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昭和の時代はいろいろな意味でゆるかった? 船越英一郎と島田秀平に直撃!2025/12/16 19:00

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昭和の時代はいろいろな意味でゆるかった? 船越英一郎と島田秀平に直撃!

 BS朝日では船越英一郎照英島田秀平時東ぁみ、下平さやか(テレビ朝日アナウンサー)が出演する「昭和100年ワイドショー!」を12月25日に放送(木曜午後10:00)。昭和のワイドショー風に、竹の子族やユリ・ゲラーの今をリポートするほか、都市伝説やグッズ、ニュースなど激動の昭和時代を振り返る。その収録を終えたばかりの船越と島田を直撃。収録後の心境や、当時の思い出を語ってもらった。

昭和の時代はいろいろな意味でゆるかった? 船越英一郎と島田秀平に直撃!

——まずは収録を終えての感想をお願いいたします。

船越 「今、昭和ブームみたいなものがきていますが、振り返ってみると、確かにノスタルジーとは違う輝きが昭和にはあったような気がします。それは一体なんだったのか、昭和を解き明かす番組になったんじゃないでしょうか。そして最初に画面を見た瞬間、『うわ! 昭和だ!』と思っていただける趣向も凝らしていますので、タイムスリップした感覚でご覧いただけると思います」

島田 「もうオープニングから昭和あるあるが満載。セットや出演者の衣装、髪型と注目すべき点が盛りだくさん。僕なんかは夏木ゆたかさんをイメージしていただいた髪型です。船越さんを見ると、あぁ昭和にはこういう大物、大御所MCがいたよね、と思っていただけると思います(笑)」

船越 「僕の衣装と髪型は大橋巨泉さん、前田武彦さんをイメージしているそうです(笑)」

——番組ではさまざまな昭和のニュースやブーム、グッズなどが登場いたしました。中でも印象に残っているものといえば?

船越 「番組では大きく取り上げなかったのですが、僕はデパートの屋上遊園地が刺さりました。子ども時代、心ときめくおでかけといったら、デパートの屋上遊園地でしたから。遊園地で遊んだ後はデパートのレストランで旗が立ったお子様ランチを食べる、これが子どもの時の一番幸せな思い出でした」

島田 「まさに昭和を象徴するような場所でしたね。僕はオカルトが好きなので、やはりユリ・ゲラーや口裂け女が印象的だったんですが、一番グッときたのは1億円を拾った方がいたというニュース。そもそも1億円が現金で落ちているなんて、何この時代!? と思います」

船越 「しかも今の1億円以上に価値があった時代ですからね」

島田 「キャッシュレスが進んだ今、当時は現金だったというのも昭和を表していますね」

——今と昭和の時代で、何が一番変わったと思いますか?

船越「昭和は、一人一人の目線がいつも上を向いていたんじゃないかと思います。昭和は戦前戦後があるわけですが、今回の番組では戦後の昭和史に特化していまして。戦争後、日本を復興していこうという活気に満ちあふれていたような気がします。今日より明日、明日より明後日、それが昭和の原動力だったのかなぁ、と。今はある程度、先が見通せてしまう、見通せるはずがないのに、見通せたような気になってしまう時代。でも我々が生きた昭和は、みんなが夢を見て、夢に向かって一生懸命生きていた、それが昭和の輝きだったのかなぁ、と思います」

島田 「僕は昭和時代の人のほうが、想像力豊かだったなぁ、と思います」

船越 「今はスマホでなんでも見ることができて、調べられてしまうからね」

島田 「そうなんですよ。携帯がない時代は待ち合わせをして家を出ると、何かあっても会えませんでしたから。でも、相手が本好きだったら、すれ違っても、いろいろ考えて本屋さんにいるかもしれないと予想し、会えたこともありました。場所が分からなくて道に迷ったら、すぐ人に尋ねたりと、会話や助け合いの時代でもあったように思うんです」

船越 「そう、コミュニケーションは今よりず~っと密だったよね。引っ越しをしたら向こう三軒両隣に挨拶をしたり、子どもに気軽に声を掛けたり。昔は地域みんなで子どもを育てていたのが、今はそれができない時代になってしまいました。ある意味、おおらかでいられたのが、昭和だったんだと思います」

——撮影現場などで、何か大きく変わったと感じることはありますか?

船越 「昭和のドラマの撮影では、コンプライアンスがなかったんじゃないかな(笑)」

島田 「なかったことはないと思うんですけど、ゆるかったんですよね(笑)」

船越 「そうだね(笑)。僕なんかは多くのサスペンスドラマに出させていただいておりまして。今は犯人が逃げて車で追うことになったら、まずはきちんとシートベルトを締めるところから始めないといけません。犯人の車に追いついたら、昔は車を止める前にバンとドアを開けて、ぐわって飛び出したんですよ。でも今はしっかり車を止めたことを確認してからじゃないとドアも開けられない。表現がとても制約されるようになってしまって…。もちろん、理由があって制約されてきたのですが、それによって文化、芸術の表現の幅はどんどん小さくなってしまった、というのは否めないでしょうね。コンプライアンスも大事ですが、そればかりに目がいってしまうと、大事な情操を養うことが難しく、想像力を育むことが失われてしまいそうな気がします。多くのことが自由になった反面、なぜ文化、芸術の自由が奪われてしまったんだろう…そんなことを感じてしまいます」

島田 「すごく分かります。あるラジオ局で怪談話をしようとなったことがあったんです。地元の廃墟へ肝試しに行った話をしようとしたら、プロデューサーさんが、それは不法侵入になっちゃうから、その話はダメですって」

船越 「そういうこともあるよね(笑)」

島田 「じゃぁ、どうしたら話せますか? と聞いたら、その時にちゃんと許可を取って中に入ったという話をしたら大丈夫ですよ、と。それじゃぁ怖くなくなっちゃうじゃないですか。今はそういう時代なんだなと思いました。だいたい肝試しなんて、ほとんど不法侵入なのに(笑)。まぁ、時代の変化でいろいろな捉え方をする方がいる以上、配慮は必要なので、僕らもアップデートしていかないといけないというのを実感します」

船越 「確かにいろいろな事情のある方の目や耳にふれるわけですから、僕らにも責任があるとは思いますね」

——ドラマ撮影について、島田さんから船越さんに何か聞きたいことはありませんか?

島田 「船越さんは事務所の先輩であり、後輩思いでもありますので、いろいろな話をしてくださるんです。でも、今のご時世、ここではほとんど話せないことばかりで(笑)」

船越 「そうね。話したらいけない話をさせたら10日間ぐらい話せますから(笑)」

——ちなみに2026年は午(うま)年であり、60年ぶりの丙午(ひのえうま)の年でもあります。

島田 「昔から丙午生まれの女性は気性が激しいと言われていまして、出生率が下がるぐらい信じられていたんです。鈴木保奈美さん、小泉今日子さん、RIKACOさんと丙午生まれの女性は確かに皆さんパワフル。迷信ではあるんですけど、丙午の年って、とてもエネルギーのある女性が活躍する年とも言われています」

船越 「新しい総理大臣も女性ですしね」

島田 「そうです、そうです。馬車馬って言葉もありますが、目標を決めて、そこに向かっていくと結果が出やすい年とも言われています。だから、がむしゃらに働けば、きっと成果につながる年になるんじゃないかと思います」

船越 「そういえば、昔は“24時間働けますか?”なんてCMのキャッチもありました。今はそんなCMは絶対に流せない。だからこそ昭和は元気な時代でもあったんじゃないかなぁ(笑)」

——では、最後に視聴者へ向けてメッセージをお願いします。

船越 「今、この時代も昭和の地続きであることは間違いありません。番組を見ていただけると、昭和からエネルギーや元気をもらえるのではないかと思います。下を見ていることが多い現代ですが、前向きに目線を少し上げてもらえるステキな番組になっていますので、ぜひご覧になってください」

島田 「今回でもし昭和の素晴らしさを伝えきれなかった時は、ぜひ第2弾の放送(?)で、再び皆さまとお会いしたいと思います(笑)」

【プロフィール】
船越英一郎(ふなこし えいいちろう)

1960年7月21日生まれ。神奈川県出身。1982年デビュー。多くの映画、ドラマに出演。中でも数々の2時間ドラマシリーズに出演し「2時間ドラマの帝王」の異名を持つ。

島田秀平(しまだ しゅうへい)
1977年12月5日生まれ。長野県出身。お笑いコンビ「号泣」のツッコミ担当。特技は、手相占い、怪談。近著に『「幸運」が一度にやってくる! いい手相に変わる本』(三笠書房)がある。

昭和の時代はいろいろな意味でゆるかった? 船越英一郎と島田秀平に直撃!

【番組情報】
「昭和100年ワイドショー」
BS朝日
12月25日 木曜
午後10:00〜深0:00

取材・文/今井敏行

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