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主演の藤原丈一郎が後輩・橋本涼の心遣いに思わずキュン!?「ロンダリング」撮影秘話2025/06/09 07:00

主演の藤原丈一郎が後輩・橋本涼の心遣いに思わずキュン!?「ロンダリング」撮影秘話

 なにわ男子藤原丈一郎が主演を務め、B&ZAI橋本涼と共演する、7月3日スタートのカンテレ×FODドラマ枠第三弾「ロンダリング」(木曜深夜、関東・関西ローカル=関西テレビ制作)。

 本作は、社会から切り捨てられた人間たちの生きざまを描くオリジナル作品。“死者の声が聞こえる”という特殊能力を持つ男・緋山鋭介(藤原)が、嫌々ながらも社会の闇に足を踏み入れ、非業の死を遂げた人々の人生に寄り添い奮闘する、社会派ミステリーだ。“死者の声が聞こえる”売れない俳優・緋山を演じる藤原と、謎の男・P.J.役で出演する橋本が、爆笑の先輩・後輩トークを繰り広げた。

――お互いの印象をお聞かせください。

藤原 「はしもっちゃん(橋本)は、かわいい・かっこいいの分類に分けるとしたら、かっこいい方だと思っていたんです。だけど、共演したらかわいさも見えてきて…。人懐っこくて、会った時に『おはようごさいます』だけじゃなくて『元気ですか?』とか『ご飯食べました?』と言ってくれて、たわいもない話もしてくれるので和みます。僕の2歳下ぐらいかと思っていたら、うち(なにわ男子)のメンバー・大西流星と同じ23歳やって知って、『えっ、流星と同い年なの?』ってびっくりしました」

橋本 「2000年生まれなので、24歳です。流星と一緒ではないんですけど、話しがややこしくなっちゃうから一緒でいいです(笑)」

藤原 「すごくしっかりしているなと思って。流星もしっかりしているけど、はしもっちゃんは堂々としているから。今回の作品でもはしもっちゃんやったからこそ、頼れる部分がたくさんあって良かったです」

橋本 「丈くん(藤原)は、バラエティーの印象が強かったので、かわいらしいなと思っていたんですけど、1か月半くらいお芝居を一緒にする中で、かっこいい部分がたくさん見えてきました。お芝居の向き合い方や人との関係の作り方、現場での座長としての立ち位置、立ち居振る舞いなど…。締めるところはきちんと締める姿がかっこいいなと思って、憧れですね。そこで『丈くん年上だったな!』と気付くみたいな(笑)」

藤原 「どう思っていた? 同い年だと思っていたの? それとも年下やと思っていた? それかちょっと上とか!?」

橋本 「ちょっと上!」

藤原 「ちょっと上! それなら良かった」

橋本 「グループを支えているだけあって、その姿がかっこいいなと思いました」

――藤原さんは、カンテレに一番近いアイドルだと伺いましたが…。

藤原 「僕、カンテレの裏の病院で生まれたんですよ。この前、そのことをラジオでめっちゃいじられて『メディアの申し子』とか言われて。局に近いからといって、アイドルで自分が生まれた病院を言う人いないみたいで。だから、恥ずかしいなと思って。でも、ほんまに僕が初めて出た番組は『ほんじゃに!』でカンテレさんの番組やし、これまでもすごくお世話になっているんで、そんな局で自分が主演のドラマができるのもうれしかったです。あと木村淳監督との縁もあり、『サムライ転校生 〜我ガ道ハ武士道ナリ〜』(09年)以来だと気付いてくださるファンの方もいらっしゃって、人と人のつながりをすごく実感できた作品でもありました」

――劇中で、緋山はP.J.に翻弄(ほんろう)されますが、普段のお二人はどういうご関係ですか?

藤原 「普段も翻弄されていますよ」

橋本 「いやいや(笑)。そうですか?」

藤原 「撮影は大阪で、僕が大阪出身だから、撮影期間の2か月で1回はご飯に行こうって話をしていたんですよ。でも、なかなか予定が合わなくて、いざ『行きましょう!』となった時に、『何食べたい?』と聞いたんです。『焼肉がいいです』とか言うかなと想像していたら、はしもっちゃんは、ちゃうんですよ。『丈くんが食べたいものがいいです』って言うんですよ。『なんやそれ』って思ったけど『ありがとう。うどん食べたいから、うどん行こう』と決まりました」

橋本 「『お、いいですね』って言って、行きましたね。深夜に」

藤原 「『連れて行ってください』とか、『これ食べたいです』と言われることを予想していたけど、『今、丈くんが食べたいものがいいです。撮影が終わってからでいいので、その時に食べたいものを食べましょう。それが僕も食べたいものです』みたいなことを言われたのが初めてだったので、はしもっちゃんスゲーと思った。そういう面では、同い年の流星は『これ食べたい!』って絶対言ってくるので。そこがちょっと違うなと思って、キュンってしました」

――その時、橋本さんはどういうスタンスだったんですか?

橋本 「大阪のお店は分からないので、何が食べたいのかも分からないんですよ。かつ僕は、本当に何でもいいタイプなんです。何でもよかったんですが、丈くんが連れて行ってくれたうどんのお店がめちゃめちゃうまくて。夜中の0時過ぎぐらいだったけど、『ここ空いてんねん』って教えてもらったところが、本当にうまかったですね」

藤原 「普通やったら『何でもいいです』って回答するのに『丈くんが食べたいものを食べたいです』って言う、そのワードセンスがかっこいいなって。だから僕も、先輩に『何食べたい?』って聞かれたらそう答えたいなと思いました。後輩から学ぶこともたくさんあるんですよ」

橋本 「いや、いや。『肉!』って答える後輩もかわいいじゃないですか」

藤原 「『○○くんが食べたいもの食べたいです』って乱用しまくったろー」

橋本 「あー、恥ずかしい」

主演の藤原丈一郎が後輩・橋本涼の心遣いに思わずキュン!?「ロンダリング」撮影秘話

――それぞれ、演じる役どころについて教えてください。

藤原 「僕が演じる緋山は、すごく真っすぐでピュアな人物だなと台本を読んだ時に感じました。話が進むにつれて、みんなと話し合うシーンで、『いや、それは駄目でしょ』とか、思ったことを素直に言えるようになるんですけど、良くも悪くも空気を読まずに話をぶった切るんです。普段の自分なら、これ言っても大丈夫かなとか、『あれって…、もしかしたら…』と先読みしちゃうので、気付いたら言わないまま終わっちゃうことがあるんですけど、緋山は思ったことをすぐその場で発言したり、駄目なものは駄目、いいものはいいと言ったり。台本を読んで正義感が強いんだなと感じたので、僕は緋山の正義感をしっかりと軸に置きながら演じていきました」

――ご自身との共通点はないキャラクターですか。

藤原 「似ている部分ももちろんあるんですが、そこまで共通点はないかも。僕も瞬時に判断できるタイプではあるんですけど、思ったことをすぐ口に出すことがあまりできないんです。でも、緋山は思ったことをすぐ口にする場面もあれば、なかなか言えない時もある。実は、抱えているものもあって…。似ている部分は役に反映しようと思っていたので、この2か月で僕が想像をしていた緋山を超えた感じのキャラになっているかもしれません」

――橋本さんはいかがですか。

橋本 「P.J.は、現段階で言えることがあまりないんです。物語の最初からちょこちょこ出てきてすぐどこかに行ってしまうような役ですけど、後半になるにつれて、P.J.が抱えている深いものが描かれていきます。第1話の登場シーンからは想像がつかないような半端ないものを抱えているので、共通点は見つからないです。僕自身は何かを抱えているわけではないですが、P.J.に感情移入した時に急に腑(ふ)に落ちたというか、感情移入すればするほど悲しくなってきちゃって、そういう意味ではP.J.に注目してほしいなと本当に思います」

――P.J.は謎めいたキャラクターですけど、ちょっと悪いキャラですか?

橋本 「そうですね…。物語の途中に意外とかわいらしい部分をみせたり、急に真顔で怖くなったり…。タバコを吸うんだけど、ビジュアルはちょっとかわいらしい感じで、そういうちょっとしたズレや意外性が、実は後半につながっていたりするんですよ。そういう意味では、P.J.はすごく深い人間ですね」

――お互いの役どころについてどのように感じていますか?

藤原 「P.J.はなかなか捉えづらかったです。見ている側からもそうやし、共演する側からしてもどこからギアを変えていけばいいのかと悩む、すごく難しい場面もありました。話が進んでいくたびに、P.J.の人間味が出てきて、だんだん気持ちも分かってきて、すごく難しい役だけど、はしもっちゃんがうまく自分のものにしているなとつくづく感じました。第一印象ってすごく大事なので、特にP.J.というキャラクター作りの難しさもありつつ、セリフの言い方や動き方をどう表現していくのかも大変だったんじゃないかな。セリフのタイミングも普通にキャッチボールするのではなくて、急に速度を変えたりもしていたので、今作の中で一番難しいP.J.役をうまく料理していた、はしもっちゃんはすごいです」

橋本 「うれしいですね。でも、丈くんはもっと、すごいんですよ! 僕が台本を最初に読んだ時、緋山のセリフが丈くんの声で再生されたぐらいぴったりで、いざ本読みを行った時も『そのままだ。すげえ』と思って。違和感を抱くことがなかったから、丈くんは大変だったんだろうなと思いました。緋山って、許せないことは許さないみたいな信念を持っているんですけど、後半になるにつれて、お芝居のギアが変わるタイミングが何回かあって、その時の丈くんのお芝居がすごく好きだったんですよ。こういうふうに来たか、なるほどと。そういう丈くんの一面を見るのがすごく楽しかったですね。撮影の順番で、もう一度最初に戻るタイミングがあったんですけど、その時の丈くんはすごかったですね。一瞬、混ざっちゃうかなと思ったら、バチコーンと最初の緋山に戻っていて、『やっぱ、すげえなー』って」

藤原 「あそこは僕だけじゃなくて、みんな『最初に戻れるかな…』と不安だったんじゃないかな。『あの頃は、みんなまだそんなに仲良くない時やんな』と確認して、当初の距離感を思い出して演技していました」

橋本 「そこが皆さんプロだなと思いましたね」

――緋山とP.J.の関係性がどうなっていくのか、注目ポイントを教えてください。

藤原 「物語が進むにつれて2人がどう交わっていくのか、そこが一番の見どころです。さらに、そこに巻き込まれる人たちも最終的にどうつながるのか、点と点がきれいに線になる時、どういう結末を迎えるのか。その中で、大きなキーポイントにもなるので、2人の関係性を楽しみにしていただけたらうれしいですね」

橋本 「本当にその通り。でも、P.J.って情報がなさすぎるから、どう説明したらいいのか難しいなぁ。すぐネタバレしそうになっちゃう。危ない、危ない。緋山とP.J.が交わることによって物語が少しずつ進んでいきます。P.J.が緋山から新しい刺激を受けて、後半にいくとP.J.の中で緋山の存在がどんどん大きくなっていくんです。そこら辺も視点を変えてみると面白いかも。会社と私生活での表と裏で、視点が2個あるんですよ。そのどちらかにフォーカスすると違った見え方があるので、このドラマは本当に面白いんですよね。ぜひ、見てほしいです!」

主演の藤原丈一郎が後輩・橋本涼の心遣いに思わずキュン!?「ロンダリング」撮影秘話

――お二人が人と向き合う上で一番大事にしていることって何でしょうか?

藤原 「僕は距離感かな。人によってベストな距離感があると思うんです。同じ距離感でも、近いと感じる人と感じない人がいて。なにわ男子のメンバー全員と同じ距離感で接しているかと聞かれたらそれは違う。でもちゃんと輪の中に入っているので、そういうのは人と付き合っていく上ですごく大事にしていますね」

橋本 「あまり考えたことがなかったのですが、相手を否定しないですかね。僕は、B&ZAIの中で歴が一番長くて、自分の発言に対する影響力が大きくなってしまったんです。そんな中、年下の弟たちの意見を否定しないようにしています。否定する時は、意見を聞いてラリーを繰り返してディスカッションしてから答えを出すようにしています。最初から否定するのは簡単だけど、一旦すべてをのみ込んで考えた結果、駄目だなと思ったら否定しようと考えています」

――否定しないというのは、先輩から学んだのですか?

橋本 「そんなことしちゃ駄目だという肌感ですね。それに、自分がそうされた時に悲しかったからです。この衣装がいいと思うと言った時に、『それは嫌だな』と否定されて、すごく悲しかったことがあって(笑)。大昔ですけど、その時に理由を説明されたら納得したので、それから意識しています」

――藤原さんは、単独初主演で座長でしたね。

藤原 「初の単独主演ということで、お話をいただいた時、すごくうれしかったですし、何よりも、僕の生まれ育った大阪で撮影できるので、すごくアットホームな関係も築けるなと思いました。スタッフさんも、ほぼ関西の方だったので、関西弁が飛び交っていて楽しかったです。標準語でしゃべる人たちには申し訳ないぐらい」

橋本 「本当っすよ。あれマジでキツかった…」

藤原 「でもな、これ普段は逆やからな。関西人が関東でドラマを撮る時、みんな標準語だし、もやもやした気分になる。でも、今回は途中危なかったな。緋山の世話係みたいな役の菅井友香さんもめっちゃ関西弁になって、途中でイントネーションが急におかしくなって…」

橋本 「菅井さんじゃなくてもそうなりますよ。だって丈くんがゴリゴリの関西弁だから。現場で本当にイキイキしていましたよ!」

藤原 「僕にとっては、すごくありがたい環境でした。座長として引っ張っていかないと…というイメージがあったんですけど、現場に入るとそこまで力を入れなくても、大先輩の大谷亮平さんもいらっしゃったのでよかったなと。いろいろな話をしながらできたので、今思えば、確かに僕が主演だったなと思いますけど、特に自分が主演だという意識もそんなにしなくて、キャスト一同全員が一列でこの作品のスタートを切って、最後みんなでゴールテープを切ることができたかなと思います。あとは、全10話を楽しみにしている視聴者の皆さんに無事に届けたいなという気持ちです」

橋本 「そう言っていますけど、ちゃんと座長していてかっこ良かったですよ。今回のドラマ、スタッフさんたちも朝から晩まで本当に大変でしたし、ほかにもいろいろな方が大変でしたけど、一番大変だったのは丈くんで、セリフ量が半端なかったんです。最後の方、丈くんがパンクしていたこともありますけど、先のことよりもその日その日を生きていて、『俺、明日の台本何も入ってへんねん。今日という一日を生きている』と言っていて、本当にセリフ量が半端ないから追いついてなかったみたい。それでも翌日の撮影はバチコーンと決めてくるんですよ。『かっこいいな』と思ったし、差し入れなどもたくさん入れてくださって、現場も盛り上げてくださって。かつ、お仕事の部分でもかっこ良くて、お芝居も本当に憧れましたね。僕は、事務所の先輩のドラマに出た経験があまりなかったので。人見知りだしいつも一人で現場にいるんですけど、今回は、丈くんが座長だったのでうれしかったですね。事務所の先輩と、こうやってドラマに出させていただくと、こういう楽しみがあるんだなと気付けました」

藤原 「うれしい。僕は、はしもっちゃんを頼りにしていたので、後輩を心配したり『大丈夫か?』とか聞いたりせず、放し飼いにしていてもちゃんとやってくれて良かった。はしもっちゃん自身もドラマ『墜落JKと廃人教師』(23年/TBSほか)などで主演経験があったから、最初に会った時に『主演やっていたから教えてくださいね』ってお願いしたら『分からんて、分からんて』と言われましたけど、本当に頼りがいがあっていい関係でいられたと思います」

橋本 「楽しかったっすね」

――撮影中の短期間で、いい関係性ができた感じですか?

藤原 「そうなんですよ。今、はしもっちゃんと呼んでいますけど、そのうち『橋本さん』に変わりますよ」

橋本 「ちょうどクランクアップした瞬間に『橋本さん』になっていました。丈くん、やり切った瞬間に、築いた関係値を全部なくしちゃうタイプなんですよ(笑)」

藤原 「放送終了後までは、はしもっちゃんでいきます」

橋本 「おいおい、それ、ひと夏だから!」

主演の藤原丈一郎が後輩・橋本涼の心遣いに思わずキュン!?「ロンダリング」撮影秘話

【プロフィール】
藤原丈一郎(ふじわら じょういちろう)
1996年2月8日生まれ。大阪府出身。B型。なにわ男子のメンバー。2021年に「初心LOVE(うぶらぶ)」でCDデビュー。25年1月に「僕のあざとい元カノ from あざとくて何が悪いの?」(テレビ朝日系)でトリプル主演を務めた。


橋本涼(はしもと りょう)
2000年10月30日生まれ。神奈川県出身。O型。B&ZAIのメンバー。23年に「墜落JKと廃人教師」(MBSほか)で連続ドラマ単独初主演を務め、24年には続編の「墜落JKと廃人教師 Lesson2」(同局)が放送された。


【番組情報】
「ロンダリング」
7月3日スタート
カンテレ・フジテレビ/FOD
カンテレ 毎週木曜 深夜0:15
フジテレビ 毎週木曜 深夜2:15

取材・文/松下光恵



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