教育学部出身のAぇ! group・小島健が挑んだ先生役「子どもと同じ目線で向き合う姿勢を意識」2025/07/02 07:00

7月6日スタートのテレビ朝日系ドラマ「こんばんは、朝山家です。」(日曜午後10:15=ABCテレビ制作)は、脚本家の夫と妻が織り成す一家奮闘ホームドラマ。本作の中で、朝山家の長男・晴太(嶋田鉄太)が通う療育センターの職員・中川陸を演じるのがAぇ! groupの小島健だ。
教育学部出身の小島が“先生”と呼ばれる今回の役をどのように務めたのか、役作りの準備や撮影時のエピソードを聞きながらひもといていく。“小島家”のほっこりエピソードも登場!
──教育学部出身の小島さん、“先生”と呼ばれる役は初めてですね。
「僕が教育学部出身ということをスタッフの方々が知ってくださって、それで今回の役に声を掛けていただいたことがうれしかったです。教育実習に行けず、教員免許を取ることはできなかったけど、仕事をしながら大学に通ったかいがあったんかなって(笑)」
──Aぇ! groupのメンバーからはどんな反応がありましたか?
「関西弁を話す役ということもあって、『ピッタリやん!』って。佐野(晶哉)なんかは『役作りいらんやん!』と言っていましたけど、『そんなわけあるか!』と思いました(笑)」
──物語および、演じる中川陸先生の印象はいかがでしたか。
「展開的に爆発があるような派手さがある話ではなく、日常をにぎやかに描いているという印象があって。会話劇のようなテンションもあるし、舞台のような感覚もあるし、現場の空気感がかなり出るドラマだと感じました。個人的にはすごく好きな作風です。陸先生は、学校に行けない時期があった人なのですが、僕は恵まれたことにそういう経験がなくて。だから、学生時代のことを思い出しながら長期間学校に行かへんってどんな感情なのか掘り下げて。そういう経験があるからこそ、同じ経験を持った子どもに優しくなれるんだろうなとか、陸先生の感情を考えたりもしました」
──そんな陸先生の役作りにおいて、教育学部出身という経歴はどのように役立ちましたか?
「僕は初等教育を専攻していたので、陸先生が携わっている療育とは違うのですが、子どもたちとの触れ合いや接し方は役に立ちましたね。初等教育専攻とはいえ、ほかの学科の授業も受けましたし、中学や特別支援級の授業も一緒に受けた経験がありました。それと、小学校の先生になっている同級生や、高校時代の担任の先生にも話を聞いて、いろいろ模索しました」
──恩師の方や同級生からはどんなアドバイスが?
「高校時代の担任の先生は、教育学部に進む時にもいろいろ相談した人で、その後も僕にとってのターニングポイントで話を聞いてもらっていて。友達とは違う角度で答えてくれるので、僕にとってはまさに“恩師”なんですよね。高校の先生なので、陸先生とは教えることも環境も違いますが、『いろんな生徒がおる中で、どうやって関わっていくのか』という話を聞かせてもらえて。同級生とはメッセージでやりとりしたのですが、最初に連絡した時に『ケンケン、待っていたよ!』と返信が来て。仕事面で頼られたことがうれしかったみたいですけど、テンションが高くてちょっとドキッとしました(笑)。でも、いろいろリアルな話を聞いて、学校の先生ってホンマに大変な仕事なんやなと実感しました。それと、同級生は、“若さを大事に”とも言っていて。陸先生と僕らは同じ26歳で、子どもたちとは比較的年齢が近いので打ち解けやすいらしいです。いろいろな問題がある中、子どもたちに対して大人ぶらず、同じ目線で向き合う姿勢を意識するようにしました」
──現場には療育の先生が監修に入っていたそうですね。
「目を合わせるようにというアドバイスがあって、自分なりに、“これぐらいしゃがむのかな”と思ってやっていたら、『ひざがつくぐらいまで』『もっと(子どもの)視界に入りに行くように』と言われて。なるほどと思うことばかりで、たくさん勉強させていただきました」
──撮影自体は1日だったそうですが、現場はいかがでしたか?
「最初にテストをやる時って、僕、緊張してしまうんです。特に今回は1日だけの撮影だったので、余計に緊張していたんです。というのも、僕が入る段階でほかの方は何日も撮影していて、和気あいあいとした中、撮影が巻いて終わっていると聞いていて。もし僕がかみまくって押したらどうしようというプレッシャーがありましたね(笑)。でも、カメラ割りを決めるためのテスト演技の時に、足立(紳)監督が『めちゃくちゃいい感じです』と言ってくださったんです。それで一気にホッとしました。監督も現場を明るくしてくださるからこそ、日常の“家族の会話劇”が生きるねんなと思いました。それと今回は、カメラを極限まで無視しました。アイドルをやっている以上、自分の見せ方を大事にしているんですけど、今回は、その気持ちをゼロにして。まず、目の前にいる晴太や親御さんに向き合おうと思ったんです。そういう意味で、今までの演技で一番、邪念を捨てたかもしれないです」
──共演の方々とのやりとりはいかがでしたか?
「(中村)アンさんも小澤(征悦)さんもすごかったです。現場を明るくしたり、アドリブを入れたりと、見習いたいなとその背中を見させていただきました。それと、晴太役の嶋田鉄太くん! 晴太とのシーンを撮る時、撮影前は普通にしゃべっていたんですよ。それが、撮影開始となったら、そのままのテンションで役に入るんです。すごい子だなと。空き時間にはエビせんを買って来てくれて、僕も一緒に食べたりしました(笑)」

心を許しているからこそケンカにもなる。そんな「小島家」が大好き!
──小島さんが好きな家族の関係は?
「ちょっと恥ずかしいですけど、『小島家』が好きです(笑)。家族のグループトークでほぼ毎日やりとりしています。1年半ぐらい前に姪っ子が生まれて、それから動くようになっているんですけど、写真を送り合ったりして。でも、昔は反抗期もあって、よくケンカもしましたね。今でも地元に帰ったらおかんとは必ずケンカします(笑)。妹からも『おかんとケンカした』って連絡が来たりしますけど、次の日には雪解けする、そんな関係で、結構好きなんですよ」
──ドラマの朝山家みたいですね(笑)。
「ほんまにそのテンションです。大人になると、自分の気持ちを正直に言えることが少なくなるじゃないですか。友達とけんかすることも減るし。でも、家族って、心を許しているからこそ、けんかにもなるんだなって。そういう存在こそが家族なんだなということに、今回、気付きました」
──小島家の皆さんは、「こんばんは、朝山家です。」で先生役を演じることをなんと言っていましたか?
「喜んでくれましたよ。学生時代、親に『とりあえず免許を取りなさい』と言われて教育学部に行ったんですけど、結局は仕事の都合で教育実習に行けず、教員免許は取れていないんです。その時、親が少し悲しんでいたので、役とはいえ、先生になれることがうれしかったみたいですね。だから今回、陸先生をやったことで、学び直して教員免許を取りたいなと思うようになりました。学校の先生ってすごく難しいなと思ったんです。僕自身、小学校でいえば、1年生からの6年間で『先生にこういうことを言われた』っていう記憶がいいこともイヤなことも残っているから。子どもたちの人生に自分の言葉が残るのだと思うとめちゃくちゃ怖い。だからこそ、教育というものにもう一回向き合いたいなって。今後、事務所の後輩に『教育実習に行きたい』という希望がある子が出てきたら。僕は全力で応援したいですね」
──そんな家族の日々を描いた「こんばんは、朝山家です。」の見どころ、期待してほしいところのアピールをお願いします。
「台本を読んでホッコリしましたし、心温まる話です。『家族っていいな』とか、身近におる人の大切さをあらためて感じることができるんですよね。見逃し配信でスマホとかで観る人もいると思いますけど、この作品はぜひ、テレビで観てもらいたいです。僕自身も、テレビドラマならではの会話劇やテンポ感を楽しみにしています!」

【プロフィール】
小島健(こじま けん)
1999年6月25日生まれ。大阪府出身。2019年2月18日に結成されたAぇ! groupの一員となり、2024年5月15日にCDデビューを果たす。俳優としては、今年「ホンノウスイッチ」(テレビ朝日系/2025年)などに出演。2026年新春公開予定の映画「おそ松さん」第2弾に一松役での出演も決定している。
【番組情報】
「こんばんは、朝山家です。」
テレビ朝日系(ABCテレビ制作)
日曜 午後10:15~11:09
※TVerにて見逃し配信あり
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