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「恋人になってってことだよ」日置(藤本洸大)が渡会(簡秀吉)に思いを告げた「修学旅行」最終回2025/12/29 20:30

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「恋人になってってことだよ」日置(藤本洸大)が渡会(簡秀吉)に思いを告げた「修学旅行」最終回

 藤本洸大簡秀吉がダブル主演を務める、ABCテレビの連続ドラマ「修学旅行で仲良くないグループに入りました」(深夜1:00、関西ローカル)。12月20日に放送された第10話(最終回)「一生心に残り続けていく日々」では、両思いとなった日置朝陽(藤本)と渡会紬嵩(簡)が、ついに正式な恋人同士になるまでが描かれた。

 2学期の終業式の放課後。教室には日置と渡会、そして“四天王”の守崎尚哉(桜木雅哉/原因は自分にある。)、仲里晴輝(福田歩汰/DXTEEN)、堀田颯斗(清水海李)に加え、バドミントン部の辻谷萊空(山田健人)、水無瀬葵(下村未空)、猪野俊祐(新井元輝)が集まり、クリスマスパーティーが開かれていた。文化祭を経てすっかり打ち解けた8人は、イブの放課後に和気あいあいと盛り上がり、教室は笑い声で満ちていた。

 そんな中、渡会は冒頭から日置への独占欲を隠そうとしない。辻谷が冗談めかして日置にやたらと絡む場面では、日置が「怒ってる?」と心配そうに尋ねると、渡会は余裕の表情を浮かべながら「日置が俺を好きなのは知ってるし、誰にも取られない自信しかないから」と答える。だがその直後、少しだけ声のトーンを落として「でもこの後は、俺の隣にいて」と本音を漏らした。クールに構えながらも、嫉妬心をのぞかせる渡会が印象的だ。

「恋人になってってことだよ」日置(藤本洸大)が渡会(簡秀吉)に思いを告げた「修学旅行」最終回

 楽しげなパーティーが続く中、堀田から「(2人は)付き合ってるんだろ?」と聞かれた瞬間、日置ははっとする。互いに「好き」と気持ちは伝え合った。でも、それは“付き合っている”ことになるのだろうか。思いが本物だからこそ、「まだ正式に言葉を交わしていない」という事実が、心に引っかかる。その戸惑いが、とても日置らしい。

 パーティーの帰り道、渡会は「2人で話したい」と日置を公園へ誘い出す。修学旅行の帰りにも立ち寄った公園を、手をつないで歩く2人。そこで渡会は、日置にクリスマスプレゼントを手渡した。包みを開けると、中にはシンプルなデザインの腕時計。渡会は少し照れたように「いつでも身に着けやすいものがいいかなと思って」と言い、静かに続けた。「毎日つけてくれたら、俺がうれしい」。

 渡会が時間をかけて選んだであろう、日常に寄り添う実用的な贈り物。そして「毎日」という言葉に込められた、これからもずっと一緒にいたいという想い。その重みを受け取った瞬間、日置の胸には言葉にならない感情があふれる。

「うれしい。渡会がずっとそばにいるような気がして」。

大好きな渡会から注がれる深い愛情を、日置は全身で受け止めていた。さらに「今日このくらいで我慢しておく」と渡会がおでこにそっとキスをすると、日置は思わず両手で顔を覆ってしまう。感情が追いつかず、完全にキャパオーバーになってしまう反応が、あまりにも愛らしい。

「恋人になってってことだよ」日置(藤本洸大)が渡会(簡秀吉)に思いを告げた「修学旅行」最終回

 やがて迎えた、2年生最後の日。担任との用事を終え、日置が教室に戻ると、そこには渡会が一人、静かに待っていた。放課後の誰もいない教室で、2人は自然と春休みの計画を立て始める。「遠出もいいね」などと他愛ない会話を交わしながら、まるで既に恋人同士であるかのような、穏やかな時間が流れていく。

 そんな中、これまで自分に真っすぐ「好き」を伝えてくれていた渡会に対し、日置は自分の口から思いを告げる。

「俺たち、付き合わない?」

思いがけない言葉に、「今なんて……それって……」と戸惑う渡会。だが日置は、迷いなく続けた。

「俺と付き合ってほしい。恋人になってってことだよ」。

「恋人になってってことだよ」日置(藤本洸大)が渡会(簡秀吉)に思いを告げた「修学旅行」最終回

 そのストレートな言葉に、これまで余裕を見せていた渡会が一瞬言葉を失う。

「俺、すげえカッコ悪いなって。だって本当は俺から言いたかったもん」。

 クールな渡会が、語尾に「もん」をつけてすねたような口調を見せる。その姿に、日置はすぐさま言葉を返した。

「たまには俺にも、かっこつけさせてよ。渡会はかっこいいよ」。

 すると今度は渡会が、「……ほんとに俺でいいの?」と、ふっと弱気な表情に。それに対し日置は、一切迷うことなく答えた。

「渡会がいい。渡会じゃなきゃ嫌。大好きだよ」。

 照れや不安、そして確信が交差する中で、2人の思いは言葉として確かに重なり合う。

 2人の心が、完全に通じ合った瞬間だった。

 そして、ついに待望の瞬間が訪れる。これまで寸前で止まっていた2人が、最終話にしてキスを3回。放課後の静かな教室で、長い時間をかけて育まれてきた恋が、ゆっくりと実を結んでいく。

 2人のやりとりは、セリフの間や視線の動きまで含めて無理がなく、目の前で関係が育っていく様子をそのまま見ているようだった。日置と渡会の感情が素直に伝わってくるのは、藤本と簡が積み重ねてきた芝居の説得力によるものだろう。

「恋人になってってことだよ」日置(藤本洸大)が渡会(簡秀吉)に思いを告げた「修学旅行」最終回

 こうして2人の恋が実った後、ラストシーンでは日置と渡会、そして守崎、仲里、堀田の5人がそろって校舎から下校する姿が描かれる。修学旅行の班決めで始まった当初は、互いによそよそしかった彼らが、今では笑い合いながら肩を並べて帰路につくまでに打ち解けている。思いが通じ合い、少し浮き立つ日置と渡会を、四天王の三人は自然に受け入れている。そのさりげないまなざしから、この世界の優しさが伝わってくる。

 友達と出会い、恋をして。2人が過ごしたこの一年は、きっと一生心に残り続ける青春になったのだろう。「好き」と伝え合うだけでは満たされず、もう一歩先へ進みたいと願う。その感情の揺れを、穏やかな空気の中に丁寧に溶け込ませた、温かな幸福があとを引く最終話だった。

 そして、恋人となった後の2人をもっと見たい。

 そんな視聴者の思いに応えるかのように、12月28日と2026年1月4日には、前後編のアフターストーリーがFODにて配信される。3年生に進級した日置と渡会のその後が描かれるとあって、物語がどのような時間を重ねていくのか、期待は自然と高まるばかりだ。

 “一軍男子と平凡男子”という学園内の立場の差を入口にしながらも、本作が描いたのは、特別な誰かだけの物語ではない。好きになることへの戸惑い、関係性が変わっていくことへの不安、そして一歩踏み出す勇気。誰もが一度は経験したことのある感情を、丁寧に、誠実にすくい取ってきた。その真っすぐな青春の積み重ねと、藤本、簡をはじめとするキャスティングの相性が見事にかみ合ったことで、2人の恋の行方は多くの視聴者の心に深く刻まれた。

 甘さだけに寄らず、繊細な感情の揺れを描き切った本作は、2025年冬を代表する青春恋愛ドラマとして、確かな存在感を放つ一作となった。

「恋人になってってことだよ」日置(藤本洸大)が渡会(簡秀吉)に思いを告げた「修学旅行」最終回

【番組情報】
ドラマ「修学旅行で仲良くないグループに入りました」

ABCテレビ(関西ローカル)
FODで独占配信中

文/斉藤和美

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