山下智久インタビュー「俺たちの箱根駅伝」芸能生活を駅伝に例えると「まだこれからスタート」2026/10/09 12:00

日本テレビ系では10月10日より新土曜ドラマ「俺たちの箱根駅伝」(土曜午後9:00、初回は40分拡大)がスタート。池井戸潤さんの同名小説を原作に、正月の風物詩として多くの人に親しまれる箱根駅伝を、“走る側”と“伝える側”の両面から描く本作で、山下智久は古豪・明誠学院大学陸上競技部の新監督・甲斐真人を演じる。
甲斐は、かつて明誠学院大学のエースとして箱根駅伝を走った人物。時を経て、今度は選手たちを率いる監督として箱根の舞台に向き合っていく。池井戸作品初参加となる山下は、「駅伝は日本の文化と言っても過言ではない」と語り、作品への参加を光栄に感じたという。走るのではなく、導く立場として挑んだ本作で、山下は“誰かを支えること”の難しさと、若いランナーたちが放つ熱を受け取っていた。
――池井戸潤さんの作品への参加は、今回が初めてになります。箱根駅伝を題材にした作品と聞いて、どんな思いがありましたか。
「駅伝は日本の文化と言っても過言ではない、すごく大事な行事だと思っていました。お正月には皆さんが本当に楽しみにしているものですし、そういう作品のオファーをいただけたことは光栄でした。池井戸先生の作品は、僕自身は初めてだったんですけど、『ぜひやっていただければ』ということで。監督役でしたけど、とてもありがたく受け止めました」
原晋監督との出会いが甲斐真人の役作りのヒントに

――山下さんが演じる甲斐真人は、選手たちを率いる監督です。実際に演じる中で、まず感じたことを聞かせてください。
「やっぱり、それぞれ個性があるので、その個性を見極めるところから始めないといけない。それは素人にはできないことだと思いました。実際に監督にお会いさせていただいて感じた包容力だったり、安心感だったり、学生たちに与える器の大きさみたいなものが大切なんだろうなと、しみじみ思いながら撮影させていただきました」
――ご自身にとっても、簡単ではない役どころだったのではないでしょうか。
「大変でした。僕自身にそういう経験がなかったので、見て、聞いて、読んで、イマジネーションを膨らませることを頑張りましたが、それでも苦労はありました。でも、いい経験でしたし、無事に撮影を終えられたことには達成感があります」
――甲斐という人物を作る上で、役作りの手がかりになったものはありましたか。
「すごく幸運なことに、青山学院大学陸上競技部の原晋監督にお会いさせていただく機会があり、哲学も含めていろいろ教えていただきました。それをなるべく、甲斐という役を通して出せたらいいなと考えていました。あとは、学生たちの合宿の風景も実際に見学させていただいて。そういうものを体感できたことも、甲斐を作る上で役に立ちました」
――もし山下さんご自身がチームを率いる立場になったとしたら、どんなタイプになりそうですか。
「もともと、『俺についてこい』というタイプでは全くないんです。もっと、みんなの性質を見極めて促すタイプの監督じゃないかなと。もしやったとしたら、ですけど」
――今回の作品を経て、いつか“監督”という仕事をやってみたいという思いも芽生えましたか。
「僕が一番近くにいるのは、映像の世界と音楽の世界なんですよね。映像を撮る監督というのも、チームをまとめるという意味では共通点があるのかなと思いました。いつかチャンスがあれば、何かやってみたいです」
――大泉洋さんとの共演シーンは多くはなかったそうですが、ご一緒してどのようなことを感じましたか。
「僕も、大泉さんが出演されている作品をいくつも拝見していましたし、同じ作品に携われることはすごくありがたいし、光栄なことでした。駅伝チームと大日テレビチームで共演シーンは少なかったのですが、大泉さんがどしっと立ってくださるので、安心して、自由に甲斐を演じることができたかなと思います」
学生ランナーたちの熱に「必死に生きるってかっこいい」

――学生ランナー役の皆さんとは、現場でどんな距離感を取っていましたか。
「ちょっとピリッとさせなきゃいけないと感じていたので、学生のみんなとは結構距離を置いていました。ただ、彼らからも少しずつ話しかけてくれるようになっていったので、そこは自分で調整しながらでした」
――ランナー役の皆さんの撮影は、かなり過酷なものだったとうかがいました。
「とにかく、真冬に薄いユニフォームを着て走っているので、体力的にもメンタル的にも、みんな結構ギリギリでやっていたはずです。でも、それだけ全身全霊をかける価値のあるものだと思っていたので、心を鬼にしてというか、緊張感は持たせたいなという思いで立っていました」
――その姿から、山下さんご自身も受け取るものがあったのではないでしょうか。
「ちょっとシンプルで申し訳ないんですけど、『必死に生きるってかっこいいな』ということを教わりました。僕自身も、現場に立たせてもらっていて、もっと頑張ろうと本当に思いました。誰かが必死に生きている姿からもらえるものって、すごく大きいんだなというのを、この作品を通して感じたので、見ていただく方にも何か受け取ってもらえたらありがたいです」
――撮影中、思わず熱くなる瞬間もあったのでは?
「僕が走るわけじゃないんですけど、心拍数は結構上がっていましたね。伝わるんですよね。みんなの波長というか、エネルギーが。寒かったはずなんですけど、心はすごく温まっていた気がします」
――山下さんご自身も、走り始めたそうですね。
「そうですね。僕は今までなかなか走れなかったんです。でも、彼らの気持ちを知りたいなというのもありましたし、それで見よう見まねで走り始めたという感じです」
――これからも続けていきたいですか。
「続けていきたいですね。まだ始めてそんなにたっていないんですけど、見える景色も変わってくると思うので、できる範囲で続けていきたいです」
自身は「まだこれからスタート」 次世代へつなぎたい思い
――これまでの芸能生活を箱根駅伝に例えると、今は何区あたりを走っている感覚でしょうか。
「まだ、これからスタートするぐらいですよ。やっと今、ちょっと準備が整ってきたなという気持ちです。ここまでは訓練ですよね。100年生きるかもしれないじゃないですか。そういうことでいうと、そろそろスタートかなっていう」
――山下さんほどのキャリアがあっても、まだスタート地点という感覚なんですね。これからこの世界を走り続ける中で、どんな思いをつないでいきたいですか。
「自分も選手として走りつつ、自分のチームも持てたらいいなとは思います。たすきをつないでいくことにはロマンがあるので、僕が学んできたことを、次の世代なのか、別のフィールドにいる人たちなのかは分からないですけど、何かしらの思いとして紡いでいけたらいいですね」
――最後に、作品を楽しみにしている方へメッセージをお願いします。
「駅伝という、日本の文化ともいえるものを題材にした作品ですし、選手たちだけでなく、支える人、伝える人、いろいろな立場の人たちの思いが描かれています。僕自身も、この作品を通して『必死に生きるってかっこいいな』と感じました。見てくださる方にも、誰かが全力で何かに向き合う姿から受け取れるものを感じてもらえたらうれしいです」

【プロフィール】
山下智久(やました ともひさ)
1985年4月9日生まれ。千葉県出身。1996年より芸能活動を開始し、俳優、歌手として国内外で幅広く活躍する。近年の主な出演作はドラマ「正直不動産」シリーズ(22年~/NHK総合)、海外ドラマ「神の雫/Drops of God」(23年~)、主演ドラマ「ブルーモーメント」(24年/フジテレビ系)など。
【番組情報】
新土曜ドラマ「俺たちの箱根駅伝」
日本テレビ系
10月10日スタート
土曜
午後9:00~
(※初回放送40分拡大)
取材・文/斉藤和美
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