「笑ゥせぇるすまん」ロバート・秋山“喪黒”が登場! 「撮影中は口を開けっぱなし」2025/07/22 17:00

謎のセールスマン・喪黒福造が悩める人々の“ココロのスキマ”に寄り添う、藤子不二雄Ⓐが生み出したブラックコメディー「笑ゥせぇるすまん」が、令和に復活! 秋山竜次(ロバート)が喪黒を演じ、宮藤官九郎、マギー、細川徹、岩崎う大(かもめんたる)が脚本を手掛ける全12話のオムニバス形式のドラマが、7月18日からPrime Videoで配信スタートした(1〜4話/配信中。5〜8話/7月25日から、9〜12話/8月1日から配信)。
横浜・みなとみらいのランドマークプラザ5階「Cafe Fan Base」では、7月30日までの期間限定でドラマとコラボレーションした「笑ゥせぇるすまんカフェ〜オナカのスキマ…お埋めします〜」を開催中。そのカフェに、“秋山喪黒”が登場した。
喪黒の衣装をまとい、集まったカメラマンや記者と名刺交換をした秋山は「私、喪黒福造と申します。皆さん、よろしくお願いします」と、役の口調そのままで会見を進行。
喪黒役をオファーされた率直な感想を問われると、「国民的アニメですから正直驚きましたし、恐怖すらありました…と謙遜してみましたが、あちらこちらで『喪黒じゃん』と言われたことがありまして(笑)。人生マックスの体重、眼力、色黒さ、怪しさ…すべての条件が整った時にしか(オファーは)来ないと思っていましたので、いよいよ来たかと思いました」と、以前から「似ている」と言われていたことを明かした。

作品製作の情報解禁から喪黒役が発表されるまでに“時差”があり、SNSでは配役についての考察が飛び交う状況が続いたが、「バナナマンの日村(勇紀)さんとか、塚地(武雅)さんとか、石破(茂)総理とか、私と同じような体形の方がたくさん登場していて…私の名前もありましたが、早く発表してほしかったです」とニヤリ。
「ロバート秋山のクリエイターズ・ファイル」では、さまざまなキャラクターになりきるために特殊メークを駆使してきた秋山だが、今回は帽子と衣装を身につけただけ。しかし、役づくりは大変だったようで「アニメをあらためて見直して、小学校時代に親しんだ(喪黒の声を担当していた)大平透さんというレジェンドに寄せるように役づくりをしていきました。子どもを学校に送り出す時も『行ってらっしゃい。あなたちゃんと勉強するんですよ』って喪黒の口調で言っていましたし、ほかの現場でこの口調になってしまうこともありました」と打ち明けた。
「あと大変だったのが、口を開けっぱなしで撮影したこと。アニメの喪黒は一度も口を閉じないので最初の収録で監督に相談したら、『口、開ける方向でいきましょう』と決めちゃったので、相手役の俳優さんが真剣な芝居の時も全部この(喪黒の笑顔の)表情でいくことになって。この表情で感情なんて出せませんし、相手の方が笑ってしまう場面もあって、ものすごい空気が流れていました」と共演者をおもんぱかったが、そのかいあって7話に登場した髙嶋政伸から「実写史上最高のクオリティー」と太鼓判を押してもらったという。

髙嶋のほかにも、山本耕史、斉藤由貴、千葉雄大、本郷奏多、あの、黒島結菜、井桁弘恵、中川大志、仲間由紀恵、國村隼、勝地涼、濱田岳、小日向文世ら豪華すぎる共演陣に、「ものすごい方々と1対1でお芝居をさせていただいて、勉強させていただきました。皆さんのお芝居があったからこそ、口を開けたままの私の芝居が成立したと思います」と感謝した秋山だが、最も印象に残った共演者として挙げたのは、夢グループ社長の石田重廣氏(宮藤が脚本を担当する5話に登場)だとか。
「自分の中のジャッジで“あいつ”って呼んでいいと判断したんですが(笑)、あいつはヤバいっす。セリフも内容も何も覚えてきていなくて、監督がその場で一行一行説明すると『それに対して僕はこう言えばいいのね〜』って。歩きながらの芝居も当然できませんし、普通の収録の3倍くらい時間かかったんじゃないかな。とにかく最強だったので、宮藤さんも制作陣も、仕上がりがどうなったか、想像つかない感じになっているんじゃないですかね」と、石田社長のものまねを交えながら撮影を振り返った。
「秋山さんが埋めてもらいたい『ココロのスキマ』は?」という質問が飛ぶと、「コンプライアンスが息苦しい時代ですから、昭和の時代のような発言を気にしすぎないでいいテレビの時代に戻ってみたい」と冗談めかした秋山。

最後は、「限られた体形、限られた眼力、限られた口元がないとクリアできない役柄ですから、その審査に通ったのは誇りですね。これからはプロフィールに『喪黒福造』って書けますし、海外の入国審査も『モグロ』で通るんじゃないでしょうか(笑)。脚本はオリジナルのストーリーを令和に落とし込んで、オリジナルのキャラクターの面白さに“秋山喪黒”の面白さを加えてくれていますし、喪黒福造をお好きな方も、初めてここで知る方も見やすい作品になっているのではないかと思います。文句を言いながらでも構いませんので、ぜひお茶の間で見ていただきたい。あなた、必ず見たくなりますよ! ドーン!」と決めゼリフ&決めポーズで会見を締めくくった。
【コンテンツ情報】
「笑ゥせぇるすまん」(全12話)
Prime Video
独占配信中

取材・文/須藤美紀
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