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錦織圭が2025年を総括。来季の全豪は「一つでも多くの試合に勝って自信をつけたい」2025/12/19 07:00

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錦織圭が2025年を総括。来季の全豪は「一つでも多くの試合に勝って自信をつけたい」

 男子テニスの錦織圭がWOWOWのインタビューに応じ、2025年シーズンの振り返り、2026年シーズンに向けた意気込みなどを語った。

 錦織は11月の「横浜慶應チャレンジャー」で約3か月ぶりに実戦に復帰。3試合を戦い抜いて、ベスト8で2025年のシーズンを終えた。来月の1月18日には2026年最初のグランドスラム「全豪オープンテニス」(WOWOWは連日生中継、WOWOWオンデマンドでは全コートをライブ配信)の開幕が控える。現在、世界ランキング156位の錦織は予選からの出場が濃厚となっている。

――シーズン最終盤の横浜慶應チャレンジャーに出場したが、今の体の状態は?

「今は悪くはないですけど、痛みとは戦っています。練習しつつ、トレーニングもしっかりとやっているので、全豪オープンまでには治ってくれればと思っています」

――2025年シーズンを終えてどんな心境?

「1月の(ATP250)香港は良いスタートで決勝までいきましたけど、そこからはあまり試合にも出ていないので記憶が飛んでいます。唯一覚えているのは(5月のATP250)ジュネーブの(カレン・)ハチャノフ戦です。その試合は、久しぶりに『楽しいな』とか『何を打っても入るな』という感覚が戻りました。そこから腰を痛めてしまったので、それが結構苦しかったですね。やっと自分の中の気持ちとテニスの内容が戻ってきたと思ったところだったので、そこで離脱しなければならない状況が自分の中で戦う場面でした」

――調子が良い時はオーバーワークになりがちで、けがにつながりやすい?

「よくありますね。そういう時こそ、より体も動いて無理な動きもしてしまうので、調子に乗らないように気を付けなければいけないと思います。自分のテニス人生の中で何回かはありました」

錦織圭が2025年を総括。来季の全豪は「一つでも多くの試合に勝って自信をつけたい」

――1月の香港で準優勝した時の調子は?

「もちろんうれしいことはうれしいですけど、自分の中ではトップ20、30の選手を倒したとはあまり思わないようにしました。というのも、コートがめちゃくちゃ速く、イレギュラーな大会ではあったので、すごく自信になったというわけではないですが、決勝まで戦うことができたことは評価しています」

――1月の全豪オープンで(チアゴ・)モンテーロに勝利したが、5セットマッチはどう感じた?

「あの試合も大変でしたね(笑)。香港を終えて(体への負担が)きていたので、なるべく回復させようというところでした。自分のプレーも良かったですけど、モンテーロのフォアハンドをはじめとするパワフルなテニスに押されてしまいました。(2セット先取された)あのようなところから逆転するのが自分だなと思います。最初はペースをつかむのが遅いけど、最終的には勝つという、久しぶりに自分の試合ができたと思います」

――フルセットではなく、ストレートで勝利したい気持ちも当然ある?

「もちろんストレートで勝てれば、それが一番いいです。どうしても気の緩みなどがあったり、相手がいるスポーツなので、なかなか自分の調子だけでは結果が決まらないと思います。ファイナルセットにいっても落ち込まずに気持ちをすぐに切り替えられるように、前から準備をしていたりします。気持ちの問題で最後まで戦うことができるかどうか決まるので、集中力を切らさないように意識しています。試合が長引くことにより、体への不安などを試合中に感じることもよくあります」

――3月の(ATPチャレンジャー)アリゾナで対戦した当時18歳の(ジョアン・)フォンセカの印象は?

「球が速くて重い。そして、角度があって良いプレーをする選手だと思います。めちゃくちゃパワフルで結構サーブもよく、今の若手のテニスの象徴のように感じました。もうちょっとミスが減れば、簡単にトップ10、さらにはトップ5に入ってくるようなテニスだと思いますし、性格もトップに行くためのパーソナリティーもあると思います」

――ご自身が18歳の頃、(ラファエル・)ナダルに「圭は将来トップ10に来る!」と言われていて、今は逆の立場だがどう感じる?

「(フォンセカは)今までに受けたことのない球の速さで、ラリー中も油断できませんでした。ちょっとでも甘い球だと打ち返されるので、常にプレッシャーがかかっていました。そういった力強さは、若い選手ならではだと思います。フォンセカは確実に上がってくると思います。あとは(ラーナー・)ティエンも、サーブがもう少し強くなればいいところまでいくと思います」

――5月のジュネーブで途中棄権された当時は長期離脱への不安はあった?

「(離脱が)長くなるなとは思っていました。シーズン最初から、場所は違いますが腰の全部分の痛みを味わってきました。歩くだけで痛かったので、結構休むだろうなと思っていました。今年の前半は、腰の上部が痛かったです。そこから、どんどん下の方に痛みが移動して、骨まできたという感じです」

――(8月のATP1000マスターズ)シンシナティに出場したのは、けがの不安も抱えつつも実践復帰が重要だと思ったから?

「シンシナティの時は、セット形式の練習もできていてあまり痛みを感じていなかったです。結構調子が良かったので出場しましたが、案の定痛みが出たという感じです。その後は、特に先のことは考えずに、治療やトレーニングなど一日一日でできることをしていました」

――来シーズンに向けてどのようなイメージがある?

 「まずはけがを治して、少しでも多くの試合をこなしたいです。昔のようにたくさんの試合に出場することはできなくなってきています。体の様子を見つつ相談しながら、出られる大会で自分のテニスを戻して良い結果を残したいです」

――2026年の全豪は予選から出場することになるが、どのような思いがある?

「これまでタイミングなどラッキーな部分もあり、グランドスラムの予選に出場することがなかったので、ちょっと不思議な感覚はあります。まずは試合数をこなしたいです。一つでも多くの試合に勝って自信をつけることが最重要です。メルボルン(全豪オープン)は過去に良い結果も出ていて好きな大会なので、いいテニスをできるようにしたいです」

――自分と同世代、あるいはそれよりも上の世代の選手から刺激を受けることはある?

「活躍しているとうれしいです。(マリン・)チリッチや、(ダビド・)ゴファン、(ミロシュ・)ラオニッチもそうですね。(スタン・)ワウリンカに関しては尊敬しています。彼の場合は、けががあまりないので僕とは違いますが、それでもあの年齢であのレベルで戦えていることはすごいと思います。かっこいいですね、ワウリンカ」

――(ヤニク・)シナーと(カルロス・)アルカラスの試合をよく見るとのことだが、2人から何を感じる?

「単純に見ていて楽しいです。どんなショットが出てくるのかという、まるで(ロジャー・)フェデラーの試合を見ているような感覚が彼らにはあります。(テイラー・)フリッツや(ジャック・)ドレイパーなど他にも強い選手はいますが、ワクワクさせてくれるのはあの2人かなと思います。タイミングも速いですし、打つコースや正確さはすごいなと思います」

――シナーのテニスが自分に重なる部分はありますか?

「シナーは特に展開が速いと思います。とはいっても、この世の中であれを真似できる選手は誰もいないと思います。(前に出るタイミングなど)彼特有の速さがありますし、今はそれ以外にもプレーのバリエーションをつけようとしていて、どんどん強くなっているなと感じます」

――体が動けば40歳までテニスを続けたいという発言があったが、テニス人生を今後どこまで見据えている?

「40歳まで、は冗談ではありましたけど(笑)。もちろんテニスは好きなので、体が続けばずっとやりたい気持ちや希望はあります。でも、なかなかそうはいかないので、体との勝負になると思います。様子を見ながらですかね」

――全豪予選に向けてどんな気持ちで挑んでいく?

「久しぶりのグランドスラムではありますし、全豪という天気も良くて好きな場所なので良いプレーをしたいです。大舞台になると自分のスイッチが急に入る可能性もあるので、そういうのにも懸けてみたいです」

番組情報

「全豪オープンテニス」
〔WOWOWライブ〕〔WOWOWオンデマンド〕
1月18日~2月1日 連日生中継!
WOWOW オンデマンドで全コートライブ配信! https://wod.wowow.co.jp/genre/126

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