桶谷ジャパンが“聖地”沖縄で初勝利!!「拓実×ホーキンソン」の強力コンビが躍動!2026/03/07 09:00

「FIBAバスケットボールワールドカップ2027 アジア地区予選」を戦う男子日本代表が、3月1日に沖縄サントリーアリーナで行われた1次ラウンド・Window2の韓国代表戦に78-72で勝利した。桶谷大ヘッドコーチ(HC)が指揮官に就任してから、記念すべき初白星となった。
同アリーナは桶谷HCが率いるBリーグ・琉球ゴールデンキングスのホームコートであり、2023年のFIBAワールドカップで日本代表が48年ぶりに自力でオリンピック出場を決めた「特別な場所」(桶谷HC)でもある。その背景を念頭に、桶谷HCは「僕は沖縄で育ててもらいました。恩返しがしたかったので、沖縄の地で初めて日本代表HCとして勝利できたことを本当にうれしく思います」と喜びを語った。試合前には地元出身アーティストの三浦大知が国家独唱を行い、アリーナの盛り上がりに一役買った。


桶谷ジャパンの初陣となった2月26日の中国代表戦では前半に最大15点のリードを奪いながら、第3クオーターに13連続得点を許すなどリズムを失い、80-87で逆転負けを喫した日本。この試合でチーム最多タイの14得点を挙げた西田優大(シーホース三河)は「前半はノーマークのシュートをつくりながら、それが入らなくてもパスを回して打開できていました。ただ、後半はそれができなくなったタイミングでターンオーバーが増え、相手に走られてしまいました。次は勝つしかないと思っています」と語り、チームとして強い覚悟を持って韓国戦に臨んだ。

韓国戦は速攻からの渡邊雄太(千葉ジェッツ)の豪快なダンク、ジョシュ・ホーキンソン(サンロッカーズ渋谷)の3ポイントシュートで幕を開けた。韓国も負けじと得意の3ポイントシュートを中心に得点を重ね、序盤から拮抗した展開となった。相手のゾーンディフェンスに手を焼く時間帯こそあったが、ホーキンソンを中心にリバウンドを制し、前半を42-38とリードして折り返した。
後半に入ると、日本のガード陣に対してプレッシャーを強めた韓国のディフェンスをなかなか攻略できず、第4クオーター序盤にはこの試合最大となる6点のリードを奪われた。それでも渡邊の連続得点で我慢を続けると、残り5分を切ってからポイントガードの齋藤拓実(名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)とホーキンソンによるピックアンドロールで相手ディフェンスを立て続けに破り、そこを起点に各選手が得点を重ねて逆転。最後は残り約1分で齋藤が値千金の3ポイントシュートを沈め、熱戦に終止符を打った。



日本代表の指揮官として初勝利を手にした桶谷HCは「しんどい負けをした中国戦から、みんながもう一度気持ちを奮い立たせて戦ってくれました。その結果が、拓実とジョシュの最後のアンストッパブルなプレーにつながったと思っています。韓国の3ポイントシュートをどれだけ抑えられるか、どれだけリバウンドを取れるかという部分もやり切ってくれた。全員でつかんだ勝利だと思います」と選手たちの働きを賞賛した。
第4クオーターにフル出場し、勝利の立役者となった齋藤は「桶さんの体制になって中国戦で負けてしまったので、なんとしても勝ちたいと思っていました。本当にほっとしています」と笑顔。その上で「第4クオーターはアシストとシュートでリズムに乗っていきました。僕とジョシュのピックアンドロールが効いていたのは分かっていたので、最後まで遂行できて良かったです」と語り、自身のプレーに手応えを示した。
ホーキンソンも齋藤に対して「彼はピックアンドロールから多くのバリエーションがある選手。彼のパスがあってこそ、いろいろなプレーにつながりました」と深い信頼を寄せる。試合後にコート上であったインタビューでは、沖縄出身バンドのBEGINの人気曲「オジー自慢のオリオンビール」の替え歌を披露し、歌詞にある「あり乾杯!」の掛け声をファンと一緒に叫んで会場を盛り上げた。沖縄で三線ライブのお店に行った時に知った曲で、満面の笑みを浮かべながら「今日勝ったら絶対歌うと決めていました」と振り返った。


会場となった沖縄サントリーアリーナの熱気も、チームを強く後押しした。「今日の会場が沖縄じゃなかったら負けていた可能性もあるんじゃないかと思えるぐらい、最高の応援でした」と齋藤。ホーキンソンも「このアリーナに来てくれる沖縄のお客さんは、自分の人生の中でも最高のファン。声援が僕の背中をいつも押してくれます」と感謝を口にした。
中でも、短い時間ながら、地元チームの琉球ゴールデンキングスに所属する佐土原遼が第1クオーター終盤にコートに立った時には割れんばかりの大歓声が響いた。佐土原は「(声援は)100点満点だと思います。すごく大きな歓声をいただけて、すごくうれしかったし、気持ちが入りました」と語った。


今回の1次ラウンド・Window2の結果を受け、日本の成績は3勝1敗。チャイニーズ・タイペイを含めたグループBの4チームの中で唯一3勝に達し、首位をキープしている。1次ラウンドの最後の戦いとなる7月のWindow3ではアウェーで中国、韓国と対戦し、あと1勝すれば、上位3チームが対象となる最終ラウンド進出が決まる。
次なる大一番に向け、桶谷HCは「けがで呼べなかった選手や、コンディションがなかなか上がってこなかった選手もいたので、次の合宿ではそういった選手も呼べるようにしたいです。今回は競争というよりも一体感を出して試合に臨みたいという気持ちが強かったですが、次はもう少し競争の要素が強くなる可能性もあると思います」と見通す。今後、八村塁と河村勇輝のNBA組、ジェイコブス晶や川島悠翔、山﨑一渉ら米NCAA組なども招集されるかは大きな注目ポイントだろう。
新たな船出とともに、価値ある1勝をつかみ取った男子日本代表。これからどのような未来を描くのか。日本バスケットボール界の聖地である沖縄で、アカツキジャパンの新章が始まった。

そのほかの選手のコメントもお届け!
富樫勇樹(千葉ジェッツ)
「後半はまたターンオーバーから入ってしまい、前回の中国戦の記憶がよみがえりましたが、ディフェンスで我慢できたと思います。やられてはいけない選手にやられた部分や、自分たちのコミュニケーションミスもありましたが、まずは結果がすべて。この1勝は本当に大きいという印象です。ミスコミュニケーションを減らすためには、時間や試合を重ねていかないといけないと思います」
馬場雄大(長崎ヴェルカ)
「(長崎でチームメートのイ・ヒョンジュンは)スカウティングしたんですけど、彼はきょう28得点ですよね。彼で来ると分かっていても、なおこの点数を取るプレーヤーはあまり見たことがない。バケモノだと思います。マッチアップ自体は楽しめました。プレー中も声を掛け合ったりして、かけがえのない時間になりました。またBリーグでは味方としてプレーできるので、これほど頼もしいことはありません。また一緒に進んでいきたいなと思います」
金近廉(千葉ジェッツ)
「ベンチにいる時からコートに立っている気持ちで戦っていたので、いい状態でゲームに入れたと思います。試合開始から19分間はずっとベンチに座っていましたけど、いい整理ができていました。中国戦ではシュートがなかったので、パスが回ってきたらしっかり打ち切ろうと決めていました。(3ポイントシュートを決めた場面では)勇樹さんからいいパスをもらえたので、いつも通り打ち切ることができました」
シェーファー アヴィ幸樹(シーホース三河)
「日本代表には勝負どころでシュートを決めきれる選手がいるので、そこをチームとしてしっかり発揮できました。あと韓国のストロングポイントを最後に抑えられたことが勝利につながったと思います。自分がコートに出たら、やることはいつも変わりません。とにかくエナジー全開でハッスルして、リバウンド、ディフェンスでとにかく動き続ける。そこは今日も変わらなかったかなと思います」





Text/長嶺真輝
【今後の試合情報】
「FIBA バスケットボールワールドカップ2027 アジア地区予選1 次ラウンドWindow 3」
2026年7月3日 日本×中国(アウェー)
2026年7月6日 日本×韓国(アウェー)
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