「高見沢俊彦の美味しい音楽 美しいメシ」高見沢が長野博の探求心に感服!2024/12/05
「日本全国津々浦々のツアーやフェスを駆け回るミュージシャンこそ、『あらゆるグルメ』に精通しているのでは?」をコンセプトに、「高見沢俊彦の美味しい音楽 美しいメシ」では、司会のTHE ALFEE・高見沢俊彦が、ミュージシャンや音楽に携わるゲストとトークを繰り広げながら、ゲストが持参したお薦めの逸品グルメを紹介している。
12月13日の放送は、ゲストに20th Centuryの長野博らを迎えた1時間スペシャルを。「全てが別次元だった!」と長野が持参した品々に高見沢がうなった番組収録後、2人に感想を聞いた。
やっぱりね、料理はこだわりなんだよ(高見沢)
僕しか紹介できないようなものも厳選して選びました(長野)
――ラーメン(大阪)、すっぽん鍋(静岡)、ごま油(韓国)、椰子(やし)の白わらび餅(東京)…今回、どの料理も大絶賛でしたね。
高見沢 「さすが長野くんだよね。ある意味、楽でしたよ。どんどん話してくれるので。僕、食べることは好きなんだけど、詳しいことを全く知らないんですよ。だから最高でした。今日は3本収録して、長野くんの回が最後だったんだけど、一つ一つが全く違う料理だから、食べられちゃうんですよ。おいしいし、長野くんの注釈も付いてくるからね(笑)。いろいろ聞くと食べたくなっちゃうのよ。それがすごいなと思いました」
――長野さんはどんな基準で高見沢さんにお薦めの逸品を用意されましたか?
長野 「高見沢さんは番組内でスイーツのコーナーもお持ちだから、甘いものが好きなのだろうなとは思っていたんです。普通に買いに行っても食べられない品も食べていただきたいなと思って、取り寄せました。ものすごく厳選して、買いに行けば手に入るわけじゃないものを選んだつもりです」
――どれも見ているだけでよだれが出るような品ばかりでした。
高見沢 「最初のラーメンからすごかったもん。スープが不思議な味だったね、まだあの感覚が舌に残っているよ」
長野 「麺よりスープにインパクトがありましたよね」
高見沢 「別次元だよ。言葉じゃうまく言えないけど、今まで食べてきたラーメンのスープとは本当に違うよね」
長野 「大体ラーメンを食べる時って、まず麺を食べて、スープ、麺、麺、麺…みたいな感じになると思うのですが、このラーメンはスープ、スープ、スープ、麺みたいな感じじゃないですか? (店舗が予約制で2年3カ月待ちのため) 高見沢さんと、2年3カ月後にこの店にご一緒したいです」
高見沢 「そうだよ、本当だよね。今から予約して一緒に行こう!(笑)」
――2品目には静岡・浜松のすっぽん鍋が紹介されました。
高見沢 「いわゆるすっぽん鍋のイメージとは違うよね。長野くんも言っていたけれど、浜松が養鼈場のはしりだって知らなかったから」
長野 「あの店は日本で一番初めにすっぽんの養殖を始めた会社で、うなぎより前に養殖を始めていたそうですよ」
高見沢 「勉強になるわ。京都にある有名な老舗すっぽん料理店に、この店がすっぽんを卸していることも分かったし。そういう意味では、ラーメンもそうだけど、すっぽん鍋の概念が変わりました(笑)。(すっぽんの)肩肉ってこんなにおいしいんだ! とか。あれはうまいよー! あの脂といい、すっぽんの卵といい、肝といい、スープも。いろんなお店で食べてきたけど、すっぽん鍋って独特の匂いがするんですよ。苦手な人もいると思うけど、そういう方も絶対に食べられる味です。最高だし、ビックリするよ!」
――高見沢さんは全品を通して「こんなの初めて」とおっしゃっていましたね。
高見沢「本当ですよ! 初めてだよ! ラーメンもごま油も、今まで食べてきたものとは次元が違って。全部おいしかったです」
――今日召し上がってみて、ご自身でもお取り寄せしようかなと思ったものはありますか?
高見沢 「そうだな~、すっぽんを取り寄せても、自分ですっぽん鍋を作れないからな(笑)。だから、ラーメン(※)かな。楽天やAmazonでも購入できるって聞いたから。ふるさと納税の返礼品としても提供されているって聞いたけど。俺、最近(ふるさと納税で)赤いがま口買っちゃったからな。何で買っちゃったんだろう(笑)」(※通常のお取り寄せには、チャーシューは付いてきません。長野さんが特別に取り寄せた品です)
――長野さんはすっぽん鍋を紹介する際に、ご自宅から専用の鍋も持参されたと伺いましたが、味は違いましたか?
長野 「(自身で撮影した底が透けている鍋と、脂の浮いた鍋の写真を見せて)写真の通りです。写真がなかったら、説明してもなかなか伝わらないですよね。でも、たまたま撮影した写真で、道具の違いによる結果が目で見て分かったので、今日は持参した方がいいかなと思いました」
高見沢 「やっぱりね、料理はこだわりなんだよ。それを彼(長野)は持っている。俺はこだわりがないから(笑)、なんでも食えちゃうから! そういう意味では、いい番組ですよね。今日は自分がゲストになったようで、楽をさせてもらいました(笑)」
――こだわりは他にもありますか?
長野 「車やバイクも好きなタイプはあります。興味はいろいろあるのですが、意外と飽きっぽくて、はまるものははまるけど、そうでないものはスルーしちゃいます。なので、長く続かないものもいっぱいあります」
高見沢 「えっ、そうなの? 全部深く極めると思ったけどね」
長野 「ゴルフもはまっていたのですが、今は落ち着いた感じです。また、夢中になる時が来るかもしれないですね」
――海外にも食べ歩きに行かれていますよね?
長野 「何年かに一度、スケジュールが空いた時に行きますが、なかなか難しいですよね」
――そんな長野さんの苦手な食べ物は何ですか?
長野 「コリアンダーがちょっと苦手です。スパイスは大丈夫なのですが、好んではいただかないですね」
――ちょっと変わった食べ物は大丈夫ですか?
長野 「海外だと見た目だけじゃ分からない料理もあるから、その国の料理は一度は食べてみたいって思います。でも、虫はさすがに駄目かな」
高見沢 「僕も好んでは食べないよ。見た目がちょっとね…。虫を食べなくても他のものを食べればいいしね。虫はやめようよ(笑)」
こんなに話しやすい方はなかなかいないよ(高見沢)
“アルフィー兄さん”の背中を見て追いかけようという気持ちです(長野)
――以前ゲストで登場された三宅健さんが、「高見沢さんは長野くんと合うと思う」とお話されたかと思いますが、いかがでしたか。
高見沢 「博識だよね。話しやすいし、投げればすぐに返ってくるし。こんなに話しやすい方はなかなかいないよ。やっぱり三宅くんが言っていた通りで、当たっていました。僕は興味があることはどんどん聞いちゃう方なのだけど、ここまで詳しいとは思わなかったです。長野くんとちゃんと話したのは、曲(※高見沢が20th Centuryに楽曲を提供した『旅立ちの鐘』)の打ち合わせの時だったよね?」
長野 「そうです」
高見沢 「ほかにはテレビ番組でお会いして、『こんにちは』ってあいさつするくらいだったので、たくさん話せて今日はすごくいい日でした」
――曲の打ち合わせでお話された際も、ここまでは話されなかった?
高見沢 「だってこんなに(長野が)詳しいなんて知らなかったよ。皆さんで喫茶店(※20th Centuryの坂本昌行、井ノ原快彦と共に、東京・神宮前で喫茶店をプロデュース)を出しているとは聞いていて、『飲食系がお好きなんだな』と感じてはいたけど、ここまでとは思わなかった。三宅くんから『長野くんはすごいですよ』と聞いて、『そんなにすごいなら、一度ゲストに来てもらっていろいろ教えてもらおう!』と思って(笑)。あと、三宅くんから『いろいろ長野くんに連れて行ってもらったけど、僕が遅刻して、長野くんに怒られた』という話も聞いていました(笑)」
――長野さんは想像をはるかに超える方でしたか?
高見沢 「想像をはるかに超えたよ。今日は本当にいい1日でした(笑)。すっぽんがこんなにおいしいとは思わなかったですし。今まで、鍋料理の中では率先してすっぽんを食べる方ではなかったんですよ。でも、京都のあのすっぽんの老舗って聞いたら、『絶対に行く!』ってなりますよ。だって、あの浜松の養鼈場のすっぽんが出てくるのでしょう。すっごくおいしいんですよ。ビックリしました」
長野 「とてもいいリアクションで食べてくださったから、ほっとしました(笑)」
高見沢 「根が正直で、演技ができないんで(笑)」
――長野さんから見た高見沢さんの印象は?
長野 「本当にお若いですよね。いつもキラキラしています」
高見沢 「衣装がでしょ!(笑)」
長野 「トニセン(20th Century)で、勝手に『アルフィー兄さん』と呼ばせていただいていますが、THE ALFEEさんの背中を見て追いかけようという気持ちでいます。それだけ偉大ですてきな先輩でいらっしゃるし、ずっと活躍されていると思います」
――高見沢さんが楽曲を提供された「旅立ちの鐘」を最初に聞いた感想はいかがでしたか。
長野 「最初にお話をさせていただいた時は、もっとロックな感じをイメージされていたんですよね?」
高見沢 「そうそう。でも甘い恋の歌がいいと言われて、そういうのを作ったら、またちょっと違う方向になって。その後、ドラマの主題歌になるって聞いて、最終的には180度変わりました」
長野 「卒業とか、旅立ちとか、別れとか、いろんな場面で長く歌い続けられる曲だと思います。一度聴いたら、すぐにメロディーが入ってくる。頭に残るメロディーの曲を作っていただき、ありがとうございました」
僕らTHE ALFEEと同じ50年もののお菓子を薦めようかな(高見沢)
九州で食べ歩きをした時に車で750km走りました(長野)
――話は変わりますが、おいしいものを食べるために、お二人が行った印象的な出来事はありますか。
高見沢 「兄がドイツに赴任していたことがあって、昔はよくドイツに行っていたんですよ。ベルリンの壁がある頃も行っていたし、壁が壊れた後の東ベルリンも行きました。ドイツ最古のレストランが東ベルリンにあるというのを本で読んだことがあって、その店を調べて行ったことはあります。だから、どうだった? という訳ではないんですが行きましたよ。海外に行くと、行動的になっちゃうよね。昔1980年代って、英・ロンドンレコーディングとか、海外レコーディングがはやった時があって。だから、海外に行く機会が多くて、そのついでに行ったりしていました。ベルリンでは、ゆでた牛肉が出てきたんですが、正直どこで食べても味は変わらなかったな…。でも、ここが最古の店なんだ! っていうのがあるから、そうなんだなと思って、すごく特徴がある店でもなかったけど食べました(笑)。後は、スペインのマドリードでは、アーネスト・ヘミングウェイ(※米出身の小説家)がよく行ったというレストランを訪れて、彼が座ったという席で食事をしたり…。あの店は子豚の丸焼きが有名だったけど、そういう歴史がある店によく行きましたね。海外に行った時はレンタカーを借りるんだけど、一時は日本より海外で運転する方が多かったかなぁ。ドイツなんてアウトバーンだから、あっという間に街に着いちゃうから。昔はそういう旅をしていました。楽しかったな」
長野 「僕は、2泊3日で九州で食べ歩きをした時に車で750km走りましたよ。福岡のお店で食事をして、次に熊本の店をナビで入れたら、走行距離に200kmと表示されていました(笑)」
高見沢 「え! 九州だけで750km? すっげーな!」
長野 「あとは、ロケで300年ものや500年ものの梅干しを持っていらっしゃる方にお会いしたんです。その方に、もう少し年数の浅い梅干しをお願いしたら、その方の仕込んだ50年ものの梅干しを出してくださって」
高見沢 「えっ! 50年もの? 俺らと同じ“アルフィーもの”じゃん!(笑)」
長野 「最初に50年ものの梅干しをいただいて、その後、300年、500年を味わったのですが『全部で850年分をいただいた!』と感動しました」
高見沢 「食えるんだ。味はどうだった?」
長野 「さすがにからっからなので、梅酢で少し戻してからちぎるようにいただくんですよ。もったいなくて、梅干しのかけらだけいただきました」
高見沢 「江戸時代よりもっと前の梅干しでしょう。素晴らしいね」
――今回は、長野さんが高見沢さんに椰子の白わらび餅をお土産で持参されましたが、もし高見沢さんが長野さんにお土産を渡すなら、何をご用意されますか?
高見沢 「えっ! 博士に? 難しいなぁ。長野くんほどのグルメを驚かせることなんてできないから、THE ALFEEのデビューと同じで74年に発売された三立製菓の『かにぱん』やブルボンの『ルマンド』とか、50年もののお菓子をお薦めしようかな。デビューした頃にルマンドを食べていた記憶があるのだけど、THE ALFEEと同じで50年続いているんだって。あとさ、イタリア・ベニスがティラミス発祥の地って知っていた? ベニスでは、いろんなところで自家製のティラミスを作っているの。それを食べていただきたいなぁ」
長野 「いいですね、発祥の地って」
高見沢 「ほかに、イカ墨パスタもベニスが発祥らしいよ。80年代だったかな、最初に訪れた時、店は覚えてないけど、『ベニスのイカ墨は食べても歯が黒くならない』と言われていて。『本当かよ』と思って、向こうに行った時に食べたの。その時は、イカ墨がちょっと赤っぽくて、真っ黒じゃなくて。本当に歯が黒くならなかったの。それで、日本に帰って来てから知り合いのイタリア料理店のシェフに『歯が黒くならなかったよ』と言ったら、シェフに『そんなことないじゃないですか! イカ墨は黒くなりますよ!』と言われ、ちょっと言い合いになったんだよ(笑)。でも、次にベニスに行ったら、その店はもうなくて、イカ墨パスタも黒くなっていた。なので、その店のイカ墨は何だったのだろうと思って。多分、赤ワインとか入れていて、それをイカ墨のパスタにしていたのかもしれないけど。昔、本で読んだだけですが、発祥の地はベニスなんだって。だからぜひ食べてほしいと思います。長野くん、良ければ今度コンサートも見に来てよ。ずっとやっていますから!」
長野 「ありがとうございます! ぜひ、伺います!」
――お話ありがとうございました! 収録中に漂うおいしい匂いに記者のおなかは鳴りっ放しでした。
【プロフィール】
高見沢俊彦(たかみざわ としひこ)
1954年4月17日生まれ。74年8月にTHE ALFEEとしてデビュー。デビュー50周年を迎えた今年、「THE ALFEE 50th Anniversary」を全国各地で開催中。
長野 博(ながの ひろし)
1972年10月9日生まれ。神奈川県出身。A型。20th Centuryで活動する傍ら、「よじごじDays」(テレ東)、「水野真紀の魔法のレストラン」(MBS)などに出演中。
【番組情報】
「高見沢俊彦の美味しい音楽 美しいメシ」
BS朝日
毎週金曜日 午後10:30~11:00
12月6日はゲストに曽我部恵一を迎える。13日は後10:00からの1時間スペシャル。ゲストは長野のほか、キュウソネコカミが登場。トークはもちろん、高見沢とセッションも繰り広げる。
取材・文/Mayu.O(テレビ朝日・BS朝日担当)
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