スタローンが語る「タルサ・キング3」の魅力は“意外性”2025/10/17 12:00

　WOWOWオンデマンド、J:COM STREAM、Prime Video、Leminoチャンネルで見られるParamount+の「タルサ・キング」がシーズン3に突入。本作は、シルヴェスター・スタローン演じるマフィアが、オクラホマ州・タルサを舞台に自らの帝国を築き上げていく姿を描いたクライムアクションだ。大人気のこの作品で、時代遅れながらも、おとこ気あふれるマフィアに扮（ふん）したスタローンのインタビューを届ける。

　25年間を刑務所で過ごしてファミリーに忠を尽くし、出所したニューヨークのマフィア・ドワイト（スタローン）は、変わり果てたファミリーから「片田舎・タルサで新しいビジネスを始めろ」という“戦力外通告”を受ける。それでも、瞬く間にタルサの覇権を掌握して新たな帝国を築き上げたドワイトは、“タルサの王”の座を奪おうとする者たちとの争いに身を投じていく――。

――本作をドラマシリーズ初主演作として選んだ理由を聞かせてください。

「製作総指揮を務めているテイラー・シェリダンに声をかけられた時はとても光栄でした。彼とは共通の乗馬の趣味があったので、以前に少しだけ会ったことがあるんです。でも、彼のことはそれ以外にはよく知りませんでした。それから約4年後、彼が素晴らしい成功を収めた後に、『場違いなマフィアのアイデアがあるんだ。見知らぬ土地の見知らぬ男が、75歳でゼロから新たな物語を始める話だよ』と私に話をしてくれたんです。私は『それには共感できるな』と答えました。それで、すぐに参加を決め、ストーリーラインを一緒に考え始めて、今に至るというわけです」

――シーズン3ではサミュエル・L・ジャクソンが登場します。彼との共演はいかがでしたか？

「彼との共演はとてもやりがいがありました。なぜなら、いい俳優同士の間には競争があるからです。スクリーンからのけ者にされたくはないからね。だから、いつも最高の状態で臨みます。1か月くらい前から期待感を高めていくんです。『彼はどんな俳優だろう？　どんな声で話すんだろう？　セリフは覚えているだろうか？』といった具合に、あらゆる期待を膨らませていくんです。そしてついに彼が口を開き、輝く歯を見せて、握手をし、『元気かい？』と言ったとたん、すべての緊張が解けました。私たちはとてもうまく共演できたと思います」

――サミュエル・L・ジャクソンとは現場でどのような話をしましたか？

「演技についてはよく話しました。私たちはそれぞれ物事へのアプローチ方法が違いますが、相性はとても良かったです。現場ではたくさん笑いました。2人ともなまりがあるので、時々私には彼の言っていることが理解できず、彼も私の言っていることが理解できないことがあったんです。現場はとても面白い状況でした」

――製作総指揮を務めるテイラー・シェリダンは、世界中で人気のヒットシリーズを数多く生み出しています。彼の作品が見る者をひきつけるのは、なぜだと思いますか？

「忘れ去られた人々の心や魂を扱っているからです。東海岸でも西海岸でもなく、真の開拓者精神や農民精神によってこの国が築かれた場所である、アメリカ中西部の話です。そこには多くの政治があり、多くの困難があり、多くの冒険があります。そして、そこではいまだに“男は男らしく、自然と戦い、家族を守るために全力を尽くす”と考えられている場所であり、それが非常にドラマチックな舞台を提供しているのです」

――本作はシーズン2の配信時、Paramount+で最も視聴されたプレミア配信の記録を更新しました。この作品の最大の魅力は何だと思いますか？

「この作品の魅力は意外性です。私は心、エネルギー、そしてユーモアを取り入れようとしました。マフィアはマフィアであり、それを理解するのは難しくありません。しかし、彼がマフィアらしく振る舞わない時、『これはちょっと面白いな』となります。彼は人々を仲間に引き入れたいのです。人々を怖がらせるつもりはまったくなく、家族のようにまとめたいと思っています。それが違いです。視聴者は彼のことをまったく恐れません。極悪人に対しては、必要に迫られれば恐ろしいことをすることもありますが、それ以外では彼は威圧的な男ではないんです」

【プロフィール】
シルヴェスター・スタローン（Sylvester Stallone）
1946年7月6日生まれ。米・ニューヨーク出身。76年に「ロッキー」シリーズ1作目の脚本＆主演で大成功を収める。その後、82年の「ランボー」も大ヒットし、数多くのアクション作品に主演。2010年以降も「エクスペンダブルズ」シリーズ（10〜24年）、「大脱出」シリーズ（13〜19年）など人気作に主演している。