「ドビュッシーが弾けるまで」尾崎匠海、ピアノへの夢を絶った青年役に「共感できる部分も」2025/12/23 18:00

國村隼さん主演のスペシャルドラマ「ドビュッシーが弾けるまで」(午後10:00)が、フジテレビ系で12月24日に放送。最愛の妻を失い、人生の時計が止まってしまった喜一郎(國村)と、ピアニストへの夢を絶った青年・匠が偶然出会い、“ピアノ”と“ウイスキー”をきっかけに心を通わせ、新たな一歩を踏み出そうとする物語を描き出す。
そんな本作で匠役を演じるのがINIの尾崎匠海さん。「ほぼ初挑戦」と語るピアノを猛練習して本作に挑んだことも明らかになり、大きな話題を呼んでいる。クランクイン前に取材を敢行し、初共演となる“きいちゃん”こと喜一郎を演じる國村さんの印象や本作を通じて伝えたい思い、尾崎さんにとって思い入れのある楽曲や大切にしているアイテムなどを聞いた。
――匠にとってなくてはならない存在となる喜一郎を演じる國村さん。本読みを終えたとお聞きしましたが、印象はいかがですか?
「もう本読みの段階から圧倒されました。引き出しのバリエーションがとても多く、本読みの段階でも勉強できることがたくさんあったので、全部吸収して撮影に挑みたいと思っています。(國村さんから『吸血鬼みたい』と言われて…)はい! 吸血鬼のようになります!(笑)」
――先ほど、まるで親子のように和気あいあいとお話しされていた姿が印象的でした。國村さんに対してこれまでどのようなイメージをお持ちでしたか?
「これまで國村さんが出演されている作品を拝見してきて、正直に言うと少し怖いイメージがあったんです。なので、“どういう方かな”と最初は探りながらやっていたのですが、お話ししているとなじみのある方言が聞こえてきて…。國村さんも僕と同じ関西出身と知って、より仲を深めさせていただきたいと思いました」

――匠はかつて音大進学を目指していた青年という役柄です。ピアノの演奏シーンもあるとのことで、猛練習をされているとお聞きしました。
「はい。ピアノは今まで軽くコードをたたいたことがあるくらいで、きちんと弾くのはほぼ初めてなんです。演奏シーンがいくつかあるのですが、やっぱり難しいですね……。演奏だけでなく、弾き方や姿勢なども含めて意識すべきことが多く、ピアノは本当に繊細なものなのだと感じています。今、練習を始めて約1か月がたったのですが、毎日仕事を終えた後に必死で練習しているので、マネジャーさんに『練習だけをする日がほしい』とリクエストしたいです!(笑)」
――演じる匠は夢にふたをしてしまい、煮え切らない日々を送っています。名前が同じ“たくみ”という縁もありますが、尾崎さんご自身と通じる部分は感じましたか?
「僕自身、普段は積極的に前に出ていくタイプではなく、時に“僕なんて…”と思ってしまう瞬間があるので、そこは匠と似ている部分かなと思います。年齢的にも、匠は28歳で僕は今26歳と、この年代だからこそ共感できる部分がたくさんありました」
――そんな匠に対して、魅力的だなと思った部分を挙げていただくと?
「ピアノを諦めたと言いつつも、実はひそかに思いを持ち続けているところです。思いを持続できるというのはなかなかできることではないですし、好きなことに向き合っていく匠の姿はすごくかっこいいなと思いました」

――台本を読まれて、特に心に残ったシーンを一つ教えてください。
「ピアノに挑戦し始めたきいちゃん(喜一郎)が、諦めかけてしまうシーンがあって。『ここでやめたら、もう二度と前に進めなくなる気がします』と匠が投げかけるセリフが印象に残っています。匠自身、しばらく時間が止まっていたけれど、きいちゃんと出会ったことでその時間が動き出し、もう一度夢を目指すマインドになれて。きいちゃんのおかげで前を向き始めた匠が、今度は彼を励ましている姿というのは、台本を読んでいるだけでもグッときました」
――尾崎さんご自身は、これまで挫折を経験した時にどう立ち上がってきたのでしょうか?
「それはやっぱり周りの方の支えだと思います。それこそお芝居についてなど、お仕事の中で厳しい言葉をいただいて落ち込むこともありますが、前向きな言葉をもらって頑張れたり……。でも、つらいことも含めて、全てが積み重なって今の僕があると思っています」
――落ち込んだ時など、気分転換をしたい時にはどんなことをしますか?
「人に話すか、歩くか、友人と自然を見に行くかです。おじいちゃんみたいな感じですが、緑はいいですよ!(笑)」

――メインビジュアルでは連弾しているお二人の姿が描かれ、本編でもこのシーンが見られるのではと期待が高まっています。尾崎さんが撮影を楽しみにしているシーンは?
「やはり、きいちゃんとのシーンは全てどうなるか楽しみです。大切なシーンがたくさんありますし、年齢が全く違うからこそ、いい化学反応を起こせたらと思っています」
――ドビュッシーの名曲「月の光」がテーマの一つとも言える本作。尾崎さんの人生の中で、思い入れのある1曲を教えてください。
「いろいろなところでお話している嵐さんの楽曲もそうですが、今思い浮かんだのはAAAさんの『愛してるのに、愛せない』。過去に受けたオーディションの課題曲になっていて、アカデミーでみんなと練習をしたり、たくさん歌い込んだ大切な楽曲の一つです」
――匠の恋人・ゆりあ(加藤史帆)のセリフの中に、「匠の演奏を聞いていると、不思議と気持ちが動かされる」というフレーズがあります。多くのファンの方が尾崎さんに同じ感情を抱いていると思いますが、INIとして活動をする上で大切にしていることは?
「ファンの皆さんには本当に幸せでいてほしいんです。そのために僕たちができることは、ステージに立って、歌やダンスを披露すること。その中で、レベルの高いパフォーマンスやビジュアルで魅せることはもちろん、僕は第一に“みんなのために”という意識を持って臨んでいます。これはお仕事のみならず、何事においてもそうで、誰かを思って何かをやることが幸せにつながっていく気がしています」

――劇中、匠はお母さんからもらった腕時計を大切にしています。尾崎さんが長く愛用しているもの、毎日持ち歩いているものを教えてください。
「服や靴など、結構長く使う方で、高校生の時に買った『ドクターマーチン』の靴を今も大切にはいています。おそらく自分で初めて買った靴なのですが、今までいろいろなところを一緒に歩いてきた“お供”という感じで、すごく思い入れがあるアイテムです。そして、最近の必須アイテムはSwitch。(INIの)メンバーと『大乱闘スマッシュブラザーズ』などをやっていて、持って行かないと大変です(笑)」
――放送日が明日12月24日とクリスマスイブです。INIのメンバーとクリスマスデートをするなら、誰と何をしたいですか?
「たじくん(田島将吾)とイタリアンに行きたいです! 『ご飯に行こう』と言ってずっと行けていないのと、前にたじくんと2人でご飯に行った時、グループのことから個人的なことまで熱い話をしたのを覚えていて。クリスマスにやることではないかもしれませんが(笑)、あらためて今思うことを語り合いたいです」
――最後に、本作を通じて伝えたい思い、アピールをお願いいたします。
「匠としては、特に僕と同世代の方がこの作品を見てくださった時に、ご自身の人生と照らし合わせて、何かを始めるきっかけになれるように演じられたらと思っています。僕らの世代って、“新しいことを始めてみよう”と思ってはいても、お仕事や生活が大変で、なかなか一歩を踏み出せない方が多い気がしていて。そんな皆さんに、ピアノの音色とこの作品を通して、あらためて挑戦する大切さを伝えられたらうれしいです」

【プロフィール】
尾崎匠海(おざき たくみ)
1999年6月14日生まれ。大阪府出身。O型。INIのメンバーとしても活躍。近作はドラマ「アンメット ある脳外科医の日記」(カンテレ・フジテレビ系)、「ライオンの隠れ家」(TBS系/いずれも2024年)など。
【番組情報】
「ドビュッシーが弾けるまで」
フジテレビ系
2025年12月24日 午後10:00~11:34

取材・文/TVガイドWeb編集部
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