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中島健人、NHK初主演でフェロモンだだ漏れ店長役に手応え「ほぼ毎日ファンサ状態」ハマり役実感2026/04/01 12:00

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中島健人、NHK初主演でフェロモンだだ漏れ店長役に手応え「ほぼ毎日ファンサ状態」ハマり役実感

 中島健人が、NHKドラマ初出演にして初主演を果たすドラマ10「コンビニ兄弟 テンダネス門司港こがね村店」(火曜午後10:00)が、4月28日よりスタートする。原作は町田そのこさんの同名小説、脚本は根本ノンジさん。舞台は福岡・北九州市の門司港にあるコンビニ「テンダネス門司港こがね村店」だ。

 そこには、思わず足を止めたくなる空気が漂う。レジ前がまるでアイドルのコンサート会場のような熱気に包まれるのは、フェロモンだだ漏れのイケメン店長・志波三彦(中島)、通称ミツの存在ゆえ。わけありの客や店員たちが集い、それぞれの悩みや孤独が交差していくこの物語は、ハートフルでミステリアス、そしてどこか不思議なヒューマンコメディーでもある。

 中島にとってミツという役は、意外なほど“無理のない”存在だったという。自身の活動とも地続きにある感覚、コンビニという場所への親しみ、そして誰かに短い時間の中で優しさを届けることへの思い。話を聞くほどに、この作品が単なる“イケメン店長もの”ではなく、今の中島だからこそ演じられる温度を持った作品であることが伝わってきた。門司港での撮影エピソードも交えながら、作品への思いを語ってもらった。

――今回演じる志波三彦は、フェロモンだだ漏れのイケメン店長。ご自身のイメージにも重なる役柄ですが、演じる上で意識していることはありますか。

「ほぼ毎日、役を通してファンサしている状態ですね(笑)。これ、俳優としてどうなのか分からないですけど、それくらい自然なんです。意識しているのは、根本ノンジさんが町田そのこさんの原作を、とても滑らかに脚本へ落とし込んでくださっているところで。セリフが言いやすく整っていて、きれいなスケートリンクの上を滑るように言葉が出てくるんです。『これ、まるで自分みたいだな』と感じるセリフもありますし、自分と乖離(かいり)しない言い方ができる。だから特別に作り込むというより、“自分を意識する”感覚に近いですね。無理がない。ドラマの中でここまでファンサするのは初めてで、自分でも少し驚いています」

――役作りを頑張って組み立てた、というより、最初からしっくりきていた感覚なんですね。

「そうですね。もう役が作られていた、という感覚です。自分の中でかなり高い練度のままクランクインできた。ちょうどその直前に『THIS IS KENTY -IDOL ver2.0-』という公演があって、その延長線上で演じているような不思議な感覚もありました。NHKのドラマには、もっと荘厳で構えた空気があるイメージを勝手に持っていたんです。でも脚本を読んで段取りを進めていくと、『え、これでいいの?』と感じることの連続で。もちろんいい意味で、です。自由度が高く、その分、自分の持っているものがそのまま役に反映されていく感覚がありました」

――原作を読んだ時の印象も強かったですか。

「強かったです。正直、『これ、ロールモデル俺じゃない?』と感じました(笑)。それくらい通じる部分があったんです。でも町田そのこ先生に直接うかがったら、『違います』と言われて。『え? うそでしょ、俺じゃん!』って(笑)。でも、そのやりとりが逆に面白くて。自分以上に自分らしい人物像が、先生の中にはあったのだろうなと。誰に対しても優しさを差し出せるような精神性を持った人。その理想や幸福のイメージが、ミツという人物になったのではないかと感じています。そこに山本プロデューサーが僕を見つけてくださった。その融合が、うまく機能している実感があります」

――オファーを受けた時、ご自身ではどんなふうに受け止めましたか。

「理由はいくつかあったと聞いていますが、その一つとして、これまでやらせていただいてきたCMの“王子キャラ”のイメージも大きかったみたいで。そうした積み重ねがあって、この役にたどり着いたのだと感じると、ありがたいですね。しかもNHKのドラマですし、全国の方に見ていただける場でこの役を任せてもらえるのは大きい。自分としても、しっかり向き合って届けたい作品です」

――コンビニという場所そのものには、どんな印象がありますか。

「すごく身近で、安心できる場所ですね。学生時代、受験シーズンに塾へ通っていたんですけど、その帰りに必ずコンビニへ寄っていました。カップ麺を買ったり、チキンを買ったりして、店の前のちょっとしたスペースで友達と食べたりしていたんです。あの時間はいまも印象に残っています。だから自分にとってコンビニは、単に買い物をする場所ではなくて、ちょっとひと息つけるというか、気持ちを戻せる場所。そういうイメージがあります」

中島健人、NHK初主演でフェロモンだだ漏れ店長役に手応え「ほぼ毎日ファンサ状態」ハマり役実感

――その感覚は、この作品のテーマにもつながっていますね。

「まさにそうだと思います。コンビニは生活の中でとても身近な場所の一つですよね。“コンビニエンス”という言葉の通り、便利さだけではなく、日常に欠かせない存在になっている。この脚本を読んだ時にも、人はコンビニに何かしらの救いを求めて来るのだと感じました。今回の『コンビニ兄弟』では、日常の中で少し疲れている人たちがたくさん登場します。でも、ものすごく大きな事件が起きるわけではない。ありふれた毎日の中にある小さなつまずきや寂しさをすくい取っていく。だからこそ、派手ではないけれど、優しいドラマになっている。日常の中の小さな幸せを丁寧にすくい上げている作品なので、そこを感じてもらえたらうれしいです」

――役者・中島健人として、この作品で新たに見せられるものは何だと思いますか。

「僕は普段、アイドルとして音楽や歌を届ける仕事もしていますが、その時はパフォーマンスだけでなく、自分の気持ちと一緒に、受け取ってくれる人への優しさも届けている感覚があります。それはコンビニの店員さんが接客を通してお客様に優しさを渡していくことと、どこか似ている。ステージでやってきたことと、店長としてお客さまを迎えることが、すごく近いところでつながっているんですよね。握手会も一瞬の出来事ですが、その短い時間の中で、その人に幸せな気持ちを持って帰ってほしいと考えていました。コンビニの接客も同じで、数十秒のやりとりの中で何かを届ける。その精神性はとても近いと感じています。だからこの店長像は、自分にしかできない表現に近いのかもしれないです」

――“フェロモン”というキーワードも印象的です。10代、20代、そして今で、ご自身の変化をどう感じていますか。

「10代の頃は、無理してセクシーさを出そうとしていましたね。20代は、セクシーになったと勘違いしていた時期。30代になった今は、むしろ意識していないからこそ、何かがにじみ出ているのかもしれないですね。やっぱり、出そうとして出るものではないんですよね。10代の頃は背伸びしていましたし、“セクシーでいなきゃ”という意識も強かった。でも今は、フェロモンはエロティシズムだけではないと考えています。何かを全力でやり遂げた後の充足感や、そこから生まれる余裕。そういうものが自然に表れるのではないかと。そういう意味で、この役は今だからこそ演じられる気がしています。20代の自分がやっていたら、きっと“フェロモンとは何か”を調べすぎて、逆に肩に力が入っていたはず。今は自然体でいられるので、やりやすいです」

――ミツという人物は、人との距離の詰め方も独特です。演じていて印象的だった場面はありますか。

「ありますね。人との距離感が、ある意味ちょっとバグっているんですよ(笑)。例えば、田中麗奈さん演じる光莉さんに対して『それは僕と君だけの秘密だよ』って言う場面があるんですけど、よく考えたら店長と店員の会話ですからね。普通そんなこと言わないだろっていう(笑)。しかも、そのあと何事もなかったみたいに普通に仕事するんですよ。ちょっとドラマ『昼顔』のような空気のシーンもあって、演じていてドキドキしました。耳元でささやく場面なんて、角度によっては“キス寸前”に見えるんじゃないか、みたいな(笑)。危険な領域に入っているなと感じました」

――田中さんは、その空気感にどんな反応をされていましたか。

「落ち着いていらっしゃいましたね。僕が少しドキドキしていても、麗奈さんは『キスシーンみたいだね』って、余裕のある表情で受け止めてくださっていて。さすがだなと思いました」

――いまはドラマも配信作品も含めて本当に数が多い時代です。その中で、この作品ならではの強みはどこにあると考えますか。

「本当に作品があふれている時代ですよね。撮影していると、日本各地で同じようにいろんなチームが、それぞれの作品を一生懸命作っているのだろうと想像します。脚本があって、本になって、そこに俳優が息を吹き込んで、映像として生き始める。そのプロセス自体はどの現場も同じです。でも、その中で『コンビニ兄弟』が持っているのは、柔らかい優しさなんですよね。誰にでも『ちょっと疲れたな』と感じる瞬間はあるはずです。仕事でも、学校でも、家庭でも。そんな時に、コンビニへふらっと寄るような気持ちで、このドラマに来てもらえたらうれしい。癒やしと言い切るのも少し違うかもしれないけれど、肩の力を抜いて見られて、見終わったあとに少しだけ気持ちが軽くなる。これまで携わってきた作品の中でも、柔らかい優しさをまとった一本です」

――このドラマには「あなたの居場所がここにある」というテーマがあります。中島さんご自身は、10代の頃からこの世界で仕事を続ける中で、仕事とは少し離れたところにある“自分らしくいられる場所”を、どのように見つけてきたのでしょうか。

「自分の安心領域、みたいなことですよね。それでいうと、結構大変でした。高校は普通の進学校に通っていたので、いわゆる芸能コースのように同じ立場の子が集まっているわけではなかったんです。ジュニアという立場で、一人でそこに飛び込んでいく感覚でした。なんか僕、昔から“単身で乗り込む人生”なのかもしれません(笑)」

――当時は、周囲との距離の取り方も難しかったのではないですか。

「高校時代を振り返ると、本当に男友達しかできなかったんですよ。高校では女性と話すことをほとんどしていなかったので。でも、それは自分でそうしていた部分もあったのかもしれないです。そうしたら逆に、男子たちが『あいつ、どういうやつなんだろう』って興味を持ってくれたのか、いつの間にか仲良くなっていって。しかも、なぜかガタイのいいやつばっかり集まってくるんですよ(笑)。マッチョだったり、すごく強そうだったり。僕は別にそんなタイプじゃないのに、歩くと周りにそういう友達がいて、自分がそのボスみたいに見えるっていう(笑)。いや、違う違う、って思っていましたけど」

――自然にできた仲間たちの中で、安心できる時間が生まれていったんですね。

「そうですね。話していたのも本当にたわいのないことで、高校生の男子がするような会話ばかりでした。仕事の時の自分のイメージを持ち込まず、学校では学校の自分として友達と話していた。それが結果的に、自分にとって安心できる場所になっていたのだと思います。大学の時も同じでしたね。無理に自分から友達を作ろうとするというより、自然と寄ってきてくれた人たちが、今でも親友として残っている。だから今は、安心できる場所は無理に作るものではないのかもしれないと感じています。自然にできる関係の中にこそ、本当の意味で落ち着ける場所があるのかなと」

――「コンビニ兄弟」というタイトルから、中島さんご自身にとって“兄のような存在”や、逆に“弟のようにかわいがっている後輩”はいらっしゃいますか。

「後輩でいうと、この間僕のライブに出てくれたジュニアのみんなは本当にかわいいですね。阿達慶くんは、僕の誕生日の前日、3月12日の23時59分に『おめでとうございます』って送ってきて、フライングしてるんですよ(笑)。でも『君が一等賞だよ』って返しました。一番最初だったので。そしたら『今日は僕も幸せです』って、すごく真っすぐなメールをくれました」

――すごくかわいい後輩ですね。ほかにもエピソードはありますか。

「逆に23時59分ギリギリ、日付が変わる直前に『最後は僕がいただきます』って送ってきたのが浮所飛貴(ACEes)。こいつ、やるなって思いましたね。さらに深夜0時ちょうどには重岡大毅(WEST.)からボイスメッセージが届いて。その数分後には岩本照(Snow Man)からイチゴが届きました。」

中島健人、NHK初主演でフェロモンだだ漏れ店長役に手応え「ほぼ毎日ファンサ状態」ハマり役実感

――作品の舞台となった北九州・門司港での撮影も印象深かったそうですね。お誕生日も現場で迎えられたとか。

「そうなんです。3月13日を門司港の現場で迎えたんですけど、現場で誕生日を祝っていただけるのは本当に幸せなことだと感じました。仕事をしている場所でその日を過ごせたのも、自分らしいなと。多くの方にお祝いしていただけてうれしかったです。1週間ほど滞在したんですけど、僕、港町がすごく好きなんですよ。横浜とか神戸とか。港町って貿易の歴史があるからか、レンガ造りが多くて、文化が早く入ってきた空気が残っているじゃないですか。門司港にもそういう魅力があって、門司港駅もブルーウィングもじも、すごくおしゃれで、夜景もきれいで、海風も心地よくて。充実していました」

――食の思い出もかなり濃そうです。

「濃かったですね(笑)。門司港といえば焼きカレーが有名なんですけど、僕、どうしても焼きバナナカレーが食べたかったんですよ。食べようと思って店に行くんですけど、1軒目は満員、2軒目も満員。結局その日はお寿司に行ったんですけど、九州のしょうゆがめちゃくちゃおいしくて。“すしの都”って書いてあって、『北九州ってそんなにお寿司がおいしいの!?』って驚きました。ネタも本当においしかったですし、想像以上でした。でも1週間いたので、ちゃんと焼きバナナカレーも食べられましたし、もつ鍋もフグ鍋も行けました」

――かなり満喫されていますね。

「しましたね。小倉城にも寄ったんですけど、僕、巌流島が好きなんですよ。宮本武蔵と佐々木小次郎が好きで、どちらかというと小次郎推しなんですけど(笑)。歴史でも感動したし、食でも感動したし、景色でも感動したし、本当に充実した1週間でした」

――ミツがコンビニを自分の空間として作っていく感覚は、クリエーターとしても共鳴する部分があったのでは?

「ありました。ある種、コンビニの品揃えってセットリストみたいなものだと思うんです。最初に何を見せるか、どの商品を置くか、新商品をどう並べるかって、ライブでどの曲を最初に聴かせるかとよく似ている。誰を配置するか、どういう流れを作るかも含めて、全部ステージ作りと通じている気がして。だからミツが商品を一つ一つ丁寧に並べていく姿に、自分がライブの細部を詰めていく感覚が重なったんですよね。劇中でも、商品一つ一つを“お客さまの時間を輝かせる小さな宝物”として捉えるような場面があるんですけど、それってライブも同じだと思うんです。振り付けの一つ、照明の一つ、その日の景色の一つ一つが、お客さんにとって宝物になる。そう考えると、この作品と自分の日常はまったく離れていないなと感じました」

――では、劇中に登場する“スイーツ祭り”のように、中島さんご自身にとってのこだわりを挙げるとしたら?

「僕にとってのスイーツ祭り……俺っぽく言うと『日常がスイーツ祭りみたいなものですかね』って言いたくなるんですけど(笑)。でも真面目に言うと、スイーツって疲れている時に染みるじゃないですか。今回のドラマも、まさにそういう存在であってほしいと思っています。全編がずっと甘いわけではないけれど、ちょっと疲れた人が立ち寄って、少し元気になれる。そんな作品になれたら、主演として立っている意味があるなと。だから、このドラマに“立ち寄ってね”というのが、僕にとってのスイーツ祭りですね。……まあ本音を言うと、特別な何かというより、そういう気持ちは“毎日”持っていたいんですけど(笑)。今のはちょっと俳優っぽく、かっこつけました」

――ここまでのお話を伺って、作品への期待が一層高まりました。最後に、視聴者の皆さんへメッセージをお願いします。

「『コンビニ兄弟』は、コンビニという誰にとっても身近な場所を通して、人の優しさや居場所、ちょっとした救いを描いている作品です。大きな声で何かを叫ぶドラマではないけれど、その分、ふとした瞬間に心に届くものがある。気合を入れて見るというより、コンビニへ寄るような気持ちで、このドラマに来てもらえたらうれしいです。ちょっと疲れた夜に、少しだけ心がほぐれる。そんな時間を届けられたらと思います」

【プロフィール】
中島健人(なかじま けんと)
1994年3月13日生まれ。東京都出身。近作はドラマ「しょせん他人事ですから ~とある弁護士の本音の仕事~」(24年/テレ東系)、映画「知らないカノジョ」(25年)など。現在、「ちるらん 新撰組鎮魂歌 江戸青春篇」(U-NEXT)が配信中。7月3日に映画「ラブ≠コメディ」が公開、ドラマ「SとX」(Netflix)の配信を控えている。

【番組情報】

中島健人、NHK初主演でフェロモンだだ漏れ店長役に手応え「ほぼ毎日ファンサ状態」ハマり役実感

ドラマ10「コンビニ兄弟 テンダネス門司港こがね村店」
NHK総合
4月28日スタート
火曜 午後10:00~10:45
※全10話/NHK ONEで同時・見逃し配信予定

取材・文/斉藤和美

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