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BUMP・澤村直道インタビュー【後編】野望はショートドラマ発の大作映画を制作!2025/10/29 11:30

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BUMP・澤村直道インタビュー【後編】野望はショートドラマ発の大作映画を制作!

 現在、急速に市場を拡大しているショートドラマ。そのムーブメントの先駆けとなったショートドラマアプリ・BUMPを運営するemole株式会社CEOの澤村直道氏からショートドラマのコンテンツ作りや今後の展望などについて話を聞いた。

【BUMP・澤村直道インタビュー【前編】ショートドラマの魅力は第1話の“脳汁体験”】
前編はこちら >>> https://www.tvguide.or.jp/feature/ott25102903/

――現在、BUMPのメインユーザーは、どんな層でしょうか?

「20代後半から30代前半が一番多いです。男女ともに見られていますが、女性の方が若干多いですね。もちろんコンテンツの内容によってもかなり変わります。10代女性にすごく見られる作品もあれば、40~50代の男性が普段より多めの作品もあります」

――ユーザーからのコメントは意識されますか?

「SNSのコメントとアプリ本体に来るコメントの二つがありますが、SNSのコメントはかなり重要視しています。たくさんコメントされて、コメント欄の中で賛否両論や議論があると再生数が伸びやすいので。どんなコメントが来るのかを想定しながら脚本を作ることもあります」

――予想通りのコメントも来るでしょうが、意外なコメントも来ますか?

「はい。『そこなの?』といった意外なコメントも来ますし、それはそれで面白いです。予想通りのバズリもある一方で、たわいないサブキャストの会話でもバズったりしますし、そこで意外なキャストの人気が出ることもありますね」

BUMP・澤村直道インタビュー【後編】野望はショートドラマ発の大作映画を制作!

――TVガイドのようなエンタメ情報メディアに期待していることがあれば教えてください。

「個人的には、今ショートドラマで活躍される人たちが、もっとメディアにピックアップされるといいなと思います。ショートドラマの再生数が上がって認知度を上げる人もいますし、次の仕事につなげていく人もいます。ショートドラマは、新しい出演者やクリエーターのフックアップにもなっていると感じているんですね。ただ再生数が上がって終わりではなく、そこから先、ショートドラマに出ている俳優がもっとメディアに取り上げられるようになればいいなと。そうすればショートドラマに挑戦したいという人がもっと増えて、新しいロールモデルも生まれて、より多くの広がりが出てくると考えています。

 ショートドラマって、きっかけとしてはすごく良い場所だと思っているんです。この2、3年でタイトル数もかなり増えていますし、そこにアクセスできる出演者もクリエーターもすごく増えています。逆に最近テレビに出なくなった人がショートドラマに出て復活していくとか、そういう自由度もあると思います。ショートドラマが、エンタメという経済圏の中で循環する一つのエンジンになればいいですね」

――その話も関わってくると思いますが、日本のエンタメメディアは今後どのように変化していくとお考えですか?

「今はいろんなクリエーターが自分の好きなことを好きなように発信できるようになって、世の中に存在するコンテンツの総量がめちゃめちゃ増えています。かつ、ユーザーがそこから自分の好きなコンテンツを選んで、アルゴリズムがユーザーに合わせたものを最適化して流してくれるという環境になってきています。マスという概念がどんどんなくなって、ユーザーが選んだものが自然とトレンドになる世の中になってきている。面白いものを作れば、いろんな人に見てもらえるチャンスがあるので、作り手側にはすごくチャンスが広がっている。そういう作り手側の民主化はますます進んでいくのかなと思います」

BUMP・澤村直道インタビュー【後編】野望はショートドラマ発の大作映画を制作!

――今後、澤村さんご自身が実現したい野望はありますか?

「映像作品がヒットした時にその収益の一部がクリエーターに還元されて、クリエーターが報われていくようなシステムを作っていきたいです。そういう経済圏を作っていくことが、僕らのビジョンとしてありますね。さらに、ヒットを生み出したディレクターが次の世代の若いディレクターに出資してあげるとか、スタートアップで起きているようなエンジェル投資家のような存在がクリエーターの世界で出てきても面白いと思います。僕個人としては海外の映画が好きなんですよね。最近だと『F1®/エフワン』とかめちゃくちゃ面白かったので、ああいう規模の作品をやってみたいなと……」

BUMP・澤村直道インタビュー【後編】野望はショートドラマ発の大作映画を制作!

――それはショートドラマではなく、長尺ですか?

「そうですね。ショートドラマから、テレビでいう『相棒』(テレビ朝日系)のようなヒット作が生まれて、それを映画化するとか。そんなことをやってみたいです。ショートドラマでヒットした作品を映画化、テレビドラマ化して、一つの作品をどんどん広げていくことは野望としてありますね」

【プロフィール】
澤村直道(さわむら なおみち)
BUMP創業者/ショートドラマプロデューサー。1994年生まれ。北海道札幌出身。立教大学経営学部卒。2018年11月にemole株式会社を創業、22年12⽉にBUMPをリリース。世界を変える30歳未満30人の日本人を表彰する「Forbes JAPAN 30 UNDER 30 2023」選出。

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【BUMP】
数分で楽しめるショート動画が楽しめるアプリ。不倫・復讐、女性同士のマウント合戦、下剋上や正体隠しなどの勧善懲悪など、幅広いジャンルのドラマやアニメ作品をラインアップしている。現在、ダウンロード数260万を突破。

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取材・文/水野幸則 撮影/尾崎篤志

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