知った義時は、状況を探るため、平泉行きを頼朝に願い出る。義経の才を恐れる頼朝から、秀衡の長男・国衡(平山祐介)とその弟・泰衡(山本浩司)の仲の悪さにつけ込んで義経を討つよう命じられた義時は、八重(新垣結衣)に見送られて平泉へ向かう。一方、捕らえられた静御前は鎌倉で…。


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