「私と結婚してくれますか？」チェ・ウシク【今月のSPOTLIGHT】2025/11/27 17:00

　ある目的のため、偽の夫婦を演じることになった男女の“想定外ロマンス”が展開する「私と結婚してくれますか？」。王道ラブコメディーのときめきで大勢の視聴者を引きつけてきた本作だが、最終話を迎えてなお熱狂は高まるばかり。なかでも、主人公の1人であるキム・ウジュを演じたチェ・ウシクの魅力が再認識されている。

ロマンチックなチェ・ウシクがさく裂!!

　ウシク演じるキム・ウジュは老舗ベーカリーの御曹司で、社内ではマーケティング部のチーム長を務めている。会社の未来を担う身としてアメリカでの勉強や実務経験を終えた後、韓国に帰国したばかりだ。そんな彼には幼くして両親を亡くした過去があり、財閥の中で複雑な立場に置かれてきた背景も。そのせいか、今や人に無関心で期待しすぎることなく、面倒なことも大嫌いだという。

　だが、程なく彼に降りかかってくる“想定外ロマンス”には、むしろ面倒なことだらけ。というのも、彼が出会ったユ・メリ（チョン・ソミン）は入籍したばかりの夫に浮気され、離婚を余儀なくされた女性。しかも、彼女は新居を購入する過程で不動産詐欺に遭い、借金を抱えてもいる。そんなメリに唯一舞い込んだ幸運が、福引イベントでの超高級住宅当選！　ただし、入居者は新婚夫婦限定!!　離婚届の提出を一旦思いとどまったものの夫に協力してもらえず、困ったメリの救世主となるのが、夫と同姓同名のキム・ウジュだ。

　偶然の出会いに始まり、実は仕事の取引相手でもあったウジュとメリは、たびたび顔を合わせるように。そうこうするうち、当選した家を手放したくないメリは、ウジュに「夫のふりをして！」と懇願する。ここから先は大方の想像通り、まずは「お願い！」「嫌だ！」のやりとりがしばし。その後、なんだかんだで偽の夫を演じることになったウジュとメリの間に、やがて本物の愛情が芽生え始めていく。

　チェ・ウシクといえば「パラサイト半地下の家族」で映画ファンの認知度も高いが、等身大の役からエッジの効いた役まで、ヒューマンドラマからサスペンスまで、幅広くハマるのが大きな魅力。近年の「その年、私たちは」や「恋するムービー」では、恋心に身もだえる姿も見せていた。言ってしまえば“何でもできる”のだが、今回の「私と結婚してくれますか？」ではまさにロマンチックなチェ・ウシクがさく裂。メリと出会った頃のスクリューボール・コメディー然とした“ああ言えばこう言う”の応酬から、彼女に向ける気持ちを確かなものにしてからの甘〜い表情やしぐさまで、いろいろなラブコメ・ウシクを見られるのが楽しい。だからこそ、全12話が終わる頃にはきっとメリと同様、「気が付けば彼に恋していた！」なんて人も多いはずだ。

【プロフィール】
チェ・ウシク（Choi Wooshik）
1990年3月26日生まれ。韓国出身。小学生の頃にカナダへ移住し、俳優の道に進むため韓国へ。初主演映画「巨人」（2014年）で青龍映画賞新人男優賞などを受賞した後、「パラサイト半地下の家族」（19年）で国際的に注目を集める。近年のドラマ出演作に「殺人者のパラドックス」（24年）、「恋するムービー」（25年）など。