Feature 特集

渡会(簡秀吉)のひたむきさと日置(藤本洸大)の真っすぐさが尊い! ドラマ「修学旅行」第7話2025/12/06

U-NEXT
渡会(簡秀吉)のひたむきさと日置(藤本洸大)の真っすぐさが尊い! ドラマ「修学旅行」第7話

 藤本洸大簡秀吉がダブル主演を務めるABCテレビで放送中の連続ドラマ「修学旅行で仲良くないグループに入りました」(土曜深夜1:00、関西ローカル)。11月29日放送の第7話「気になる子と同じグループになった」では、渡会紬嵩(簡)が日置朝陽(藤本)を好きになった“原点”が明かされた。約4か月前にさかのぼる回想パートで描かれたのは、渡会の知られざる孤独と、日置のたったひと言が彼の心を動かした瞬間だった。

 物語は、修学旅行の約4か月前へ。端正な顔立ちゆえに一方的な視線やうわさにさらされ、人知れず傷ついてきた渡会。クラスの女子にボールペンを貸しただけで「ずるい」と陰口を言われたり、接点もない男子に「10人彼女いるらしい」と勝手な想像で話題にされたり。そんな“特別扱い”される中で、「普通に生きたかった」と漏らす彼の心情が丁寧に描かれる。

渡会(簡秀吉)のひたむきさと日置(藤本洸大)の真っすぐさが尊い! ドラマ「修学旅行」第7話

 そんな孤独の中で、一つの言葉が渡会の心を揺さぶる。別のクラスの辻谷(山田健人)たちが、日置(藤本)に「渡会ってどんな人?」と尋ねた時の返答だった。「よく分かんないけど、俺にはただ普通に優しい人に見えたけどな」。

 本人のいないところで、容姿ではなく“内面”を肯定された。それは渡会にとって、初めて同性から受け取ったまっさらな言葉だった。「たったそれだけのことが、忘れられないくらいうれしかった」と静かに語られるモノローグが、その時の胸の高鳴りを雄弁に物語る。

渡会(簡秀吉)のひたむきさと日置(藤本洸大)の真っすぐさが尊い! ドラマ「修学旅行」第7話

 それ以来、渡会は日置が気になる存在に。だが意識しすぎて、声を掛けることすらできない。「おはよう」すら言えず、見つめることしかできないもどかしい日々。バドミントン部の練習をこっそり見に行く姿が、恋心を抱く少年のリアルな“片想い”として胸に残る。

 そして迎えた修学旅行の班決めの日。勇気を出して仲間に「日置を同じグループに入れたい」と声を掛ける渡会。そのひと言で、彼の物語はようやく始まった。

渡会(簡秀吉)のひたむきさと日置(藤本洸大)の真っすぐさが尊い! ドラマ「修学旅行」第7話

 グループ決定後、日置に初めて「渡会くん」と呼ばれた瞬間、表情は変えずに「渡会でいいよ」と返すが、心の中では「初めて話せた…!」と歓喜する。簡は、そんな渡会の感情の揺れを、まなざしのきらめきや声のトーンにそっと忍ばせる。控えめだけど確かにそこにある“うれしさ”が、画面越しにも伝わってくる。

 第6話から続く現在の時間軸では、ふたりの距離がますます縮まり、渡会はついに告白。「俺、日置のことが好き」と思いを伝える。その真っすぐな瞳に、驚いて言葉を詰まらせる日置。「言うべきじゃなかった」と後悔しながら立ち上がった渡会を「待って」と引き止め、戸惑いながらも必死に気持ちを口にする。

 「ごめん、好きな人ができたことなくて、告白されたのも初めてで、恋愛のこと全然分からなくて……」。その上で、「でも、渡会が俺のこと好きなのは嫌じゃない。困ってないし……」と、正直な言葉で向き合おうとする。即答はできない。でもちゃんと考えたい。そんな日置の不器用な誠実さが、胸に響く。

 「このまま好きでいていいの?」という渡会の問いに、日置は少し涙ぐんだ目で「うん」とうなずく。藤本は、うるんだ瞳と言葉を紡ぐ間の取り方で、心の動きを丁寧に表現していた。自分の気持ちがどういうものかまだ分からなくても、それを真剣に受け止めようとする決意がそこにはあった。

渡会(簡秀吉)のひたむきさと日置(藤本洸大)の真っすぐさが尊い! ドラマ「修学旅行」第7話

 思いを受け取った渡会は、そっと日置を強く抱きしめる。「もう我慢しない」「どれだけ日置のことが好きか、これからどんどん伝えていくから」。その腕には、これまで押し殺してきた感情のすべてが込められていた。

 そして飛び出す「成人したら俺以外と酒飲むの禁止」宣言。甘さと重さのギリギリのラインを突いてくるこのセリフ。日置の「(成人は)結構まだ先だよ」という返しも絶妙で、空気を軽やかに和らげてくれた。

 本話のラスト、渡会の強い思いと、日置の“受け止めようとする決意”が交差するシーンでは、恋愛に慣れていない2人が、不器用なりに心を寄せていく。その過程を、簡と藤本の繊細な演技がしっかり支えていた。

 簡は、激しい感情表現に頼らず、視線や間の使い方で喜びや緊張をにじませ、最後の抱擁では想いの爆発をストレートに表現。藤本も、揺れる心情を誠実な語り口と細やかな表情で魅せ、「日置」というキャラクターをよりリアルな存在にしていた。

渡会(簡秀吉)のひたむきさと日置(藤本洸大)の真っすぐさが尊い! ドラマ「修学旅行」第7話

 そして、本日12月6日放送の第8話では、季節が秋に変わり文化祭の準備が始まる。「もう我慢しない」と宣言した渡会の嫉妬深さが早速発揮され、辻谷がふざけて日置に「結婚しよ」と抱きつくと、「断る」と突然割り込んでくる場面も。

 一方、日置は女子から告白される渡会の姿を見て、自分もちゃんと返事をしなければと考えていた。そんな中、東雲(泉有乃)から渡会宛ての手紙を預かってしまい、それがきっかけで日置は渡会から初めて拒絶されることに……。

渡会(簡秀吉)のひたむきさと日置(藤本洸大)の真っすぐさが尊い! ドラマ「修学旅行」第7話

 その様子を見ていた守崎(桜木雅哉/原因は自分にある。)、仲里(福田歩汰/DXTEEN)、堀田(清水海李)の計らいで、日置と渡会は誰もいない美術室で2人きりに。そして、お互いの本音を打ち明け合う。揺れ動く2人の関係が、また少しずつ深まっていく予感を漂わせて、物語は進んでいく。

渡会(簡秀吉)のひたむきさと日置(藤本洸大)の真っすぐさが尊い! ドラマ「修学旅行」第7話
渡会(簡秀吉)のひたむきさと日置(藤本洸大)の真っすぐさが尊い! ドラマ「修学旅行」第7話

【番組情報】
ドラマ「修学旅行で仲良くないグループに入りました」

ABCテレビ(関西ローカル)
土曜 深夜1:00~1:30
※放送後、TVer・ABEMAで見逃し配信、FODで独占配信

文/斉藤和美

U-NEXT
U-NEXT

この記事をシェアする

U-NEXT

Copyright © TV Guide. All rights reserved.