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妻夫木聡の圧倒的座長力&目黒蓮の影と屈託が光る! 原作者が語る「ザ・ロイヤルファミリー」2025/11/22 08:00

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妻夫木聡の圧倒的座長力&目黒蓮の影と屈託が光る! 原作者が語る「ザ・ロイヤルファミリー」

 TBS系で放送中の妻夫木聡が主演を務める日曜劇場「ザ・ロイヤルファミリー」(日曜午後9:00)。競馬の世界を舞台に、家族や競走馬の絆や熱い思いを描く本作の原作者・早見和真さんが、撮影現場である東京競馬場を訪れ、作品への思いを語った。

 本作は、夢を追い続ける熱き大人たちが、家族や仲間との絆によって奇跡を起こしていく、競走馬と人間の20年にわたる壮大な物語だ。原作「ザ・ロイヤルファミリー」(新潮文庫刊)は、山本周五郎賞およびJRA賞馬事文化賞を受賞。2017年に早見さんが連載を始めた同作は、8年以上の時を経てドラマ化を果たした。演出は、「ラストマイル」(2024年)、「グランメゾン・パリ」(24年)、「ファーストキス 1ST KISS」(25年)など、数々の話題作を手がけてきた塚原あゆ子さんが担当する。

 物語も中盤に入った第6話では、病魔に襲われた馬主・山王耕造(佐藤浩市)や、耕造を支える秘書・栗須栄治(妻夫木)をはじめとするチームが、ロイヤルホープの「最後」のレースとなる有馬記念に挑んだ。

 早見さんが感動したというシーンや、妻夫木ら俳優陣に対して抱いた「幸せ」な思いとは。「“原作班”の一人として関わり続けたい」と、自らもドラマの一員として作品を見守り続ける早見さんに、ドラマ化の裏話や制作秘話を聞いた。

“自然の中の馬”が生む感動。映像でしか描けない世界

妻夫木聡の圧倒的座長力&目黒蓮の影と屈託が光る! 原作者が語る「ザ・ロイヤルファミリー」

――ここまでの放送を振り返って、気付いたことなどを教えてください。

「日曜劇場って、すごいなと思いました。これまでも自分の作品で映画化やドラマ化の経験はありましたが、こんなにたくさんの方から連絡をもらい、『良かった』という声が一斉に集まったことは初めてです。改めて、テレビの持つ可能性を感じました。同じ時間にみんなが“せーの”で同じものを見て、感想が一気に湧き上がる。この感覚はテレビならではだな、と。正直、ちょっと衝撃的でした」

――特に「目を奪われた」というシーンはありますか?

「企画が立ち上がった当初から、制作スタッフの皆さんには、『“自然の中に馬がいる”という画さえ撮ってもらえれば、それだけで感動できる』と伝えていました。その期待をはるかに超えて、映像として切り取ってくださっています。しかもワンパターンじゃないんです。北海道・日高地方の風景や昆布漁のシーンにも心を動かされました。小説ではどうしても表現できないものを、映像の力で見せつけられた感覚です。もう少し突っ込むと、競馬好きからすると『こんなカットで馬を撮るんだ』と驚く場面がいくつもあります。もともと競馬に詳しいほうではなかったという塚原(あゆ子)監督だからこそ、撮れる映像なんだろうなと思います。特に印象的だったのは第2話のラスト。競馬場の急坂を映す時に、画面いっぱい緑になるんですよ。最初に映像を見た時、『飛んだのか?』と思ったくらい。でもその緑の壁の向こうからロイヤルイザーニャが現れた瞬間、『やられたな』と痺れました」

「浩市さんのあんばいも完璧」早見さんが語る俳優陣への信頼

妻夫木聡の圧倒的座長力&目黒蓮の影と屈託が光る! 原作者が語る「ザ・ロイヤルファミリー」

――主人公・栗須栄治を妻夫木聡さんが演じています。「この人しかいない」と思われた理由を教えてください。

「妻夫木さんとご一緒するのは今回で3度目になります。役者という世界はどうしても『自分がどう見られるか』『どう輝くか』を考えるもの。セルフプロデュースという意味で、当然それは正しいことだと思っています。その上で、妻夫木さんは、僕の知る中で数少ない“作品に全力でベットできる人”。座長として作品の真ん中に立ちながら、みんなの思いを背負い、みんなが輝くことを本気で信じている。そして作品が輝けばみんな幸せになれると、それを疑わない人なんです。僕が感じている妻夫木さんの人柄は栗須さんそのもので。みんなの中心に立ちながらも、人のために動ける。そして、1頭の馬が勝てばみんなが幸せになると思える人なんです。なので、栗須役の候補として妻夫木さんの名前を見た時に、『原作者権限とかじゃないですけど』と前置きした上で、『可能ならぜひ』とお伝えさせていただきました」

妻夫木聡の圧倒的座長力&目黒蓮の影と屈託が光る! 原作者が語る「ザ・ロイヤルファミリー」

――ほかのキャスティングについても、早見さんが感じたことを教えてください。

「馬主である山王耕造については、佐藤浩市さんが演じることで、耕造という人物に“品”と“生々しさ”が同居した気がしました。もし別の方が演じていたら、あの“昭和感”がコミカルになりすぎていたかもしれません。浩市さんのあんばいは本当に完璧だと感じています。耕造の隠し子である中条耕一を演じている目黒蓮さんについては、顔合わせの時点ですぐに『思いを背負える人だ』と感じ、簡単に委ねることができました。実際に目黒さん演じる耕一の姿を見てみると、想像をはるかに超えていました。僕が小説で書きたかった耕一という人物の屈託のなさと、かすかな影。その両方が彼に宿っていて、まさに体現してくれているなと思います。

妻夫木聡の圧倒的座長力&目黒蓮の影と屈託が光る! 原作者が語る「ザ・ロイヤルファミリー」

栗須の元恋人で、生産牧場を経営する野崎加奈子を演じる松本若菜さんも、あんなに美しいのに、どこか“田舎臭さ”がある。牧場でのシーンより、むしろ横浜の夜景をバックにする時などにそう感じることが多く、役者さんってすごいなぁと感心させられます。そして、騎手の佐木隆二郎役の高杉真宙くんはふらふらして見えても、体幹がしっかりしている感じがまさに騎手っぽいなと。自分の原作の時は、より厳しく見てしまうのですが、今回は心から『幸せだな』と思えるくらい本当に全員がこの作品に向き合ってくれているんだと伝わってきます」

妻夫木聡の圧倒的座長力&目黒蓮の影と屈託が光る! 原作者が語る「ザ・ロイヤルファミリー」

――最後に、視聴者へのメッセージをお願いします。

「第7話の撮影を北海道ロケで終えた時、塚原さんと妻夫木さんから連絡がありました。妻夫木さんからは加えて『7話は神回です』と書かれていたんです。僕も脚本を全て読んだ段階で、最終回とこの7話が飛び抜けて好きでした。なので、この記事に触れた人でまだこの『ザ・ロイヤルファミリー』をご覧になっていない方は、7話の前にぜひ1話から6話まで見ていただきたいです。そして、すでにご覧になっている方も、第7話の放送前にもう一度おさらいすると、きっとより深く楽しめると思います」

第7話あらすじ(11月23日放送)

妻夫木聡の圧倒的座長力&目黒蓮の影と屈託が光る! 原作者が語る「ザ・ロイヤルファミリー」

 山王耕造(佐藤)は中条耕一(目黒)から関係を拒絶されたままもどかしい日々を過ごす。そして栗須栄治(妻夫木)は二人の関係を何とかしようと思案していた。引退したロイヤルホープは血統を残すため、野崎加奈子(松本)の野崎ファームへ向かうことに。

 そんな折、耕一から連絡があり、伝えたいことがあるので耕造に会わせて欲しいと頼まれる。しかし栗須が仲介をし、耕造と対面させるも2人はすぐに口論になってしまい、耕一の言いたいことは言えずじまい。耕一の本心を聞けず悩んだ栗須は、加奈子に相談すると、耕一は耕造に反対しているのではなく心配しているのではないかと言われ…。

 栗須が再び対面の機会を作りある提案をするも、耕一は受け入れなかった。なんとかしたい栗須は、耕一を外へ呼び出し本心を聞きだそうとする。するとようやく耕一の口が開く。その内容は、調教師の広中博(安藤政信)も目を見張るほど意外なものだった。さらに耕一からの思いがけない提案に、栗須と耕造は言葉を失う…。

【番組情報】
日曜劇場「ザ・ロイヤルファミリー」
TBS系
日曜 午後9:00~9:54

文/TVガイドWeb編集部

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