「グラスハート」佐藤健、宮﨑優、町田啓太、志尊淳の“絆”と重なるTENBLANKの物語2025/08/05 20:00

　若木未生氏の人気小説を原作に、音楽に情熱を傾ける者たちの青春模様を描く「グラスハート」がNetflixで配信中。配信開始当日には、先立って世界最速試写会イベントが都内で行われた。

　4人組バンド・TENBLANK（テンブランク）を物語の中心に据えた「グラスハート」の第1話は、宮﨑優が演じるドラマーの大学生・西条朱音の目線で始まる。所属するバンドをクビになってしまった朱音は、“ロック界のアマデウス”と称される天才ミュージシャン・藤谷直季（佐藤健）と運命的な出会いを果たすことに。朱音のドラムにバンドの未来を見いだした藤谷から、組んだばかりのTENBLANKに誘われる。メンバーには、カリスマギタリスト・高岡尚（町田啓太）や新進気鋭のキーボーディスト・坂本一至（志尊淳）の姿も。藤谷をボーカル＆ベースに4人体制で始動することになったTENBLANKは、藤谷が生み出す唯一無二の楽曲とメンバーの熱く激しい演奏で音楽界に乗り込む――。

　世界最速試写会イベントで上映された第1話は、世間がTENBLANKの存在を知ることになるシーンまで。今後の展開を期待させる上映の直後、舞台上には佐藤らTENBLANKの面々がサプライズで登場し、作詞・野田洋次郎（RADWIMPS）＆作曲・飛内将大の「旋律と結晶」を披露した。「旋律と結晶」はエモーショナルなバンドサウンドが耳に残る劇中曲で、キャスト4人は堂々たる生パフォーマンスで客席を魅了。約600人の試写会参加者を前に、会場は熱気に満ちあふれたライブハウスさながらの状態となった。

　そんな演出からも分かるように、音楽は全10話の「グラスハート」を形成する最も大事なパーツの一つとなっている。メンバーが集う自宅で、レコーディングルームで、何げない道端で、大勢のオーディエンスがいるコンサート会場で、藤谷らは音楽を奏でていくことに。共同エグゼクティブプロデューサーも務める佐藤は、キャストたちが実際にパフォーマンスをすることにもこだわりを見せており、撮影前からレッスンに時間をかけたそう。

　それだけに、イベントのトークコーナーでは、キーボーディスト役の志尊が「本番の2週間前くらいに、健から『ベースもいける？』とムチャぶりされました（笑）」と明かす一幕も。志尊が扮（ふん）する坂本がどんなシチュエーションでベースを披露するかは、ぜひ本編をチェックしてほしい。また、トークコーナーの中盤には、TENBLANKと敵対する大人気ユニット・OVER CHROME（オーヴァークローム）の真崎桐哉役の菅田将暉がビデオメッセージで登場。佐藤直々の出演オファーを受けたという菅田は、ピアノの演奏シーンに苦労したことを告白し、「今後は健くんのオファーでも、ピアノを弾く役は断ります！（笑）」と冗談交じりに断言。このコメントを受けた佐藤は、第2話で披露される朱音と真崎のセッションシーンに触れ、「2人とも超絶カッコよかった」と絶賛していた。

　言うなれば“青春音楽ストーリー”にカテゴライズされる「グラスハート」だが、イベント中には、キャストたちの関係が作品自体の魅力を物語る光景も見られた。自然体で気の置けないトークを繰り広げる彼らは、思わず笑顔にさせられるほど仲がいい。佐藤と町田は初共演だが、その姿は信頼で結ばれた劇中の藤谷と高岡に重なる。それはオーディションで抜てきされ、TENBLANKの中で成長していく朱音をパワフルに演じ切った宮﨑も同じで、物おじしない様子を志尊が「肝が座っている」と表した。「現場にいる時からずっとそうだった」と撮影現場の様子をさりげなく明かしていたのは町田だが、キャスト同士の絆は楽器練習や約8か月にわたる撮影を経て築かれていったものだろう。音楽で分かり合い、つながり、楽しいことも苦しいことも共にしていくTENBLANKの物語をずっと見続けたくなるのは、彼らキャストのケミストリーによるところが大きい。藤谷と朱音の出会いを描いた第1話から、ドラマ史上に残る革新的な構成で魅せる最終話まで、恋も友情もにじむ4人の旅は音楽と共に繰り広げられ、力強い青春物語として形を成していく。その美しさを、ぜひ目に焼きつけてほしい。