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新木優子「瑠李は、かなり情熱的で狙った獲物は逃さないタイプ」――「さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~」インタビュー2024/02/17

新木優子「瑠李は、かなり情熱的で狙った獲物は逃さないタイプ」――「さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~」インタビュー

 TBS系では連続ドラマ「さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~」が放送中。本作は、天才指揮者だったが、ある事件で家族も音楽も失った父・夏目俊平(西島秀俊)と、そんな父を拒絶し音楽を嫌う娘・響(芦田愛菜)が地方オーケストラを通して失った情熱を取り戻し、親子の絆と人生を再生させていくとびっきり“アパッシオナート”=情熱的なヒューマンドラマです。

 第5話では、倉科瑠李(新木優子)が俊平に狙いを定めて積極的なアプローチを開始! それが響と、夏目志帆(石田ゆり子)に思いを寄せる古谷悟史(玉山鉄二)の誤解を呼び波乱の展開に…。さらに、響と森大輝(宮沢氷魚)の間にもほのかな恋の兆しが!? 解散が近づく中、恋愛模様も気になる晴見フィルから、物語をかき乱す“魔性の女”・瑠李役の新木優子さんにお話を聞きました。

新木優子「瑠李は、かなり情熱的で狙った獲物は逃さないタイプ」――「さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~」インタビュー

――物語もいよいよ折り返し地点。前半の展開を振り返ってどんな感想をお持ちでしょうか。

「後半に向けて晴見フィルの音楽の厚みも増していっていますし、それぞれの人間模様がリアルで刺さるなと思っています。登場人物それぞれにとってのさまざまな悩みに、丁寧に焦点が当てられているなと。俊平と響の親子関係もリアルですよね。響の思春期の時のような両親に対する態度や、親に甘えづらくなった子どもの親との妙な距離感というか。今さら引くに引けなくなって反抗してしまう響を愛菜ちゃんがすてきに演じられていて、きっとそれは見ているどの世代の方も共感するんじゃないかと思います。家族みんなで見ながら『私にもこういう時があったな』とクスッと笑って一緒に温かい時間が持てるような、そんな前半戦が私はすごく好きです」

――数々のオーケストラを色恋沙汰でクビになってきた“魔性の女”・瑠李を演じていますが、ここまで演じてきていかがですか?

「個人的に、この作品の前の作品でもまた違った角度の魔性の女を演じていて(笑)。“魔性”にもいろんな色があるんだなと感じています。見てくださった方から『今回の役が一番好き』と言っていただくこともあってうれしいです。瑠李は、彼女のテーマ曲が“カルメン”というところでも分かるとおり、かなり情熱的で狙った獲物は逃さないタイプ。でも、陰ではしっかりフルートを練習していて、人には見せない努力をしているんです。そして恋愛面では、自分にその気がなくても相手が誘惑されてしまうような、不思議な魅力を持ったキャラクターでもあって。自分の思っていないところで違う方向に行ってしまう不器用なところも瑠李らしさだと思うし、愛らしいなと思っています」

――第4話以降、瑠李の俊平への恋心が動き出していますね。

「俊平さんはあまり瑠李のタイプではなさそうな男性ですよね。前のオーケストラでも、バチッと恋の火花が散った相手はホルン奏者で、ちょっと色気のある感じの男性でしたし。だから『まさかマエストロに…』っていう意外な組み合わせだと思いますが、その気持ちはすごく分かるというか。俊平さんは人間味にあふれていて無邪気、それでいて相手としっかり向き合ってその人の芯の部分を見てくれる。きっと瑠李の陰の努力も見てくれていると思うし、瑠李は俊平のそういうところをちゃんとくみ取って、しっかり恋に落ちているのかなと思います」

台本を読んでは泣いてを繰り返すくらい、人と人との絆が色濃く描かれていて

新木優子「瑠李は、かなり情熱的で狙った獲物は逃さないタイプ」――「さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~」インタビュー

――第5話では瑠李が俊平に仕掛けた積極的なアプローチから誤解が生まれ、響や古谷がかき乱される展開が描かれました。そして第6話では、瑠李のパーソナルな部分も描かれます。

「瑠李には“魔性の女”という肩書はありますが、なぜそうなったのか、瑠李って実はどんな人なんだろうというのが、特に第6話でかなりひも解かれていくので、楽しみにしていただきたいです。晴見フィルのみんなとの絆も深まり、瑠李の心情に一緒に寄り添っていくストーリーになっています」

――第6話以降、後半の見どころを教えてください。

「後半の台本は、私自身、読んでは泣いてを繰り返すくらい、人と人との絆が色濃く描かれていて。やっぱり人って1人では生きていけない。オーケストラと一緒で、1人ではその音しか出せないけれど、いろんな音が加わっていくことで全く別のハーモニーにもなるし、どんなハーモニーにも変えていける。不協和音かもしれないと思ったものが、実は心地よかったりもする。そういったところを皆さんにも感じ取っていただきたいなと思います」

――最後に、作品の魅力をどのように感じているかもお聞かせください。

「私は学生時代に吹奏楽部でトランペットをやっていたのですが、その時にも感じていた音を奏でる素晴らしさを、あらためてこの現場でも味わいながら楽しくやらせていただいていて。その温かい空気感も、見てくださる皆さんに伝わったらいいなと思います。そして、このドラマを見た人が『楽器をやってみたいな』と思ってくださるとうれしいですし、自分の中の新たな音色を奏でるきっかけになるような、後半のストーリーもすてきな物語になっていると思います」

新木優子「瑠李は、かなり情熱的で狙った獲物は逃さないタイプ」――「さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~」インタビュー

【プロフィール】

新木優子(あらき ゆうこ)
1993年12月15日生まれ。東京都出身。近年は、ドラマ「単身花日」「六本木クラス」(ともにテレビ朝日系)、「ガリレオ 禁断の魔術」(フジテレビ系)、映画「バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版」「劇場版 コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-」などに出演。

【番組情報】

「さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~」
TBS系
日曜 午後9:00~午後9:54

文/N・E(TBS担当)



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