リチャード・マッデンが「シタデル」の難役について語る！「やると疲れるんですよね（笑）。毎日アドレナリンが出まくっていたよ」2023/05/24

リチャード・マッデン（Prime Video「シタデル」）／海外ドラTVガイドWATCH

　アンソニー＆ジョー・ルッソが製作総指揮を手掛けるスパイアクション・スリラー「シタデル」。伝説のスパイ・メイソンが記憶を呼び戻しながら任務を遂行して行く姿をスリリングに描く本作で、主演を務めたリチャード・マッデンが、難しい役どころについて語った。

── 8年間記憶を失っていたメイソンはどんな人物ですか？

「メイソンの話はとても複雑なんだ。この作品の楽しみは、2人の全く異なるキャラクターを同じ体で演じることができること。そして、その2人を演じることで、人間性や人間としての在り方の異なる側面を引き出すことができることなんだ。1人は過去の傷やトラウマを抱えていて、もう1人はそのような重荷は持っていない。自分の性格の特徴は、どの程度自分の中にあって、どの程度トラウマや経験によって作られるのかと、この2人を探求するのは、とてもエキサイティングなことだった」

── 演じ分けは大変でしたか？

「さまざまなことがありました。というのも、ショーランナーのデヴィッド・ウェイルが脚本で見事に表現してくれたのは、互いに対比するものを作ることだったんだ。視聴者は、エピソードが進むにつれて、2人がどんな人物なのかを知ることができる。だから、それぞれのキャラクターを演じる時は、2人の要素を持ちながら、それを異なるタイミングで引き出していった。大きな挑戦だったよ」

── 大がかりなアクションシーンが見ものですね？

「今作品には巨大なセットがあり、このような作品に参加できたことは素晴らしいことです。また今作は、アクションとドラマを半分ずつというわけでなく、その両方を100％実現することを目指したんだ。爆発や車の爆破など、大がかりなシークエンスの中に、メイソンと、コンビを組むナディアの親密なドラマがあり、彼らがどのように一緒に戦うかが描かれているんだよ。自分には、このようなアクション巨編にドラマやストーリーテリングが盛り込まれていることが、とてもエキサイティングだった。登場人物について多くが語られ、彼らがどのように相互作用し合っているのかがよく分かると思う。素晴らしいアクションだけでなく、その中心にはドラマがあるんだ」

── アクションとドラマの部分は、別に撮影したのですか？

「撮影中はずっと気を張っているような感じだった。でもそれが素晴らしいんだ！　戦闘シークエンスの途中で、そのままドラマの一部に入り、クローズアップで映えるように汗を少し抑えてから、また戦闘シークエンスに戻るんだ。だから、撮影では常にその間を行き来する必要があったんだよ」

── 複雑な感情表現に加え、身体的にも大変な役ですね。

「やると疲れるんですよね（笑）。でも、スタッフたちが導いてくれるから、それでいいんです。怒涛（どとう）の展開の中、どうやって一緒に転がっていくのか。撮影現場では毎日アドレナリンが出まくっていたよ。みんなが最高な状態で登場し、互いに火花を散らしながら、本当にクリエーティブな方法で見事にやり遂げることができた」

── コンビを組んだナディア役のプリヤンカー・チョープラー・ジョナスとの共演はいかがでしたか？

「楽しい時間を過ごしました。互いに相手が何を必要としているかを理解して、そして互いをチェックし合うんだ。今、自分はどんなキャラクターなんだ？と思うこともあったからね（笑）」

【プロフィール】

リチャード・マッデン　Richard Madden　　
1986年6月18日生まれ。英・スコットランド出身。「ゲーム・オブ・スローンズ」（2011～19年）のロブ・スターク役で世界的に有名になり、映画「シンデレラ」（15年）に抜てき。18年の「ボディガード -守るべきもの-」でゴールデングローブ賞主演男優賞を獲得。