染谷将太が語る大河ドラマ「べらぼう」喜多川歌麿の苦悩と“枕絵”への覚悟2025/08/10 20:45

NHK総合ほかで放送中の大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」(日曜午後8:00ほか)で、浮世絵の美人画で名をはせる天才絵師・喜多川歌麿を演じる染谷将太。本日・8月10日放送の第30回「人まね歌麿」では、歌麿が「歌麿ならではの絵」を模索する中、幼い頃に師事した鳥山石燕(片岡鶴太郎)との再会を果たし、新たな一歩を踏み出すことになる。
横浜流星が主演を務める「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」は、親なし、金なし、画才なし…ないない尽くしの生まれから、喜多川歌麿や葛飾北斎などを見いだし、“江戸の出版王”として、時代の寵児(ちょうじ)になった“蔦重”こと蔦屋重三郎(横浜)の生涯を笑いと涙と謎に満ちた物語。脚本は、大河ドラマ「おんな城主 直虎」(17年)、ドラマ10「大奥」(23年)など数多くのヒット作を手がけてきた森下佳子さんが担当している。
鳥山石燕のもとで絵を学び、蔦重との出会いをきっかけに絵師として歩み出した歌麿は、やがて浮世絵の美人画で江戸の人気者となる。だが今、彼は“自分にしか描けない絵”という命題に直面していた。

――歌麿が“枕絵”に挑む決意をどう捉えていますか?
「歌麿の中で“枕絵”は避けて通れないテーマだったと思います。描かないと次に進めない、でも描こうとすると過去のトラウマがよみがえってくる。魂のこもった絵を生み出すには、ものすごいエネルギーが必要で、それは彼にとってはすごく重いことなんですよね。演じていて感じたのは、“幻覚を見せられている”というより、“自分から幻覚に飛び込んでいく”感覚があって。それは弱さでもあるけれど、同時に、自分の思いを絵にぶつけようとするエネルギーでもある。それができるからこそ、彼は天才なんじゃないかなって思いました」

――石燕先生との再会がもたらすものは?
「石燕先生は、蔦重とはまた違う形で歌麿を受け入れてくれる存在。“お前には見えるはずじゃ”という言葉には、歌麿にしか描けないものがあるというメッセージが込められていて、感覚的に大きなものを教わった気がしました。例えば花一つを描くにしても、命や美しさを絵に落とし込める。それができる才能を、お前は持ってるんだって、そう言ってくれているように感じたんです」

――弟子入りした歌麿の心境に変化はありましたか?
「久々に何も考えず、思うがままに目的がない絵を描き始めるんです。自分が絵を描くのが好きって、こういう感覚だったよなっていうのをもう一回感じ直せた。もう一度原点に戻れた、そんなシーンだったと思います。蔦重がいなかったら、外に出てまた絵を学ぶということもできなかったと思いますし、帰るところがあるからこそ、一歩外に踏み出せるようになっていってるのかなとも思いました。蔦重は…きっとすねながらも、見送ってくれたんじゃないかなと思っています」

【番組情報】
大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」
NHK総合
日曜 午後8:00~8:45ほか
NHK BSプレミアム4K
日曜 午後0:15~1:00ほか
NHK BS・NHK BSプレミアム4K
日曜 午後6:00~6:45
文/TVガイドWeb編集部
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