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新日本プロレス棚橋弘至、“断捨離”とは社長業に一番必要な価値観かもしれない─2025/12/08 07:00

新日本プロレス棚橋弘至、“断捨離”とは社長業に一番必要な価値観かもしれない─

 BS朝日で放送中の「ウチ、“断捨離”しました!」(毎週火曜 後9:00~9:54)は、断捨離®提唱者やましたひでこアドバイスの元、家族が片づけだけでなく、“生き方を再構築”する様子に密着したドキュメンタリー。

 12月16日放送では、ドキュメンタリーに加えて、特別対談ゲストとして新日本プロレスの棚橋弘至選手が出演。2026年1月4日での現役引退を表明し、社長業に専念する棚橋選手にとって“断捨離”とは⁉︎

 2026年をスッキリとした気持ちで迎えるために、実践したい考えがたくさん詰まったお話をお届けします。

──2021年12月に雑誌で対談されて以来、約4年ぶりの対面とのことですが、番組収録はとても盛り上がりましたね。

棚橋 「以前お会いした時、断捨離や物へのこだわりについてお聞きしましたが、今日あらためてお話を伺って、できていないことがたくさんあるなと感じました。社長としてこれからの新日本プロレスを作っていく中で、さらに断捨離に挑戦していきたいという思いが湧いてきました」

──断捨離と聞くと、モノを捨てることというイメージがあったのですが、精神的な話にもつながることを知って驚きました。

やました 「断捨離とは、モノを通して見えない価値観や観念に気付いていく行法なんです。今の自分にとって、それは機能しているのか。モノを通して問い直すことで、“未来の自分”へ繋がる視点が持てるんです。」

棚橋 「価値観の証明としてモノがあるんですね」

やました 「モノを捨てるって、面倒くさいしかわいそうだなという気持ちも働くでしょう。私たちって、見てみぬふりをすることが得意ですしね(笑)。そう考えると、皆さん、価値観にしばられていると言えるんです。価値観や観念ってとても大事ですけど、機能不全の価値観と機能する価値観、その両方がある。それを識別することが断捨離なんですよ」

棚橋 「その先の未来のために、モノを捨てられるかどうかが大事なんですね」

やました 「そう、“捨てる”って、実は“未来を迎える儀式”なんですよ。棚橋さんは、現役を引退して新日本プロレスの社長業に専念することになりますよね。組織全体で見たら俯瞰的な意識も持たないとならない。だからやっぱり、断捨離って、きついけど必要なんですよ」

──断捨離にはコツや慣れも必要でしょうか。

やました 「踏ん切りをつけないといけませんよね」

棚橋 「断捨離する理由を自分の中に見つけていかないといけないですよね」

やました 「私たちはすぐ、“正しい”“間違っている”という判断軸にとらわれがち。でも大事なのは、“これからの自分にとってふさわしいかどうか”という視点なんです。」

棚橋 「なるほど。社長にとっては一番必要な考え方ですね」

やました 「大概の場合、過去の失敗体験にとらわれてしまいます。でも、成功体験にもしがみついてしまうんですよ。たとえ過去に成功があったとしても、今はその時とは違う。それを踏まえた上での新たな歩みが非常に大事なんです」

──今回の放送で、棚橋さんは、服や靴の整理を奥様の指導のもと行なっているとおっしゃっていました。もともと断捨離は苦手でしたか?

棚橋 「服や靴が好きなので、『また着るだろう』と思って残しておいて、クローゼットがいつの間にかパンパンになるタイプでした(笑)。今は、新しいものを買ったら何か一つ手放す。今までは1か月に1回しか順番が回ってこなかった服や靴も、そうやって整理することで出番が増えました」

やました 「素晴らしい。“モノを自分の手で成仏させる”って、本当に大事なことです。」

棚橋 「履かなくなった靴を後輩にあげたりもして。そうするとまた、モノとしての役割をはたせるようになりますし、後輩に恩も売れるしいいことづくめです(笑)」

──2026年1月4日に開催される「WRETLE KINGDOM 20 in 東京ドーム 棚橋弘至引退」に向け、棚橋さんが今、注力されていることは?

棚橋 「現役を引退した後に、“またやりたいな”という気持ちが湧き上がってこないように、やるべきことをやり切って引退を迎えることです。現役選手としてのプロレスへの思いを断ち切らないといけない、まさに、精神的な断捨離ですよね。それと、バキッと割れた腹筋でドームに上がること。体脂肪の断捨離ですね(笑)」

──断捨離尽くしですね!

棚橋 「棚橋という選手が断捨離されることによって、新日本プロレスに新しい時代が来るんですよ」

やました 「潔く手放した先にこそ、次の時代がやって来ますよね」

棚橋 「今の若い選手たちは、コロナ禍を挟んだことで5年ぐらい思い通りに活動できない時期があるんです。でもその間、練習を重ね、ものすごい実力をつけているので、今の新日本プロレスはものすごく選手の層が厚い。特に20〜30代前半にイキのいい選手がたくさんいます。昔は、ひとつの時代に1人か、いても3人ぐらいしかトップスターがいなかった。昔でいえば、アントニオ猪木さん一強の時代があって、長州力さん&藤波辰爾さん、そして闘魂三銃士(武藤敬司、蝶野正洋、橋本真也)、棚橋&中邑真輔&オカダ・カズチカ&内藤哲也。それが今は7人以上のトップ候補がいて、新日本プロレス始まって以来の群雄割拠の時代です。彼らをどう売り出していくか、どうやって知名度を上げていくか、それは僕らフロントのやり方一つなのでね」

やました 「いよいよ、今までの断捨離の真価が問われますね。捨てることで拾うものが増えますし、新日本プロレスにもたらされるものがどんどん増えていくはずです」

棚橋 「はい。今日を機に、また、新日本プロレスが加速していきます! ぜひ見守っていてください」

新日本プロレス棚橋弘至、“断捨離”とは社長業に一番必要な価値観かもしれない─

【プロフィール】
やましたひでこ

1954年生まれ。断捨離®提唱者。著作累計700万部超。2025年12月24日には公式コミック『マンガで納得 身につく断捨離』(KADOKAWA)刊行予定。

棚橋弘至(たなはし ひろし)
1976年11月13日生まれ。岐阜県出身。1999年10月10日にデビュー、IWGPヘビー級王座を始め、数々のタイトルを手にしている新日本プロレスのトップレスラー。“100年に一人の逸材”と呼ばれ、人気を博す。2023年12月23日に新日本プロレス代表取締役社長に就任、アントニオ猪木氏、坂口征二氏、藤波辰爾氏に次ぐ4人目の“選手兼社長”となった。2025年1月4日「WRESTLE KINGDOM 19 in 東京ドーム」EVIL戦より、「棚橋弘至ファイナルロード」がスタート。2026年1月4日開催の「WRETLE KINGDOM 20 in 東京ドーム 棚橋弘至引退」で現役生活にピリオドを打つ。

【番組情報】
「ウチ、“断捨離”しました!」

BS朝日
毎週火曜日 午後9:00〜9:54

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