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「PJ ~航空救難団~」渡辺碧斗、演じる長谷部に感じる魅力は「周りを頼れる強さがある」2025/05/29 12:00

「PJ ~航空救難団~」渡辺碧斗、演じる長谷部に感じる魅力は「周りを頼れる強さがある」

 テレビ朝日系にて放送中の連続ドラマ「PJ ~航空救難団~」。自衛隊の中でも精鋭だけが所属できる人命救助のエキスパート集団、航空自衛隊航空救難団に所属する救難員、通称PJ(パラレスキュージャンパー)を育てる救難教育隊を舞台に、主任教官・宇佐美誠司(内野聖陽)と訓練生たちが、命懸けで地獄の訓練に挑む姿と成長を描く物語をおくる。

 今夜放送の第6話では、藤木さやか(石井杏奈)が救難員過程を辞退したのは「宇佐美に精神的に追い込まれたから」という告発から、宇佐美は自粛を言い渡されてしまい…。そんな宇佐美に憧れを抱く訓練生・長谷部達也を演じる渡辺碧斗さんに訓練の日々を振り返ってもらったほか、キャスト陣の印象などを聞いた。

――渡辺さんは2023~24年に「王様戦隊キングオージャー」(テレビ朝日系)に出演、連続ドラマは本作が初出演になります。お話を聞いた当初はどのようなお気持ちでしたか?

「お話をお受けしたのと同じタイミングで実際の訓練の様子の映像をいただいて、“これは大変だ”というのが最初の印象でした。僕は元々体の線が細かったので、まず普段の生活を変えて、体作りから今すぐに始めなくてはいけないなと。気合を入れ、腹をくくって挑もうと思いました」

――体重を約10kg増量して挑んだとお聞きしました。

「はい。クランクイン前と比べて12kgくらい増えたかなと。ただ、体質的なものもあり、これまで通りに生活していては体型をキープできなくて。空き時間にはジムに行ったり、食事をいろいろ気にしたり…クランクアップまでしっかりこの集中力を保ちたいです」

「PJ ~航空救難団~」渡辺碧斗、演じる長谷部に感じる魅力は「周りを頼れる強さがある」

――これまで約半年にわたって訓練・撮影を行っているそうですが、これまでの中で一番大変だったことは?

「クランクイン前に(ロケ地の)小牧基地に見学に行った際、実際の教官の方に訓練生の皆さんと同じ内容で追い込んでいただいた時でしょうか。もちろん、事前に筋トレなどをして準備していたつもりではありましたが、腕立て伏せの姿勢すら取れない状態まで追い込まれて…。本当に何度も“もう駄目だ”と思ったのですが、同じように頑張っている訓練生キャストのみんなを見て、“一人じゃないんだ。だから頑張ろう”と思えた瞬間を覚えています」

――第2・3話ではプールでの訓練シーンが登場し、長谷部が水中で記憶を失ってしまう展開も…。水泳の訓練も大変だったのでは?

「大変でした。僕は水泳をやっていたこともあり、水には慣れていたのですが、5mも潜水して作業をするのはもちろん初めてで。しかも、ゴーグルなしで作業ができるようにならないといけないのですが、ゴーグルを着けずに潜るとほぼ前が見えなくなるんです。なので、隣にはゴーグルを付けたバディがいて、その人を完全に信用していないと成り立たなくて…。日々の訓練を通じ、皆さんとの信頼関係を築いていけた感覚があります。もし、水中で息ができなくなってもすぐには上がれない深さで作業をするというのは精神的に強くないとできないことですし、あらためて敬意を感じました」

「PJ ~航空救難団~」渡辺碧斗、演じる長谷部に感じる魅力は「周りを頼れる強さがある」

――渡辺さんはご自身が演じる長谷部をどのようなキャラクターだと捉えていますか?

「長谷部はひょうきんで明るいのですが、他の訓練生よりも成績が劣る落ちこぼれでもあって。当初この役柄を聞いた時に、“明るいと落ちこぼれって両立するのかな?”と思ったんです。というのも、僕が同じ立場だったら周りに嫉妬してしまって、明るくはいられないんじゃないかな…と。なので、救難員の方にお会いした時に『自分ができないことを周りの人ができた時に嫉妬することはありますか?』とお聞きしたら、『悔しさは感じるけれど、できないのは自分が悪いのだから、できる人にお願いして教えてもらいます。なので、嫉妬はまず感じないです』ということをおっしゃっていて。つまり、長谷部はそういう強さを持ち合わせている人物なんですよね。変なプライドを持たず、いい意味で手段を選ばず周りを頼ることができる。卒業という目標に向かって進む長谷部はすごくキラキラして見えます」

――長谷部は堅物で真面目な父とは正反対な宇佐美に憧れる、中性的なキャラクターの持ち主でもありますよね。

「あくまでこれは僕の想像ですが、長谷部は父親が自衛隊の幹部で、おそらくこれまで“男らしくあれ”と育てられてきたと思うんです。でも、それに違和感や反発を覚えて、“今の自分のままでもここまでできるんだ”っていう証明をしたいのもあるんだろうなと。頼りない瞬間もあるかもしれませんが、自分の中に一本太い幹があるのだと思います」

「PJ ~航空救難団~」渡辺碧斗、演じる長谷部に感じる魅力は「周りを頼れる強さがある」

――そんな長谷部を演じる上で意識的にやっていることはありますか?

「基本的には常に笑顔でいることを意識しています。周りは“なんだこの人”と思うような宇佐美からの指示も、“父親と違うやり方で目標を達成できるんだったら何でも受け入れるぞ”という気持ちで、僕自身も何事にもワクワクすることを心がけています」

――共に訓練に挑んできた皆さんについても、それぞれどんな方か教えてください。まずは沢井仁役の神尾楓珠さん。

「楓珠くんは7人の中で第一印象とのギャップが一番大きかったです(笑)。最初はクールな方なのかなと思っていたらすごく気さくで、現場ではいつもみんなとしゃべっていて。かわいらしさもあり、面白い子だなと思います。それに優しくて、撮影中に“大丈夫?”と気遣ってくれたり、食事に誘ってくれたりして、いつも感謝しています」

――藤木さやか役の石井杏奈さんは?

「石井さんは女性が一人だけというのもあり、僕らの中で一番大変だったと思います。僕ら男性でも体力的に大変なことを同じようにやっていて、リスペクトを感じていました。しかも、すごく場に溶け込むのが上手で、いつもみんなと輪になって話していて、女性が一人だからと僕らに気を使わせないんですよね。心身ともにすごく強い方だなと思います」

――白河智樹役の前田拳太郎さんは?

「拳太郎とは数年前に別府(由来)くんを介して3人でご飯を…確かあの日は魚を食べたのですが(笑)、共演は初めてなのでうれしかったです。そして、拳太郎は7人の中で役とのギャップが一番大きい人なのかなと。白河は硬派ですが、拳太郎は柔らかい雰囲気で優しくて、どこに行ってもかわいがられるキャラクターですよね」

「PJ ~航空救難団~」渡辺碧斗、演じる長谷部に感じる魅力は「周りを頼れる強さがある」

――西谷ランディー役の草間リチャード敬太Aぇ! groupさんは?

「リチャードくんは基本的にクールでありながら、話しかけると面白く返してくださる一面も。関西人ならではのツッコミも入れてくださって、それに助けられている部分もあります(笑)。先日、Aぇ! groupさんのライブを見に行かせていただいたのですが、キラキラしている姿が今も目に焼き付いていて…。何事も頑張る姿がすごくカッコ良いです」

――東海林勇気役の犬飼貴丈さんは?

「犬飼さんは年長者というのもあり、いつも落ち着いてらっしゃる印象です。しかも、ご飯に連れて行ってくださったり、一緒にコンビニに行くと僕のものまで買ってくださるような漢(おとこ)気もあって。事前に犬飼さんのことを調べた時に、ネット上で“変わっている人”と書かれていて、当初は“そんなことないのでは?”と思ったのですが、やはりだんだん不思議なところが見えてきて…(笑)。ミステリアスな部分もあります」

――近藤守役の前田旺志郎さんは?

「旺志郎には、特に最初の頃はすごく助けてもらいました。コミュニケーションを取るのが上手なのに加えて、訓練生キャストほぼ全員と共演経験があって、すでに撮影前から関係性が出来上がっていたんですよね。その輪の中に僕をスッと入れてくれて、気さくに話しかけてくれて…僕が皆さんと仲良くなれたのは旺志郎のおかげ。相談を聞いてもらったりもしますし、現場のムードメーカー的存在です」

「PJ ~航空救難団~」渡辺碧斗、演じる長谷部に感じる魅力は「周りを頼れる強さがある」

――渡辺さんが思う主人公・宇佐美の魅力を教えてください。

「周りからどう言われようが、自分が訓練生たちに対して一番いいと思っていることを曲げずにやれるところがカッコ良いですよね。何事も訓練生のために…という愛の深さと、それを貫き通せる強さが魅力的だなと思います」

――宇佐美を演じる内野さんの印象はいかがですか?

「宇佐美同様に熱い方で、僕らのみならず、スタッフの方々も含めて引っ張ってくださっています。体調のこともいつも気遣ってくださって、自覚はなかったのですが疲れが顔に出てしまっていた時も、『本番以外は休んでいた方がいいよ。自分が疲れているということを自覚しないと』などと温かい言葉をかけてくださったり…。厳しさの中にも確かな優しさを感じます」

――今夜放送の第6話では自衛隊幹部である自身の父に宇佐美の自粛を取り消してもらえないか画策するなどフォーカスが当たります。ぜひ今後の見どころを教えてください。

「長谷部は極限状態の中で、人間の弱い部分を見せていくことになります。誰しも弱い部分はあると思うのですが、長谷部がそれをどう乗り越えていくのか、ぜひ最後まで見守っていただきたいです。そして、今の時代はいろいろ便利になりましたが、その分人と人との距離がどんどん離れていっているように感じていて。そんな中、今回の撮影を経て、“一人では乗り越えられないことがある”とあらためて実感しています。落ちこぼれの長谷部が果たして卒業できるのか…。みんなと協力しながら全力で目標に向かっていくさまを見て、助け合うことの大切さを感じていただけたらうれしいです」

――本作では皆さんが“命だけではなく、心を救うために”日々訓練に挑んでいますが、渡辺さんの心を支えている存在は?

「最終的に行き着くのは、やはり家族とファンの方です。応援してくれる存在がいることでどんなにキツくても頑張ろうと思えますし、誰かの人生の中の楽しみの一部になれているということがすごくうれしくて。それがこのお仕事を続ける原動力にもなっています」

「PJ ~航空救難団~」渡辺碧斗、演じる長谷部に感じる魅力は「周りを頼れる強さがある」

【プロフィール】
渡辺碧斗(わたなべ あおと)

1998年1月19日生まれ。東京都出身。主な出演作は「王様戦隊キングオージャー」(テレビ朝日系/2023年)、ミュージカル「燃ゆる暗闇にて」(24年)など。現在、Vシネクスト「爆上戦隊ブンブンジャーVSキングオージャー」が新宿バルト9ほかで上映中。

【番組情報】
木曜ドラマ「PJ ~航空救難団~」

テレビ朝日系
木曜 午後9:00~9:54

【プレゼント】

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【締め切り】2025年6月26日(木)正午

取材・文/片岡聡恵



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