Feature 特集

夏帆、「ある小説家の日記」で創作のタブーを犯す編集者に。演じて感じた“AIとの向き合い方”2026/03/06 05:00

U-NEXT
夏帆、「ある小説家の日記」で創作のタブーを犯す編集者に。演じて感じた“AIとの向き合い方”

 3月8日にNHK総合で特集ドラマ「ある小説家の日記」(午後11:00)が放送される。ある編集者が亡くなった作家の日記を見つけたことから始まるサスペンステイストのヒューマンドラマだ。

 主人公・江藤恵を演じるのは夏帆。書籍編集者である江藤は新作で大ヒットミステリー作家・芹澤環(板尾創路)の担当になる予定だった。しかし、芹澤が突然この世を去ったことで事態は一変する。後日、芹澤の妻・真理子(シルビア・グラブ)から芹澤の未発表の原稿があると聞き、自宅を訪ねた江藤は、芹澤の遺した日記を発見。しかし、読み進めていく中で日記に違和感を覚える。

夏帆、「ある小説家の日記」で創作のタブーを犯す編集者に。演じて感じた“AIとの向き合い方”

 本作はオリジナルドラマの開発を行う“脚本開発会”から、新鋭脚本家によって生まれた作品。“創作活動×AI”という近未来的ながらもリアリティーのある斬新なストーリー展開に注目が集まる。今回は主演・夏帆に本作ならではの面白さや共演者の印象、AIに対する自身の考えについて聞いた。

夏帆、「ある小説家の日記」で創作のタブーを犯す編集者に。演じて感じた“AIとの向き合い方”

―本作はNHKの“脚本開発会”という新たな試みから生まれた作品ですが、脚本を読んでみていかがでしたか?

「短いドラマの中にいろんなテーマが詰まっているなと。創作することの難しさに加え、人間関係やAIの要素も入っている。私自身、最近AIとどう向き合っていくのかを考える機会があったので、とてもタイムリーな話題だなと思いました」

―演じていく中で本作ならではだと感じる部分はありましたか?

「ちょっとした動きや表情のニュアンスで受け取り方が大きく変わる繊細な脚本だったので、セリフに書かれてない部分をどう読み取っていくのかがとても大事だなと思いました。平(竣輔)監督が初演出だったということもあり、シーンをどういう方向性で見せていくのか、部署の垣根を超えて、みんなで話し合いながら作っていたのが印象に残っています」

夏帆、「ある小説家の日記」で創作のタブーを犯す編集者に。演じて感じた“AIとの向き合い方”

―今回夏帆さんが演じられる江藤という役について教えてください。

「江藤はとても人間らしい人です。創作に対する憧れを持つ一方、仕事で結果を出さなければ編集者でいられないという焦りもある。だからこそ、今回一線に踏み込んでしまう。そういった江藤の人間らしさがドラマを通して魅力的に見えたらいいなと思いながら、手探りで演じていました」

―江藤は編集者として働きながら一児の母親でもあります。

「江藤は仕事に熱中しすぎたために、一番近くにいるはずの息子という存在に目を向けられていない。江藤が日記を世に出した後、息子との向き合い方にも変化が現れます。二人の親子関係にもぜひ注目して見てほしいです」

夏帆、「ある小説家の日記」で創作のタブーを犯す編集者に。演じて感じた“AIとの向き合い方”

――本作には江藤を取り巻く個性的な人々も登場します。まず作家・芹澤環役の板尾さんとの共演の感想を教えてください。

「板尾さんとは短い時間での共演だったのですが、板尾さんにしか出せない空気感がありました。何を考えているのか分からない、つかみどころがないけれど引き寄せられてしまう不思議な魅力を持った方です。芹澤が実在したら恐らくこういう感じなんだろうなと。板尾さんとのやりとりはいろいろ見透かされているような気がして、緊張感がありました。ドキドキしながらお芝居させていただいたのが印象的です」

夏帆、「ある小説家の日記」で創作のタブーを犯す編集者に。演じて感じた“AIとの向き合い方”

――もう一人の重要人物に芹澤の妻・真理子がいます。真理子を演じたシルビアさんの印象はいかがでしたか?

「シルビアさんの品のあるたたずまいやチャーミングなお人柄がとても魅力的で、真理子は難しい役だと思うのですが、これだけ人間味のある人物になったのはシルビアさんだからこそだと思っています。江藤と真理子は日記を通して複雑な関係を築いていきますが、緊張感があったり、心が通い合う瞬間があったり、お芝居をしていてとても楽しかったです」

夏帆、「ある小説家の日記」で創作のタブーを犯す編集者に。演じて感じた“AIとの向き合い方”

―物語の軸に“AI”がありますが、夏帆さんご自身はAIに対してどのような考えをお持ちですか?

「ここ1年ぐらいで急速に浸透したなと感じています。たまたま同時期にAIを題材とした別作品に参加していたこともあり、AIについて考えたり話し合ったりする機会が多くありました。これから映像や音楽など創作の場にAIが本格的に入ってきたら一体どのようなことが起きていくのかという話になることも。ものづくりにおいてAIは切り離せない存在になっていく気もしています。今は想像できませんが、今後、創作の場でAIを使うことが当たり前になっていくのかもしれないですよね」

夏帆、「ある小説家の日記」で創作のタブーを犯す編集者に。演じて感じた“AIとの向き合い方”

――今はAIがクリエーティブな活動に入ってくることに対して抵抗感の方が大きいと。

「私は仕事でAIを使う機会がまだ少なく、まだ実感が湧かないというのもあります。一方で、AIの使用が可能性を広げることもあると思っていて。例えば、本作のようにAIで故人をよみがえらせて、将来その人の新作も作れるはず。でも、実現させるとなると倫理的な問題がある。また、AIを活用して生み出したコンテンツをどこまでオリジナルと言い切れるかも分からない。そもそもAIの使用に明確なルールがあるわけでもない。だからこそ、きちんと使い方を考えなくてはいけないと思っています」

夏帆、「ある小説家の日記」で創作のタブーを犯す編集者に。演じて感じた“AIとの向き合い方”

――AIが登場人物にどのような影響を及ぼすのか、ストーリーにどう関わっていくかにも注目ですね。最後に視聴者へメッセージをお願いします。

「このドラマはサスペンスの雰囲気がありつつ、登場人物の人間性も垣間見える作品です。江藤は仕事上の不安や葛藤、真理子は大切な人を亡くした喪失感が根底にあり、2人の生き方にAIが深く関わってきます。いろんな要素が掛け合わさることで、今まで見たことのない不思議なドラマになっていると思います。演じている私もどんな作品になるのかが全く想像できなくて。ドラマを見た後にどんなことが心に残るのか私自身もすごく楽しみです」

夏帆、「ある小説家の日記」で創作のタブーを犯す編集者に。演じて感じた“AIとの向き合い方”

【プロフィール】
夏帆(かほ)

1991年6月30日生まれ。東京都出身。2004年に女優デビュー。以降、ドラマや映画など多数の作品に出演し、数々の賞を受賞。近作はドラマ「ホットスポット」(日本テレビ系/25年)、「連続ドラマW 塀の中の美容室」(WOWOW/25年)、「じゃあ、あんたが作ってみろよ」(TBS系/25年)、映画「違国日記」(24年)、「BAUS 映画から船出した映画館」(25年)などがある。

【番組情報】
特集ドラマ「ある小説家の日記」
NHK総合
3月8日
日曜 午後11:00~11:50

取材・文/TVガイドWeb編集部

U-NEXT

この記事をシェアする

U-NEXT

Copyright © TV Guide. All rights reserved.