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青色1号、待望の初単独ライブで「大きな追い風を吹かせたい」。結成7年目、「共通の趣味はない」3人が起こす旋風【ロングインタビュー前編】2023/06/02

青色1号、待望の初単独ライブで「大きな追い風を吹かせたい」。結成7年目、「共通の趣味はない」3人が起こす旋風【ロングインタビュー前編】

 2022年、「第43回ABCお笑いグランプリ」で決勝進出、「キングオブコント2022」では準決勝に進出し、勢いを見せるお笑いトリオ・青色1号。さらに昨年は、神奈川・相模原で開催されている「第7回サガミハラエッジ芸人バトル」で優勝。3人の演技力を十分に生かしたシンプルで飾らないコントを武器に、ライブシーンで存在感を放っているトリオです。

青色1号、待望の初単独ライブで「大きな追い風を吹かせたい」。結成7年目、「共通の趣味はない」3人が起こす旋風【ロングインタビュー前編】

 そんな青色1号が、6月17日に初の単独ライブ「ちょっとだけバカ」を開催することが決定! 結成7年目にして、待望の単独ライブとなります。「この単独ライブをきっかけに、大きな追い風を吹かせたい」と目を輝かせる上村典弘さん、榎本淳さん、仮屋想さんの3人に、今の心境をお聞きしました。

結成7年目、初めての挑戦

青色1号、待望の初単独ライブで「大きな追い風を吹かせたい」。結成7年目、「共通の趣味はない」3人が起こす旋風【ロングインタビュー前編】

――上村さんと榎本さんがコンビ「青色1号」として活動していた中、2017年に仮屋さんが加わり、トリオに。そこから結成7年目となりますが、初単独ライブの開催を決めた理由を教えてください。

上村 「ありがたいことにスタッフさんから『単独ライブをやってみませんか』というお話をいただいたので、『頑張ろう!』と開催を決めました」

榎本 「それが今年の2月、3月くらいです」

仮屋 「ずっと、いつかはやりたいと思っていました」

上村 「周りの芸人も『やった方がいい』と言ってくれていたんですけど、なかなか挑戦できずにいたんです。僕らだけではこれだけ大きな規模の単独ライブにチャレンジする勇気が出なかったのですが、『声をかけてくださる方がいるなら、頑張ろう!』と」

仮屋 「去年、同じ太田プロ所属のストレッチーズが初めて単独ライブをやったんです。『ツギクル芸人グランプリ2022』で優勝して、勢いのある中での開催でした。僕らに関しては、特に何も結果は残せていないですが、やります(笑)。頑張ります!」

――ライブのタイトル「ちょっとだけバカ」は、HIPHOPグループ・餓鬼レンジャーの曲名から取ったそうですね。

上村 「そうです! なんかいいなって思って。カチカチの、格好いい感じにしちゃうのはイマイチかなと。僕があの曲が好きで、ちょっと抜けた感じにしたかったんです。今後もラップの曲から取っていこうかなと思ってます」

青色1号、待望の初単独ライブで「大きな追い風を吹かせたい」。結成7年目、「共通の趣味はない」3人が起こす旋風【ロングインタビュー前編】

――本番まであと1カ月ほど。大きな挑戦を決めて、今はどんな心境ですか?(取材は5月中旬に実施)

榎本 「すごく楽しみです。でも、まだ固まってなくて…」

上村 「先に幕間VTRから作っている段階ですね」

仮屋 「ちょっとずつ。でも、マジで本当にちょっとです(笑)。6月に入ったら焦るのかな…」

上村 「僕はずっと焦ってます。ネタがまだ絞れていなくて。僕の中では、全然進んでないです」

榎本 「でも、単独ライブってそういうものというか。意外とみんなギリギリまで考えてるって聞くので、そういうもんなのかなとは思ってます」

上村 「もう1本はできていて。直前にバタバタするのは嫌なんで、早めに(ネタを)書こうかなと思ってはいますね」

榎本 「僕はネタを書かない分、道具を用意する担当なので、早めに必要なものだけ言ってくれたら(笑)」

――会場は東京・高円寺にある劇場「座・高円寺2」。キャパは約250~300席とのことです。

榎本 「この規模を埋めるのは初めてです」

上村 「まだ全然埋まってないです」

榎本 「元々、もうちょっと小さい会場でお話をいただいていたのですが、そこが取れなくて。『座・高円寺2が取れたので、やってみませんか』と声をかけていただきました。加えて、最初は1公演の予定だったのですが『せっかくなら2公演やりましょう』と背中を押していただいて、『はい、2公演頑張ります!』と」

上村 「結構大きな挑戦ですよね(笑)」

仮屋 「言われるがまま、どんどん大きくなってしまったような気も…」

榎本 「『いけるっしょ!』という思いはあるのですが、チケットがまだ余っているので、まだまだ来ていただきたいですね!」

「この単独ライブをきっかけに、大きな追い風を吹かせたい」

青色1号、待望の初単独ライブで「大きな追い風を吹かせたい」。結成7年目、「共通の趣味はない」3人が起こす旋風【ロングインタビュー前編】

――前回、今年1月放送の「土曜プレミアム『THE CONTE』」(フジテレビ系)への出演を機に取材をさせていただきましたが、その後、「ネタパレ」(同系)には3週連続で出演、さらに毎月開催されている事務所ライブ「月笑」では2月と4月に優勝。2023年、追い風が吹いているのではないかと思うのですが…。

榎本 「本当ですか?」

上村 「吹いてます?」

――手応えはありますか?

上村 「ここからかなと思いますね。いろんな賞レースが始まるので」

榎本 「スタートダッシュはよかったですね」

仮屋 「よかったです」

榎本 「でも、バトルライブなどでは全然負けちゃってるので。ここから追い風に乗りたいです」

仮屋 「この単独ライブをきっかけに、大きな追い風を吹かせたいです」

榎本 「お客さんにも『青色1号、いいぞ!』『今年の青色1号はいくぞ!』って思ってもらえるように。味方を増やして、今年の賞レースに挑みたいです」

青色1号、待望の初単独ライブで「大きな追い風を吹かせたい」。結成7年目、「共通の趣味はない」3人が起こす旋風【ロングインタビュー前編】

――あらためて、自分たちのネタの強みはどういうところだと考えていますか?

上村 「僕らは“強みがない”ところが良さなのかなって気がします。トリオって特に、キャラが面白い人が1人いたりすることが多いんですけど、それが決まってないのがいいのかなって。ネタもいろんなネタがあって、パターンも決まってないですし、“この人が毎回変なキャラで登場する”とかもないんです」

榎本 「バラバラな3人なんだけど、コントになるとそれぞれの役をしっかり演じるっていう。そういうトリオって意外とほかにいないなって思うし、そこが僕たちのいいところなのかなって思います」

仮屋 「三者三様です」

――では、トリオとしての強みに関してはどうですか?

仮屋 「それも、3人がバラバラってことですかね」

榎本 「将来は、3人ともが個人でちゃんと仕事を持って、ネタをやる時は結集して、しっかりお客さんを笑わせる。そういうふうになれたら格好いいですよね」

上村 「趣味もバラバラなんですよ」

榎本 「うん。同じ方向を向いてないというか」

仮屋 「向いてない?(笑)」

上村 「向いてはいますけど(笑)。でも、本当に違うんで。共通の趣味はないです」

――共通の話題ってあるんですか?

榎本・仮屋 「うーん…」

上村 「でも、結局は同期なんで。同期ライブの後、3人とも打ち上げに参加したり、同期の旅行に3人とも来たりします。太田プロの養成所の6期生なんですけど、同期みんな仲がいいですね」

榎本 「芸人って、コンビの2人とも、トリオの3人ともが同じ打ち上げに行くことって少ないんです。相方と一緒に遊ばない人って多いんですけど、僕たちは打ち上げや旅行に3人ともいます(笑)」

上村 「あんまりいないですね。みんな、相方が飲み会にいると嫌がるんですよ。3人だけで飲みに行くことはないですけど、大勢での飲み会に3人ともいることはよくあります。トリオでは珍しいかもしれないです(笑)」

――仲がいいんですね。

仮屋 「仲がいいというか…」

上村 「嫌い合ってはないかなって感じですかね。(突然、榎本さんの方を向いて)お前のことは嫌いだけどな!!」

榎本 「やば!! すごい顔近かったけど何!?(笑)」

初の準決勝で感じた手応え「決勝も夢じゃないかも」

青色1号、待望の初単独ライブで「大きな追い風を吹かせたい」。結成7年目、「共通の趣味はない」3人が起こす旋風【ロングインタビュー前編】

――今年の「キングオブコント」のエントリーも開始しました。

仮屋 「始まりましたね~」

上村 「正直、今はまだ準備が万全とは言えません。本当に、この単独ライブ次第だなと思っています。こんなタイミングで単独ライブをやるのも初めての経験なので、ネタ作りも難しいですね。でも、なんとかなるでしょう。なんとかします!!」

仮屋 「去年やった面接のネタも、これくらいの時期にできたんです」

榎本 「ほかの芸人からも、強いネタって、結構ギリギリにできたって聞くことが多いんです。これから頑張るしかないです!」

――面接のネタは、「THE CONTE」でも披露していましたね。当初から手応えがあったネタだったのですか?

上村 「いや、めちゃくちゃ弱かったです。本当は去年の『ABCお笑いグランプリ』でかけたネタをやるつもりだったんですけど、『ABC』でめっちゃスベっちゃったんで、もうあれしかなくて。あの1本を詰めていきました」

榎本 「ネタ見せで『ほかにないの?』と言われて。『じゃあ、あれやるか』って急きょやったら、ちょっと反応があって…という感じでした」

上村 「でも、僕は書きながら『なんかこれ、キングオブコントっぽいな』とは思ってたんですよ。僕、あんまり好きじゃないんですけどね。後半盛り上げる感じがわざとらしくて(笑)。『キングオブコント』の準々決勝にはハマったかなと思います」

青色1号、待望の初単独ライブで「大きな追い風を吹かせたい」。結成7年目、「共通の趣味はない」3人が起こす旋風【ロングインタビュー前編】

――「キングオブコント」に挑戦する中で、印象に残っている年について教えてください。

上村 「印象に残っているのはやっぱり去年です。初めて準決勝にいけて、『決勝も夢じゃないかも』と感じたのも去年でした。一昨年は2回戦で落ちたので、思い出したくないですね…」

仮屋 「2年連続、2回戦で敗退してしまいました。最初、トリオを組みたての時に準々決勝にいけて。2018年、19年と2年連続で準々決勝にいけたんですけど、20年、21年は2年連続、2回戦で落ちました」

榎本 「『キングオブコント』って、コロナ前は、出ている芸人みんなで楽屋のモニターでネタを見てたんです。有名な人も有名じゃない人も関係なく、みんなで見て、みんなで笑って。いろんな事務所の芸人がいて、売れてる人もいれば、売れてない人もいる中、『あの人面白いな』とかわいわいしゃべりながら見るのが楽しかったです。でもその後、自分たちの出番が来て、めっちゃスベって(笑)。結構自信があるネタをやったんですけど、全然ハマらなかったんですよ。しかも仮屋がサングラスを外して怒るっていうくだりがあったんですけど、スベりすぎて、仮屋はサングラス外すの忘れるし(笑)」

上村 「ミスも多かったですね…」

仮屋 「僕が上ちゃん(上村)に髪をつかまれるネタがあるんですけど、去年は『キングオブコント用に派手にしよう』って、僕の体に電飾を付けるというくだりを足したんです。そしたら電飾が光らないっていうトラブルが起きて。電飾を光らせるためのモバイルバッテリーを付けてたんですけど、髪を引っ張られた時にコードが抜けちゃって、光が消えてしまって…。本当は真っ暗な中ピカピカ光って、榎本たちが『わー、きれーい』って言って終わるオチだったんですけど、真っ暗な状態で、榎本が『わー、きれーい』って言って終わりました」

上村 「対応力ゼロ(笑)」

榎本 「きっかけとかあるから! 変に変えたら、スタッフの人が混乱するかなって思って!」

仮屋 「『なんて言うのかな』って思ってたら、セリフそのままでした。上ちゃんは『わー、奇麗だった』って言ってました」

上村 「あんなのどうしたってもう落ちるんだから、セリフも変えりゃいいのに」

仮屋 「何が奇麗なんだよ(笑)。そういうトラブルを経験して、『準決勝ってそういうことじゃないな』って思いましたね」

榎本 「小道具なんか使って。小ざかしいことをしちゃいました」

仮屋 「榎本が必死に電飾をつないで作ってくれたけど」

榎本 「作りましたよ。前日の深夜に」

仮屋 「結局それも半分しか光らなかったし。でも、いい経験にはなりましたね」

上村 「そういう失敗も含めて、場数は踏めているかなと思います。僕は去年の準決勝でのビスケットブラザーズさんのオーラが印象的でした。貫禄がすごくて、1ミリもビビってない感じで。『優勝するんだろうな』と思わせるパワーがあったし、『僕らもこうじゃなきゃダメだな』って痛感しました」

榎本 「その日の出番順が、僕らの前が最高の人間さんで、僕らの後がビスケットブラザーズさんだったんですよ。僕らが準備している時に、野犬のネタの格好をしたビスブラさんが舞台袖に来て、確認とかしてて。その時点で面白いし、『何をするんだろう!?』って思わされたんです」

上村 「やっぱりチャンピオンになる人は、雰囲気がありましたね」

 インタビュー後編はこちら:https://www.tvguide.or.jp/feature/feature-2232833/

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【プロフィール】

青色1号(あおいろいちごう)
上村典弘(1990年6月7日生まれ、東京都足立区出身)、榎本淳(1992年5月29日生まれ、神奈川県相模原市出身)、仮屋想(1991年7月17日生まれ、福岡県出身)が、2014年、太田プロダクションの養成所「太田プロエンタテイメント学院」の6期生としてともに入学。上村と榎本がコンビ「青色1号」として活動していた中、17年に仮屋が加わり、トリオ「青色1号」を結成。22年、「第43回ABCお笑いグランプリ」決勝進出、「キングオブコント2022」準決勝進出、「第7回サガミハラエッジ芸人バトル」優勝。音声配信アプリ「stand.fm」にて、ネットラジオ「青色1号 NEWごめんあそばせ」が配信中。

【公演情報】

青色1号初単独ライブ「ちょっとだけバカ」
日時:2023年6月17日(土)
・15時の部 14:30開場/15:00開演/16:30終演予定
・19時の部 18:30開場/19:00開演/20:30終演予定
会場:座・高円寺2(東京都杉並区高円寺北2-1-2)
来場料金:前売2800円/当日3000円(全席指定)

取材・文/宮下毬菜 撮影/尾崎篤志



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