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鈴木おさむが語る「奪い愛、真夏」主演・松本まりか。「さらに“ぶっとい女優さん”になった」2025/08/09 00:45

鈴木おさむが語る「奪い愛、真夏」主演・松本まりか。「さらに“ぶっとい女優さん”になった」

 TVerでは、松本まりか主演のテレビ朝日系連続ドラマ「奪い愛、真夏」(午後金曜11:15。一部地域を除く)の第3話が配信スタート。現在、第1〜3話までを一気見できる。そして、脚本を手掛けた鈴木おさむが、これまで放送されたシーンや、キャストの印象などを語った。

 「奪い愛、真夏」は、2017年の「奪い愛、冬」を皮切りに過去4作が制作された「奪い愛」シリーズの最新作。松本が、転職先で元恋人にそっくりな男性と出会い、図らずも禁断の愛に身を投じていく主人公・海野真夏を演じる。そんな彼女とひかれ合う既婚者で御曹司社長・空知時夢役を務める安田顕は、主人公の元恋人役との1人2役で、史上最大のモテ男に。抑えきれない恋心を抱える複雑な胸の内を繊細に表現していく松本、安田ら俳優陣が、苦悩しながらも禁断の愛に翻弄(ほんろう)され、激しくも切ない“ドロキュン劇場”を展開する。

鈴木おさむが語る「奪い愛、真夏」主演・松本まりか。「さらに“ぶっとい女優さん”になった」

――本シリーズの生みの親であり、昨年には放送作家・脚本家を引退された鈴木さん。引退発表前に「奪い愛」新シリーズの執筆を約束していたことから、今回、再度筆を執ることとなりました。

「引退してから初めての脚本だったので、なかなか照準が合いませんでしたが、第1話を書いて徐々に前の感覚が戻ってきましたね」

――今作では、なぜ“不倫×タイムリープ”の設定にしたのでしょうか?

「もともと、プロデューサーから『不倫ものを丁寧にやりたい』と言われていました。(『奪い愛』シリーズが始まった)8年前と比べると、不倫ものの作品が多くなりましたよね。ほかとは違うアプローチで、しかもきちんと見せるにはどうしたらいいか、と考えた時に、昔、“タイムリープする不倫ものをやりたい!”とメモをしていたのを思い出したんです。不倫ものと同じく、世の中にはタイムリープものの作品はたくさんあるけれど、その二つを掛け合わせた作品はなかなかない。そこで『人は(不倫が)ダメだと思っていても、タイムリープをしたら再び不倫をするのか』をテーマにしました」

――では、本作を執筆する上で意識していることを教えてください。

「松本まりかさんが『自分が信じた愛だけど、(物語の中で)ひどい目に遭うことが大事な気がします』とおっしゃっていたのですが、僕もそのあたりは意識して書いています。実はこんなにも先を決めずに脚本を書いたのは初めてなんですよ。いつもなら、ある程度のゴールを考えるんですけど、今回は本当に何も考えないで作っています。例えば第3話のラストシーンでは、見ている人も『この後どうすんの!?』と驚いたと思うのですが、僕もそんな気持ちです。初めての方法ではあるものの、でもこのやり方が一番ワクワクするんですよね」

鈴木おさむが語る「奪い愛、真夏」主演・松本まりか。「さらに“ぶっとい女優さん”になった」

――主人公の真夏を演じる本さんは、「奪い愛」シリーズ常連ですが、月日を経て印象は変わりましたか?

「松本さんとお話をする機会があったのですが、以前よりさらに“ぶっとい女優さん”になったなと思います。僕の脚本ってトリッキーな展開で構成されているんですよ。松本さんはその展開に慣れていらっしゃるからこそ、今回、物語の整合性を取るご提案をたくさんされていましたね。そうした作業は、役者さんとしても大変だったんじゃないかな、と思います(笑)」

鈴木おさむが語る「奪い愛、真夏」主演・松本まりか。「さらに“ぶっとい女優さん”になった」

――今回、シリーズ初参加となった時夢役の安田さんの印象はいかがですか?

「『安田さんに決まった』と聞いた時はうれしかったですね。物語の中でトリッキーなことが起こる『奪い愛、真夏』では、真面目に演じることが大事だと思うのですが、安田さんはその世界にめちゃくちゃ合っている気がするんですよ。でも、(トリッキーなことが起こる『奪い愛』の世界観が)初めてということもあって『気持ちをつなぐのが大変』とおっしゃっていたようです(笑)」

鈴木おさむが語る「奪い愛、真夏」主演・松本まりか。「さらに“ぶっとい女優さん”になった」

――そして、高橋メアリージュンさんがそんな時夢の妻・未来を演じています。

「未来は、心も含めて絶対の美人であることが重要。だからこそ狂おしくなっていく大事なキャラクターです。登場人物の中でも、一番異常なことが起きるので、すごく難しいし、大変だろうなと思います」

鈴木おさむが語る「奪い愛、真夏」主演・松本まりか。「さらに“ぶっとい女優さん”になった」

――TVerのリアルタイム配信や見逃し配信でご覧になる方もいらっしゃると思います。TVerという存在について、鈴木さんはどう捉えていらっしゃいますか?

「この10年で面白いエンターテインメントが生まれて、選択肢も増えましたよね。ただでさえ時間がない中、『TVerで見る』という選択は当たり前だと思うんです。僕はTVerが登場したころから意識をしていました。例えば、5、6年前に、メディアの未来の話をする番組に出た時にも『TVerが変えると思う』と発言したんです。当時、まだみんなピンと来ていない様子だったけど、今は『ほら、僕の思った通りになった!』と思っています。今、テレビドラマにとって『いかにTVerと一緒に走っていくか』って大事なことだと思うんですよ。TVerで作品を見た後、『次はリアルタイムで見たい!』と思ってくれたら、なお幸せですね」

――鈴木さんは、どのような時にTVerを利用するのでしょうか?

「僕は移動中に利用することが多く、話題になっているドラマを見ています。『なぜヒットしているんだろう?』と思いながらチェックをするんですけど、見ているうちにハマることが多いです」

――そんなTVerでは、「奪い愛、真夏」の最新話に加え、第1〜3話が据え置き配信中。ここまでに鈴木さんにとって印象的なシーンはございますか?

「第1話で松本さんに『夏夜のマジック』というセリフを言っていただいたシーンですね。あのセリフを言うには、相当な気持ちの整理が必要だったと思うんです。真夏として『夏夜のマジック』を言うために、いろいろと調整し、物語を成立させてくださったような気がしますね。また、第3話のプールのシーンもいいなと。ラストに……という場面なんですが、あそこは僕が『やりたい!』とわがままを言ったシーンでもあるんです。難しいオーダーもスタッフさんがかなえてくれました」

――タイムリープがどのように物語に影響するのか、真夏と時夢の関係など、今後の展開も気になるところです。

「第1話に出てくる人が今後の要となってきます。これから驚く展開もありますので、楽しみにしていてほしいですね」

鈴木おさむが語る「奪い愛、真夏」主演・松本まりか。「さらに“ぶっとい女優さん”になった」
鈴木おさむが語る「奪い愛、真夏」主演・松本まりか。「さらに“ぶっとい女優さん”になった」
鈴木おさむが語る「奪い愛、真夏」主演・松本まりか。「さらに“ぶっとい女優さん”になった」

【コンテンツ情報】
奪い愛、真夏

TVer
第1~3話が配信中

鈴木おさむが語る「奪い愛、真夏」主演・松本まりか。「さらに“ぶっとい女優さん”になった」


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