渡辺謙が「べらぼう」で田沼意次役を完走「見えない抑圧感と戦い続けた」1年間の重圧語る2025/09/07

NHK総合ほかで放送中の大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」(日曜午後8:00ほか)で、田沼意次を演じる渡辺謙が、9月7日放送の第34回をもってクランクアップを迎えた。足軽出身から五万七千石の大名に昇りつめた意次の物語が、ついに幕を閉じる。
横浜流星が主演を務める「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」は、親なし、金なし、画才なし…ないない尽くしの生まれから、喜多川歌麿や葛飾北斎などを見いだし、”江戸の出版王”として、時代の寵児(ちょうじ)になった”蔦重”こと蔦屋重三郎(横浜)の生涯を笑いと涙と謎に満ちた物語。脚本は、大河ドラマ「おんな城主 直虎」(17年)、ドラマ10「大奥」(23年)など数多くのヒット作を手がけてきた森下佳子さんが担当している。

渡辺が演じた田沼意次は、自らの才能と実行力で、足軽出身の出自から遠江相良藩の五万七千石の大名に昇りつめた人物。米による幕府の財政運営に限界をおぼえ、金を動かしてこそ“経済がまわる”商業重視の政策に方針を大転換。商人を中心に江戸は好景気に沸かせたが、やがて松平定信(井上祐貴)の登場により時代の潮流が変わっていく。
第34回「ありがた山とかたじけ茄子」では、老中首座に抜てきされた定信が質素倹約を掲げ、厳しい統制を敷き始める中、蔦重が世の流れにあらがうため、ある決意をもって意次の屋敷を訪れる重要なシーンが描かれた。

――クランクアップ直後のお気持ちは?
「江戸城からの開放です。裃(かみしも)からの解放でもありますね(笑)」
――蔦重の決断を受け入れるシーンについて
「最後にようやくお互いが同じような境遇で『成り上がり者だよね』ということを共有し合うシーンでした。蔦重と意次は、ある種の敵対関係というところもあったので、その辺の兼ね合いの難しさみたいなものを感じながらやっていました」
――意次はどのような役でしたか?
「『見えない抑圧感』みたいなものは常にありました。上からも下からも、その抑圧感みたいなものを一身に受けながら、必死で何かを模索し続けるという役でした」

――意次を演じるうえで印象的なシーンは?
「前半で言うと武元(石坂浩二)との茶室のシーンですね。ようやく2人の関係が氷解していくという中で、非常に緊迫感もあり、ミステリー感もあり、非常に長かったですが、やりがいのあるシーンでした。中盤以降は、家治(眞島秀和)とのシーンかな。非常に厚い信頼を受けながら、でも家治自身が抱えている悩みを意次は解決できない。そのジレンマみたいなものもありましたし、家治自身が追い込まれていく時に、会うこともかなわなくなってしまうという中で、それを想定しながら、それまで家治とのシーンを積み上げていったので、意次にとっての家治というのは非常に大きなポジションでした」


――最後に、視聴者の皆さまへメッセージをお願いいたします。
「これからもハラハラドキドキ、蔦重もそうだし、世の中的にも波乱万丈な時代がやってくるので、楽しんでいただけたらいいんじゃないかなと思います。ご愛顧よろしくお願いします」

【番組情報】
大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」
NHK総合
日曜 午後8:00~8:45ほか
NHK BSプレミアム4K
日曜 午後0:15~1:00ほか
NHK BS・NHK BSプレミアム4K
日曜 午後6:00~6:45
文/TVガイドWeb編集部
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