「セックス・アンド・ザ・シティ新章」シーズン3の見どころ――キャリーに幸せは訪れるのか!?2025/06/05

1998~2004年にわたって計6シーズンが放送され、2本の映画にもなった大人気ドラマ「セックス・アンド・ザ・シティ」。ニューヨークに生きる女性たちのリアルライフを赤裸々に映し出し、社会現象を巻き起した同作が、21年、続編となる「AND JUST LIKE THAT.../セックス・アンド・ザ・シティ新章」として舞い戻ってきたことに歓喜したファンは多い。物語の舞台は、10年の映画「セックス・アンド・ザ・シティ2」の11年後。さまざまなドラマを繰り広げ、50代に突入したキャリー(サラ・ジェシカ・パーカー)、シャーロット(クリスティン・デイヴィス)、ミランダ(シンシア・ニクソン)の現在はやはり、大勢の興味と共感を誘うものだった。
そのシーズン1で主に描かれていたのは、人生を重ねることで必然的に訪れる別れや、流れる年月に適応していくことの難しさだ。コラムニストとして、魅力的な女性としてニューヨークの街を闊歩してきたキャリーも例外ではなく、シーズン冒頭では最愛の男性と死別。嘆き悲しむキャリーと作品全体のトーンが本来の明るさを取り戻したのは、23年に配信されたシーズン2でのことだった。シーズン2には、かつてキャリーと恋愛のすったもんだを繰り広げたエイダン(ジョン・コーベット)が登場。このエイダンはオリジナルシリーズ放送時に視聴者の人気を集めたキャラクターで、現在はバツイチで子どももいる彼がキャリーの前に再び現れ、世紀の復縁を果たす展開が「AND JUST LIKE THAT.../セックス・アンド・ザ・シティ新章」の大きな見どころとなった。

だが、キャリーとエイダンはシーズン2のラストで別離。問題を抱えたわが子のためにエイダンがヴァージニア州に引っ越し、キャリーはニューヨークに取り残される。そんな中、キャリー以外の主要キャラクターはというと、シャーロットは年頃の娘2人の母親として日々奔走し、ミランダは息子の父親と別れて同性の恋人との新生活を選択するもハッピーエンドとはならず。また、オリジナルシリーズの人気キャラクターであり、キャリーら3人と共に物語を繰り広げてきたサマンサ(キム・キャトラル)は、現在はニューヨークを離れてロンドン在住の設定。シーズン2の最終話には、ロンドンのサマンサがキャリーと電話で話すシーンがあった。
そして、5月からはシーズン3が順次配信中。第1話では、キャリーとエイダンが遠距離恋愛のスタイルを選択したことが分かった。シーズン2のラストはエイダンがそのままフェードアウトしてもおかしくない描かれ方だったが、関係をリセットしてそれぞれの道を歩む……とはならなかったよう。だが、キャリーがエイダンとの新生活を想定して引っ越した新居でのトラブルは多く、また電話でつながる2人の距離が簡単に縮まることは物理的にも心理的にもなさそうで先は読めない。一方、一見安定しているかに見えるシャーロットにもささやかなトラブルは常につきもの。新しい恋を求めるミランダの心が満たされる日は来るのか来ないのか? なかなか悩ましいところだ。

しかしながら、気の合う仲間同士で日々のあれこれをあけすけにおしゃべりするシーンの楽しさは健在である上に、目に楽しいキャリーのファッションは年齢を重ねてなおパワーアップ。新キャラクターもゲストキャラクターも、「セックス・アンド・ザ・シティ」らしい世界観の中でそれぞれ魅力を放っている。まだ始まったばかりのシーズン3だが、オリジナルシリーズの面白さがより一層戻ってきた予感も。そんな中、キャリー、シャーロット、ミランダはそれぞれ幸せを実感することができるのか。これから先の展開が楽しみだし、以降もシーズンが続くのであればもちろん彼女たちの物語を追い続けたい。

【コンテンツ情報】
「AND JUST LIKE THAT...シーズン3/セックス・アンド・ザ・シティ新章」(全12話)
U-NEXT
独占配信中
文/渡邉ひかる
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