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「刃牙」板垣恵介と「BEASTARS」板垣巴留がNetflix10周年記念イベントで親子対談!2025/09/08 19:00

「刃牙」板垣恵介と「BEASTARS」板垣巴留がNetflix10周年記念イベントで親子対談!

 Netflixは、2025年9月に日本でのサービス開始から10周年を迎え、Netflixの人気作品の世界を実際に体験できるアニバーサリーセレブレーションを東京・渋谷において9月14日まで開催中。セレブレーションの初日となる9月5日に、Netflixで独占配信中のアニメ「バキ」「範馬刃牙」の原作者である板垣恵介氏と、26年には最終章「BEASTARS FINAL SEASON Part2」が配信となる「BEASTARS」原作者・板垣巴留氏による父と娘のスペシャルトークショーが行われた。

 集まったファンの盛大な拍手で迎えられた2人。恵介氏は「Netflix10周年でございます。自分自身の10年前は、いろいろトラブってたなということが……まだまだ、たくさん描いてた時代だったので、今よりも仕事自体は重かったかな。10年って結構前だからね」と語ると、巴留氏は「Netflix10周年おめでとうございます。私もいつも見ているので、もう10年経ったんだなと思いつつ、私も来年デビュー10周年になるので、その10年の重みみたいなものを実感してはいます」とそれぞれの10年を振り返った。

「刃牙」板垣恵介と「BEASTARS」板垣巴留がNetflix10周年記念イベントで親子対談!

 日本のみならず世界中で愛されいてる「刃牙」シリーズと「BEASTARS」シリーズ。アニメ化について、恵介氏は「もともとアニメを前提に始めた作品ではないので、そんなに喜んだということはないですが(笑)。最初は、キャラクターの顔、動き、アクションが、ちゃんと合理的な動きができているのかな、ということを心配したぐらいかな」と率直な感想を述べつつ、「出来上がったものが素晴らしかったから、今はもうお任せしています」とアニメ制作陣に絶大な信頼を寄せている様子。

 巴留氏は「私は、頓挫しちゃう可能性もあるかも……とあまり期待しないようにしようと思いながら、実際に出来上がった第1話を見て、ああ、本当にアニメ化したんだとじわじわ喜びを感じました」と当初のことを回顧しつつ、また「私自身、海外ドラマばっかり見てきているので、声優さんには、キーンと高い声を出さないとか、あんまりアニメっぽくないしゃべり方をしてほしいとだけ言いました」とアニメ化に当たっての要望も明かした。

 世界での人気に関しては、恵介氏が「あまり実感はないんだけど、どのくらいの収入なんだろうって。そういう数字に関しては会社経営者でもあるので、それは気にした」と話して、会場は笑いに包まれた。一方、「BEASTARS」のシーズン2のオープニングとエンディングを、巴留氏の小説を基にYOASOBIが手掛けていることについて、巴留氏は「これは、完全にYOASOBIさんの音楽の才能を持ってなされたことだと思うので、本当に尊敬の念を持ちます」と謙遜。また、世界のファンからのコメントが読まれると「ありがたいです。SNSとかで海外の方からコメントいただくこともあるんですけど、こうやってちゃんと見ると海外の人にたくさん届いてるなって思うので」と喜びを語った。

「刃牙」板垣恵介と「BEASTARS」板垣巴留がNetflix10周年記念イベントで親子対談!

 続いて自身の作品作りにも触れ、恵介氏は「もう“『刃牙』らしさ”っていうのが出来上がってると思うので、そこを外さないようにということ。そして、毎回“ショック”を与えたい」と語ると、巴留氏は「ちょっと似ちゃうんですけど、私も週刊連載なので、毎週見せ場は派手にと思っています。インパクトを残すっていうところが大事です。あとやはりキャラクター一人一人に正義があること。それが正しくても間違えていても、おのおのにおのおのの正義があることを大切に描いてます」とそれぞれのこだわりを述べた。

 互いの作品の感想を問われると、巴留氏は「家に『刃牙』があるので幼い頃から読んでいます。一見、男性のロマンを描いている作品に見えるんですけど、叙情的なシーンがたくさんあるところがすごく好きで。すごく詩的だなと。お父さんってロマンチストなんだなって。そういうシーンがたくさんあるからこそ、女性の読者も増えているんだと思います」と、「刃牙」シリーズを評した。

 恵介氏は「天才だと思ってる、純粋に読者として。デビュー前からこれは売れるなと思って。小・中学校の頃の作文とかを見ても、作る側に来る人だなと思っていました」と絶賛。それを聞いて、巴留氏は「(「BEASTARS」シリーズの主人公)レゴシって、私が大学生の頃に創作物として作ったキャラクターなんですが、『お前はこの先、レゴシに一生食わせてもらうぞ』って言われたことを覚えています」と言うと、すかさず恵介氏も「よく覚えてるよ!」と親子ならではのエピソードを披露した。

 加えてトークショー内では、Netflixシリーズ「刃牙道」が26年に世界独占配信されることが発表され、ティザー予告とティザーアートも公開。そして、Netflixシリーズ「BEASTARS FINAL SEASON Part2」からは衝撃のクライマックスを予感させるファーストルック4点が一挙に解禁された。

「刃牙」板垣恵介と「BEASTARS」板垣巴留がNetflix10周年記念イベントで親子対談!

 「刃牙道」のティザー予告を見て、恵介氏は「『バカボンド』という名作があるんだけど、それとは違う、俺が知っている“宮本武蔵”にとても自信を持っています」と手応え十分。巴留氏も「すごいよかったですね。今までのいろんな創作物で描かれてきた宮本武蔵の中でも本当に見たことのない、お父さん流の宮本武蔵だと思ってめちゃくちゃ楽しんで読んでいたので、すごく楽しみでした」と興奮気味。

 また、ティザーアートが解禁された「BEASTARS FINAL SEASON Part2」は、松見清一監督からコメントも到着。「レゴシとメロンの対峙(たいじ)、ルイの覚悟、そしてハルの揺るがる思い――。牙と角がぶつかり合う、友情も愛も誇りもすべてが試される怒濤(どとう)のクライマックスへ。種族を超えて生きるとは何か? 愛することは力なのか、それとも弱さなのか? この作品のフィナーレは彼らの物語であると同時に、私が生きる世界への問い掛けでもあります。どうか最後まで見届けてください」とのメッセージを受け、巴留氏は「ジーンときました。絶対にいいクライマックスにしていただけるんだろうなって、本当に不安はないです。ありがとうございます」と期待を寄せた。

「刃牙」板垣恵介と「BEASTARS」板垣巴留がNetflix10周年記念イベントで親子対談!
「刃牙」板垣恵介と「BEASTARS」板垣巴留がNetflix10周年記念イベントで親子対談!

 最後に、アニメの配信に向けて注目してほしいポイントを恵介氏は「姓名判断を高校時代からやっていて、歴史上の人物もできるから、宮本武蔵も幼少期の“たけぞう”も含めてかなりしっかり調べました。吉川英治さんが昭和10年代に書いた宮本武蔵は求道的だけど、もう少し生々しいというのが分かって。達人であることは間違いないけれど、人に評価されたがる人だと分かったので、それは反映させました。吉川英治さんが土台となった作品との違いを楽しんでもらえたらと思います」とアピール。

 また、巴留氏は「今回で物語が完結します。レゴシとハルがどうなるのか、ああいうふうに学校でアクシデントから出会った2人が最終的にどういう関係に落ち着くのか。草食も肉食も男性も女性も結局、コミュニケーションを取るのは異種族交流になって難しいけれど、だからいんだよねというのがメッセージなので、それをしっかり受け取ってもらえたらなと思います」と発信した。

「刃牙」板垣恵介と「BEASTARS」板垣巴留がNetflix10周年記念イベントで親子対談!
「刃牙」板垣恵介と「BEASTARS」板垣巴留がNetflix10周年記念イベントで親子対談!

 これからのエンターテインメントにも話が及び、巴留氏は「今まで世界に広がっていくエンターテインメントってハリウッド映画やブロードウェイミュージカルなど、大勢の人が関わって、お金をかけたアメリカ発信のものが主流だったと思うんです。それも素晴らしいけれど、こうしてたった1人が部屋の片隅で悶々(もんもん)と机に向かって出来上がったコンパクトな作品が世界に広がるのも面白いことだと思うので、そうやって規模の格差がなくなっていくのはいいことだと思いますし、これからもそうあってほしいなと思います」と語り、恵介氏は「俺を見つけろよ!ということだけ(笑)。より『刃牙』らしく、新しいショックを与えていきたいです」と締めくくった。

 なお、2人がイラストを描いたメッセージ入り寄せ書き色紙も披露された。色紙はポップアップイベント期間中、会場に展示される。

【コンテンツ情報】
アニメ「刃牙道
Netflix
2026年独占配信

アニメ「BEASTARS FINAL SEASON Part2」
Netflix
2026年独占配信



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