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「プレデター:最凶頂上決戦」ダイナミックな映像が圧巻! プレデターの外観は実写から一新2025/06/25 19:00

「プレデター:最凶頂上決戦」ダイナミックな映像が圧巻! プレデターの外観は実写から一新

 高度な科学技術を持つ戦士・プレデターと人類(ときにエイリアン)の死闘を描き、1987年公開の第1作以来、世界中を震撼(しんかん)させてきた人気シリーズ「プレデター」。シリーズ史上初のアニメーション映画となる「プレデター:最凶頂上決戦」が、ディズニープラスの「スター」で配信中だ。

 今回、宇宙最凶の戦士・プレデターと対決するのは、三つの時代を生きる3人の人物だ。第1章「SHIELD」に登場するのは、西暦841年を生きるバイキングのリーダー・ウルサ。彼女は自らの犯した許しがたい罪を胸に秘め、息子と仲間たちと共に復讐(ふくしゅう)の航海に向かった先で、プレデターの襲撃を受ける。

「プレデター:最凶頂上決戦」ダイナミックな映像が圧巻! プレデターの外観は実写から一新

 第2章「SWORD」では、物語は1609年の日本へ。双子の兄弟との後継者争いに敗れ、城を出て忍びの技を身に着けた武士の息子・キヨシが、自らの育った城に殴り込みをかけるが、そこにもプレデターの影が……。

 1章と2章に共通するのは、戦いのスペシャリストによる哀しき復讐劇だ。親と子、兄と弟の愛憎ドラマと、心を持たないプレデターとの戦いが、ダイナミックに描かれていく。

「プレデター:最凶頂上決戦」ダイナミックな映像が圧巻! プレデターの外観は実写から一新

 そして、第3章「BULLET」の舞台となるのは、1941年のフロリダ。北アフリカ侵攻作戦「トーチ作戦」に同行していた整備士が、プレデターが仕掛けた連合軍を破滅させかねないわなに気付き、オンボロの戦闘機に乗って第2次大戦の戦場へと飛び立っていく!

 果たして3人はプレデターを倒すことができるのか? そして、3人の戦いの先には何が待ち受けているのか? それぞれの人物の心象と、残忍なプレデターとのバトルをテンポよく描き出したのは、300年前のアメリカを舞台にした実写作品「プレデター:ザ・プレイ」で高い評価を受けたダン・トラクデンバーグ監督だ。

「プレデター:最凶頂上決戦」ダイナミックな映像が圧巻! プレデターの外観は実写から一新

 「ザ・プレイ」などの実写とアニメーションの違いについて、「実写映画では、素晴らしいコンセプトアート(=背景のイメージ画)に合わせてどんなによいものを作っても、コンセプトアートのようにカッコよく見えることはないんです」と語るトラクデンバーグ監督。“動くコンセプトアート”を作ることを目指し、筆で描いたような手描きの質感と、実写のようなリアルなアクションを融合させた本作は、監督に「映画製作者として豊かな機会を与えてくれた」という。

 制作のピーク時には、約150人のアーティストがスタッフとして参加。作品全体の一定のガイドラインをベースに、それぞれのアーティストが自らのDNAを持ち込んで各シーンとじっくりと向き合って完成させた映像は、まさに圧巻。絵画のような背景に飛び散る血しぶきは、凄惨(せいさん)だが、どこか美しい。

 監督をはじめとする制作陣にとっての挑戦は、1章ごとを最小限のセリフで描くこと。特に、第2章の「SWORD」は、当初は兄弟の間で通常の会話が交わされる予定だったが、監督は無声映画に近い映画を作るというアイデアに興味をひかれ、言葉を使わずに物語を作り上げる方法が検討されていった。共同監督のジョシュ・ワッソンが「この映画をユニークにしているのは、アンソロジーであるということだ」と言う通り、目線や剣の動きだけでお互いの心情が表現される第2章は、セリフが多い1章、3章とは全く異なった印象を残す。

「プレデター:最凶頂上決戦」ダイナミックな映像が圧巻! プレデターの外観は実写から一新

 また、本作では、過去の実写作品からプレデターの外観を一新。オリジナルのプレデターをデザインしたクリーチャー&メークアップ効果デザイナーのアレック・ギリスにとって、ボディスーツの中に収めることを考えずにプレデターを自由にデザインする作業は、非常にエキサイティングなことだったという。

 音楽を担当したのは、「ブレードランナー2049」、「IT/イット“それ”が見えたら、終わり。」シリーズ、「エイリアン:ロムルス」などを手掛けた、ベンジャミン・ウォルフィッシュ。三つの章とその3章をつなぐ“第4章”に監督が託した“野心”を異なるサウンドで描き出しつつ、同時に全編を一つにまとめる役割を果たしている。

「プレデター:最凶頂上決戦」ダイナミックな映像が圧巻! プレデターの外観は実写から一新

【コンテンツ情報】
「プレデター:最凶頂上決戦」
ディズニープラス「スター」
独占配信中

文/須藤美紀



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