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「私の彼が姉の夫になった理由」IMP.・影山拓也、姉妹の間で揺れる優馬を演じて思うこと2025/08/15 18:00

「私の彼が姉の夫になった理由」IMP.・影山拓也、姉妹の間で揺れる優馬を演じて思うこと

 MBSのドラマフィル枠で放送中のドラマ「私の彼が姉の夫になった理由」(木曜深夜1:29)は、次々と悲劇が起こる展開に、苦しくもやみつきになる人気コミックスの実写化。恋も仕事も順調だった愛子だが、ある日階段から転落し意識不明に。1週間後に目覚めると、幼なじみで恋人の優馬が、姉の紗栄子と結婚していて…。愛子、優馬、紗栄子を巡る愛と復讐(ふくしゅう)に、思わずのめり込んでしまう愛憎サスペンスを描いている。

 そんな本作で愛子役の秋田汐梨さん、紗栄子役の高田里穂さんと共に主演を務め、優馬役を演じるのは、IMP.のリーダーとしても活躍する影山拓也さん。医者として働き、優しくクールな優馬をどう演じているのか? 秋田さんや高田さんとの撮影秘話と共に、俳優業への思いなども聞いた。

――本作は影山さんにとって2作目の連ドラ出演となります。難しいテーマの作品ですが、出演決定時はどのようなお気持ちでしたか?

「昨年、初めて映像作品に出演した時に“うわ、これだ!”と思っていたので、約1年ぶりに出演できると聞いた時は、もう素直にめちゃめちゃうれしかったです。また、こういうシリアスな作品に出演したことがなかったので、それも新鮮で。日々楽しくやらせていただいていますし、新しい経験ができることがうれしいです」

――原作も読まれたとのことですが、どのような印象を受けましたか?

「僕は普段あまり漫画を読まないのですが、この作品はとにかく続きが気になって仕方がなくて。読むのが遅い僕でも、あっという間に読み終えてしまいました。いわゆる人間の黒い部分が描かれているのですが、その人にとってはそれが正義である場合もあって。誰かと向き合う時に、決して見えている部分だけが全てじゃないんだ、という気付きも得ることができました」

「私の彼が姉の夫になった理由」IMP.・影山拓也、姉妹の間で揺れる優馬を演じて思うこと

――原作の優馬はクールで好青年なキャラクターですが、演じることにプレッシャーは感じましたか?

「おこがましいかもしれませんが、原作の優馬も、僕が演じる優馬も好きになっていただきたくて。それくらいの熱量で撮影に臨んでいます。これから衝撃的なシーンがたくさん待っているので、そこはどう演じようかという点でも楽しみですね。初めて挑戦するようなシーンもありますし、見てくださる方に衝撃を与えたいです」

――そんな優馬を演じるにあたって、どんなことを大切にされていますか?

「優馬はお医者さんで頭が良い上、クールで優しく、普段の僕とはかけ離れているキャラクター。声のトーンを少し下げてみたり、あまり喜怒哀楽を表に出さないようにしています。愛子や紗栄子のこともそうですが、いつも俯瞰(ふかん)で物事を見ていて、心の中で言葉を発しているような部分を表現できたらと。どんなにひどいことをされても人を見捨てない器の大きさや温かさ、そういう優馬の良さを見せていきたいです」

――影山さんご自身とはかけ離れているということですが、実際に演じてみて手ごたえはいかがでしょうか。

「難しいですね。監督からアドバイスをたくさんいただいていて、特に受けのお芝居の時の表情の作り方はすごく勉強になりました。今回、自分から何かを発するよりも比較的受けのお芝居が多くて、どういうふうにしたら皆さんにより伝わるのだろうと、日々考えながら取り組んでいます。」

――役については、監督から何かお言葉などありましたか?

「“自分が思っているよりももう少し大きく、大げさに動いてみてもいいんじゃない?”とアドバイスをいただきました。僕、普段のリアクションがめちゃめちゃ大きいので、時には影山を降臨させてみようかと思うのですが、緊張からなかなか発揮できないんです。“優馬はこんな反応するかな? これだと影山がちらつき過ぎていないか?”と不安になってしまって…(笑)。そこのあんばいは気を付けながらやっています」

「私の彼が姉の夫になった理由」IMP.・影山拓也、姉妹の間で揺れる優馬を演じて思うこと

――優馬は医者ですが、影山さんの白衣姿が「似合う」とSNSで話題を呼んでいます。

「ありがたいです。ただ、ファンの方々が白衣姿を楽しんでくだっているのはうれしいのですが、そこがメインではないよと(笑)。医者という面にフォーカスすると逆に物足りなさを感じさせてしまうかもしれないので、白衣姿を楽しみつつ、一番は愛子と紗栄子の間で揺れ動く優馬の心情に注目していただきたいです」

――最近、現場において楽しかったエピソードがあれば教えてください。

「(IMP.の)メンバー内でしかウケないボケがウケた時でしょうか(笑)。メンバーが笑ってくれるのはあくまで影山拓也という人物を理解してくれているからなのですが、他の現場でもついボケたくなってしまうんです…(笑)。基本的にはスベっているのですが、10回、100回やって1回でもウケればすごくうれしいですし、楽しいです!」

――それでは、これは大変だったなと思ったことは?

「うーん…100回ボケて、99回スベった時でしょうか(笑)。どうしたらウケを狙えるのだろうと悩んでしまって。もちろん優馬のことも考えているのですが、セリフを覚えて“よし、このプランで行こう!”と固まったら、次の瞬間には明日現場で何を話すかを考えています(笑)」

――影山さんは現場におけるムードメーカー的存在なのですね。

「いえ、僕は本当は人見知りですし、自分から話しかけることも苦手なんです。ただせっかく参加させていただくなら楽しい現場にしたいので、メンバーといる時の僕のキャラクターで行って、少しでも現場を明るくできたらいいなと。先陣を切っていって、(IMP.の)リーダーらしいところをお見せできたらと思っています」

「私の彼が姉の夫になった理由」IMP.・影山拓也、姉妹の間で揺れる優馬を演じて思うこと

――撮影を経て、共に主演を務める秋田さん、高田さんの印象はいかがですか?

「秋田さんは大人っぽくてクールな印象なのですが、お芝居をしている時は完全に愛子になっていて、その切り替えがすごいんです。高田さんも同様で、普段は優しく明るい方なのですが、紗栄子を演じている時はもう悪女にしか見えなくて…。まさに俳優さんにしかできないスイッチの切り替えで、間近で見ていて感動しますし、いろいろなことを勉強させていただいています」

――空き時間などはお二人とお話をされることも?

「たくさんお話ししています。…僕が一方的に話しているだけですが(笑)。内容は本当にたわいもないことばかりで、“普段なんて呼ばれているんですか?”や“好きなご飯なんですか?”みたいな話が多いです。あと僕、コーヒーが好きなのですが、高田さんもコーヒーをよく飲まれていて、お薦めのコーヒー屋さんを教えていただいたりもしました」

――実際、影山さんはお二人からなんと呼ばれているのでしょう?

「これ、僕が気付いていないだけかもしれないのですが、秋田さんから名前を呼ばれたことがない気がしていて…(笑)。高田さんは僕のことを“リーダー”と呼んでくださいます。“この現場でも影山さんがリーダーということで”と。ぜひ、クランクアップまでに秋田さんにも“リーダー”と呼んでいただけたらうれしいです(笑)」

「私の彼が姉の夫になった理由」IMP.・影山拓也、姉妹の間で揺れる優馬を演じて思うこと

――和気あいあいとした現場の雰囲気が伝わってきます。

「和やかですし、楽しいです。僕のボケに対しては誰も笑っていないことが多いですが、もはやスベることが心地いいです(笑)。おそらく皆さん“影山がまた何か言っているよ”という感じだと思うのですが、仮に“全然面白くないんだけど”と思っている方がいらっしゃったら、今後は腹がちぎれるぐらい笑えるネタを用意します! でも、めげずに100回くらいボケていたら、秋田さんが少し笑ってくださるようになりました(笑)」

――優馬が向き合う愛子と紗栄子、キャラクターとしての魅力はどのような部分に感じますか?

「愛子は天真らんまんで、損得で物事を考えない、そのピュアさが魅力的だなと思います。でも、そこが紗栄子の鼻についてしまって…。紗栄子はお姉ちゃんな上にきっと頭も良くて、物事をいろんな角度から深く捉え過ぎてしまうんですよね。自分で自分を苦しめてしまっているといいますか。でも、両親がいない中でこれまでずっと愛子の面倒を見てきて、きっとすごく我慢してきたと思うんです。誰にも弱いところを見せられない、強くいなくてはいけないというのは普通のメンタルではできないことなので、そこは紗栄子の魅力でもあるのかな」

――それでは、優馬はいかがでしょう。

「優馬はずっと愛子を一番に思っているけれど、紗栄子のことも見捨てられなくて…。自分のことしか考えていない人間であれば、愛子とだけ幸せになれば良くて、紗栄子と一緒にいることはしないと思うんです。そういう優しいところが好きですね」

「私の彼が姉の夫になった理由」IMP.・影山拓也、姉妹の間で揺れる優馬を演じて思うこと

――影山さんがもし優馬と同じ立場に立ったら、どういう行動を取ると思いますか?

「絶望的で、言葉にできないですよね…。しかも、紗栄子に関しては理由が復讐じゃないですか。巻き込まれたくはないですが、僕だったら“止めてくれ、一度話そう”と声を掛けます。“もっと幸せになれる方法があるから、ひとまずご飯に行こう”と。そこで僕がボケをかましたら、きっと紗栄子も笑ってくれるはず!(笑)」

――影山さんご自身は落ち込むことやつらいことがあった時に、どう立ち上がるタイプでしょうか。

「めっちゃ引きずるのですが、1週間くらいたったら忘れていることが多いです(笑)。話して楽になるタイプなので、家族やメンバーなど、とにかく周りの方に話します。あとはひたすら寝て、おいしいものをたくさん食べて、欲しいものを買う! そういう時は我慢しないです」

――優馬にとっての愛子のような存在、影山さんにとってそれはメンバーの皆さんかと思います。最近メンバーの方からの愛を感じたエピソードを挙げていただくと…?

「常に愛を感じているので、これと言うものを挙げるのは難しいのですが…。今回、僕がこの作品への出演が決まった時も自分のことのように喜んでくれたのはすごく愛を感じました。逆に、僕自身も他のメンバーのお仕事が決まった時は本当にうれしくて。一つのものに対してみんなで盛り上げていく、そういう団結力は僕らの強みでもあります」

――そんなIMP.をまとめる影山さんはどんなリーダーなのでしょうか。

「僕自身では分からないですが…よく言われるのは“感覚派”ですね。僕、物事を理屈で捉えるのが苦手で、何事もパッションや感覚で選ぶので。あとは“熱血おバカリーダー”とも言われます(笑)。どのお仕事に対しても命懸けで取り組み、魂を燃やす。200%の気持ちでやることを大切にしています」

「私の彼が姉の夫になった理由」IMP.・影山拓也、姉妹の間で揺れる優馬を演じて思うこと

――アーティストと俳優を並行して行っていくことにはどんな思いがありますか?

「俳優業は絶対に欠かしたくない、今後もやっていきたいお仕事です。単純にお芝居をすることが好きというのもありますが、自分では描けなかったストーリーや人生を経験できる楽しさがあって。そして、それとは違うベクトルで、個人でもお仕事をしてIMP.という名前を広げていきたい。何事もグループに還元したいんです。影山拓也という存在はもちろん、より多くの方にIMP.というグループに興味を持っていただくきっかけになればいいなと思っています」

――最後に、今後のドラマの見どころ、優馬の注目ポイントを教えてください。

「まずはやはり愛子がこん睡状態に陥っていた1週間の間に、何があって優馬が紗栄子と結婚することになったのか、という点です。過去の経験や悩みなど、3人それぞれにバックボーンがあって、そこがこの作品の一番の醍醐味(だいごみ)なのかなと思います。そして、優馬としては、やはり愛子と紗栄子の間で揺れ動くさまが一番の見どころなのかなと。優馬のお父さん(丸山)もしかり、周囲の人々と最後まで向き合う姿をぜひ見守っていただきたいなと思います」

「私の彼が姉の夫になった理由」IMP.・影山拓也、姉妹の間で揺れる優馬を演じて思うこと

【プロフィール】
影山拓也(かげやま たくや)

1997年6月11日生まれ。東京都出身。O型。7人組男性グループ・IMP.でリーダーを務める。近作はドラマ「Qros(キュロス)の女」(テレ東系/2024年)など。6月23日発売の4thシングル「Cheek to Cheek」のカップリング曲「Reckless Love」は今作のエンディング主題歌に。

【番組情報】
ドラマフィル「私の彼が姉の夫になった理由」

MBSほか
毎週木曜 深夜1:29~1:59

【取材裏話】
取材中に「マイブーム」の話題になるも、思い浮かばないようで頭を悩ませていた影山さん。「トレーニングやランニングかな。トレーニング用のウエアも集めています。仕事から帰ってきて疲れた状態で“今日はちょっと面倒くさいかも”と思った時、重い腰を上げてくれるのはウエアの存在なんですよ」とのこと。「特に、タンクトップを着るとテンションが上がるといいますか。ジムに行くとすごい方々がたくさんいるのですが、タンクトップを着ているだけで、自分もそう見える気がして強くなれます(笑)」と、元気いっぱいに語ってくださいました。

取材・文/TVガイドWeb編集部



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