「マイ・ユース」ソン・ジュンギが明かす“大切な時間”2025/09/19

「ヴィンチェンツォ」など数々のヒット作に主演し、日本にも大勢のファンを持つソン・ジュンギ。そんな彼が新作ドラマ「マイ・ユース(My Youth)」で、久々にロマンス作品の主演を務める。
演じるソンウ・ヘは生花店を営む一方、小説家としても活躍する人物。子役として世に知られた幼少期を経て、人生のどん底に陥った彼が、苦々しい高校生時代を明るく照らした初恋の人であるソン・ジェヨン(チョン・ウヒ)と15年ぶりに再会するところから物語が動き出す。このほど来日したソン・ジュンギに話を聞いた。

――まずは、「マイ・ユース」への出演を決めた理由から聞かせてください。
「基本的に、僕は過去の出演作とは違うジャンルをやるのが好きなんです。その点、1作前の『財閥家の末息子~Reborn Rich~』は壮大な叙事詩で、大きな世界観の中で力強いストーリーを表現するものでした。なので、次はもっとささやかで人間味のある物語をやりたいと思っていて。そんな時、『マイ・ユース』の台本に出合えました」

――ソン・ジュンギさんの目から見て、演じたソンウ・ヘはどんな人物ですか?
「彼は子どもの頃に受けた心の傷が原因で、1人だけの世界に閉じ込められています。そんな彼が自分の世界から少しずつでも出られるよう、周りの優しい人たちが促すのですが、その1人がまさに初恋相手のソン・ジェヨン。彼女のおかげで、ソンウ・ヘは外の世界に出ることになります」

――ソンウ・ヘとソン・ジェヨンの過去の時間は、彼らの現在につながっていきますね。ソン・ジュンギさん自身、俳優として大切にしている過去の時間はありますか?
「大切にしているのは、今まで関わったすべての作品に費やした時間です。もちろん、その中でもファンの皆さんには好きな順番があるでしょうけれども、僕にとってすべて大切なことに変わりはありません。ただ、一つお話するとしたら、演技を始めて間もない頃の時間を大切に思っています。現場のことを何も知らなかった新人時代ですね。先輩や監督にかなり怒られもしましたが、とてもすてきな大人たちに出会えて多くを学びました。あの時期特有のロマンがありましたし、運のいい新人だったと思います」

――この「マイ・ユース」は、どんな撮影現場でしたか?
「文字通り、花に囲まれた現場でした。花屋さんのシーンはもちろん、公園、森、山、野原といった屋外のシーンも多くて。監督が自然のみずみずしさを切り取ることにこだわっていらしたので、その温かみの中に身を置きながら撮影していました」

――大変だったことはありますか?
「僕自身はいたずら好きで、意外なアドリブなども好むタイプなんです。でも、ソンウ・ヘは違いますよね。なので、撮影中は自分の遊び心を抑えるのが大変でした(笑)」

――ソンウ・ヘを演じる上で、最も大事にしたものはなんでしょうか?
「やはり、過去に負った心の傷と抱えている欠乏です。第2話は、そんな彼の子ども時代が描かれる回で。演じているのは僕ではありませんが、その頃の感情を理解しようと考えて、第2話の台本を何度も読みました」
――さまざまな役を演じてきた中で、役との付き合い方において心掛けていることはありますか?
「おっしゃる通り役柄はさまざまですが、演じたいキャラクターに巡り合った時はその人となりを把握した後、ソン・ジュンギ自身と似ている部分を探します。結局、演じるのは自分ですから、僕の中に役の色を見つけないと自然な演技はできません。僕自身をキャラクターに向けて広げ、近づいていく感覚ですね。ですが、今回最初のうちは、僕の中にソンウ・ヘの色を見つけるのがかなり大変でした。第2話の台本を繰り返し読んだのは、彼の気持ちを何とか味わいたかったからでもあります」
【プロフィール】
ソン・ジュンギ(Song Joong Ki)
1985年9月19日韓国生まれ。2008年に映画「霜花店 運命、その愛」でデビュー。「太陽の末裔~Love Under The Sun~」、「ヴィンチェンツォ」、「財閥家の末息子」などの人気作品に出演。

【コンテンツ情報】
「マイ・ユース(My Youth)」(全12話)
FOD
9月5日から国内独占配信中(以降、金曜に最新話を配信)
※配信日時は予告なく変更となる場合あり。
取材・文/渡邉ひかる 撮影/島田香
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