「見てくださる方を最後まで飽きさせない魅力があります」――「グレイトギフト」主演の反町隆史が作品への思いを語る2024/02/01

　テレビ朝日系で放送中のドラマ「グレイトギフト」。「ラストマン-全盲の捜査官-」「マイファミリー」「TOKYO MER～走る緊急救命室～」（すべてTBS系）などを手掛けた脚本家・黒岩勉さんが、大学病院を舞台に描く完全オリジナルのサバイバル医療ミステリーだ。

　ある患者の不審死をきっかけに、うだつの上がらない病理医・藤巻達臣（反町隆史）が、完全犯罪の殺人を可能にする未知の殺人球菌“ギフト”を発見。院内の熾烈（しれつ）な権力争いだけでなく、“ギフト”によって巻き起こる謎の連続殺人の真相をめぐるスピーディーな展開がこれまで描かれてきた。

　そんな物語に、反町さんも「『え、こんな展開になっちゃうの!?』『この人が亡くなるの!?』といった衝撃的な出来事が続いていくので、ぐいぐいひき込まれました」と令和のヒットメーカー・黒岩さんが手掛ける台本を読んだ時のことを振り返る。「黒岩さんの話は一つ一つ丁寧に伏線を回収しているんですよね。『この内容ではこの話題を投げかけているけど、これはどうやって回収するんだろう』と疑問に思っていると、その次の話、あるいは次の次の話できちっとそこを描いて、うまくストーリーに着地させているのがとても素晴らしい台本ですね。僕が今まであまり出演したことのないテイストの作品でもあるので、クランクイン前から撮影が楽しみでした」と“黒岩脚本”への信頼もバッチリだ。

　本作の見どころは、物語のスピーディーな展開だけでなく、反町さん演じる主人公・藤巻のキャラクターだろう。病理医という“患者を直接診察しない医者”という役については「あまりなじみがない職業というのもあり想像できなかったので、ドラマの監修をしてくださっている先生に説明をしていただいたり、病理についての本を読んで役作りの準備をしました。病理医の仕事は、例えば亡くなった方の解剖をしたり、患者さんから採取した細胞を病理検査して、病気の原因や病名を診断するなどいろいろあるんですが、僕の勝手な印象では、死と向かい合わせの仕事だなと思いました。ある意味、本当に好きではないとできないですよね。だから、仕事への姿勢を理解することが役を作る上で重要だと感じたので、先生にはなぜ病理医になろうと思ったのかなどもお聞きしました」とこれまで演じたことのない役にも真摯（しんし）に向き合っているそう。

　反町さんのこれまでのイメージを覆し、一新するようなキャラクターとなっている藤巻については「人と話す時に相手の目を見ないとかちょっと変わったところがあるし、寡黙なキャラクターですが、病理という仕事に誇りを持って取り組んでいて、人を助けたいという気持ちが大きい人物です。自分とはあまり共通点はありませんが、仕事に対する真剣さや突き詰めていくスタイルには共感できます」とその魅力を語る。

　しかし、「藤巻の葛藤やつらさを表現しようと意識していますが、『このセリフをどう言おうか』とか『このシーンはどうやって演じようか』など、現場では悩むことが多いので、役者としてハードルが高い役ですね。なかなか一筋縄では芝居させてくれないなあと感じています。自分が考えてきたことと演出サイドで考えていることを現場ですり合わせるために、監督とはよく話をしながら丁寧に作っていっています」と役作りへの悩みも吐露。

　そんな本作は、ベテランから声優、芸人まで、多彩なキャストがドラマを彩っている。「人を助ける病院という場所にもかかわらず、偶然発見された“ギフト”という殺人球菌によって人が殺されてしまう極端な設定ですから、僕以外にも、皆さん悩みながら演じていらっしゃるでしょうけれど、特に（佐々木）蔵之介さんが演じている大学病院の教授役は複雑で難しいだろうなと思っています」と共演者をねぎらいながらもその言葉には熱い信頼がうかがえる。

　第1話では明鏡医科大学付属病院の理事長・奥野信二（坂東彌十郎）、第2話では藤巻と同じく病理医の伊集院薫（盛山晋太郎）が命を落とす衝撃的なラストが描かれた。「これまでにも医療ドラマは多くありましたが、本作はサスペンス要素の強いサバイバル医療ミステリーという、今まであまりなかったジャンルです。目が離せない展開で、見てくださる方を最後まで飽きさせない魅力がありますので、ぜひ楽しんでください」と今後の展開に期待を込めている。