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男性ブランコが紡ぎ出す「自分たちにしかできないこと」。大事にしている、2人の中の価値観【ロングインタビュー後編】2023/05/02

男性ブランコが紡ぎ出す「自分たちにしかできないこと」。大事にしている、2人の中の価値観【ロングインタビュー後編】

 5月10日~14日に神奈川・横浜赤レンガ倉庫1号館ホール、5月25日、26日に京都府立文化芸術会館ホールにて、全11公演のコントライブ「やってみたいことがあるのだけれど」を開催する男性ブランコ。インタビュー後編では、浦井のりひろさん、平井まさあきさんに、今の野望や、2人の中で大事にしていることについて語ってもらった。(前編はこちら:https://www.tvguide.or.jp/feature/feature-2186805

どうしても出たかった、Eテレの「生きものさんいらっしゃい!」

男性ブランコが紡ぎ出す「自分たちにしかできないこと」。大事にしている、2人の中の価値観【ロングインタビュー後編】

――昨年2月の取材にて、平井さんから「Eテレで5分間の番組がやりたい」と夢を語っていただきましたが、今年の3月31日に「生きものさんいらっしゃい!」という特番でNHK Eテレに出演されましたね。

平井 「ホンマにうれしかったです。オファーをいただいた時点で結構スケジュールもタイトだったんですけど、『どうしても出たいです!!』ってお願いして」

浦井 「収録日が『M-1ツアースペシャル2023』の高知公演と重なってたんで、最初は『これちょっと厳しいですね』って話だったんですけど、『なんとかできませんか』って。初めてくらいちゃう? スケジュールでゴネたの」

平井 「今までそんなの言ったことなかったんですけど、『なんとかうまいことできませんか』ってお願いして、調整していただいて。あんまり言ったことないよね、先にライブが入ってたら、後からオファーをいただいても『先に決まってたからしゃーないな』ってなるんですけど」

浦井 「これまではそうでしたね。出順に関して何かを言ったこともほぼほぼないんですけど、『M-1ツアー』は2公演目をトップ出番にしてもらって、終わり次第すぐ飛び出して、飛行機乗って。なんとか収録に間に合うようにしていただきました」

――それくらい、優先したい番組だったんですね。

浦井 「『せっかくお話が来てるなら、どうしても出たい』と言って」

平井 「番組自体もすごく面白くて。ヤナギが出す“おしゃべり物質”や、カメノコテントウの相利共生について説明させてもらったんですけど、僕も全然知らなかった知識が満載で、めちゃくちゃ興味深かったです。今度はできれば特番じゃなくて、レギュラーで『生き物5分番組』みたいな形でEテレに出演できたら最高やなって思います」

浦井 「Eテレで何かできるって本当にすごいことだと思うんで、またぜひやりたいですね。僕としては、ガンプラの5分番組とかもできたらうれしいです(笑)」

平井 「生き物以外でも、コントでもトークでも、“男性ブランコ枠”みたいな感じで、案を出し合いながらやりたいなって。今回『生きものさんいらっしゃい!』に出演させていただいたことで、そういう夢が広がりましたね」

男性ブランコが紡ぎ出す「自分たちにしかできないこと」。大事にしている、2人の中の価値観【ロングインタビュー後編】

――「キングオブコント優勝」や「全国ツアー開催」はずっと目標として掲げていらっしゃると思いますが、近年「キングオブコント」や「M-1グランプリ」での躍進があったからこそ、新たに生まれた野望はありますか。

平井 「僕は、新たな野望というわけでもないんですけど、やっぱり去年『トワイライト水族館』という水族館を舞台にした配信ライブができたことが大きくて。そういうことはほかに誰もやってないですし。配信コントライブになるのか、まだ見せ方は分からないんですけど、今度は博物館でやりたいですね。単独ライブとはまた違う、その場所でしかできないようなことをしてみたいなと。その場所を生かしてお笑いの表現的なことをするというのは、自分たちにしかできないことなのかなと思います」

――具体的に、「ここでやってみたい」と考えている博物館はありますか?

平井 「うわぁ~。夢は大きく、スミソニアン博物館、大英博物館! そこでやれたら最高ですね。あとはやっぱり、大阪の万博記念公園にある国立民族学博物館もいいですし。むちゃくちゃでかいんですよ。東京だったら、上野の国立科学博物館もいいですよね。あとうわさに聞いたのが、茨城県のつくば市が最強らしいんです。『筑波研究学園都市』といって、つくば市にはいろんな大学や研究機関が集まっているんですけど、そこに日本で一番すごい博物館があるらしくて。規模がとんでもないとうわさで聞いたんです」

浦井 「上野博物館(国立科学博物館)ですら、見るのに1日かかるのに」

平井 「研究がメインで、一般人が入るようなところじゃないんかもしれないし、アカデミックすぎるかもしれないんですけど。1回見て『これは無理だ』と思ったら引き下がりますけど、『いける!』ってなったらやりたいです。そんな博物館でできたら、めちゃくちゃおもろそうやなって。各都市、面白い場所が結構あるんですよ。美術館とかもいいなって思います」

――浦井さんはいかがですか?

浦井 「劇場でお笑いライブをするのも、劇場じゃない場所で映像コントを撮るのも、どちらも今後もやっていきたいというのはもちろんなんですけど、それ以外だと他媒体というか。音声だけとか、それこそアニメとか、自分たちではあるんだけど、発信するものが違うというところに挑戦するのも面白そうだなと思いますね。自分の肉体を離れて、感情を乗せたり表現をしたりするのが楽しそうだなって」

平井 「なるほど~。それはおもろそうやな」

2人の中で、大事にしている価値観

男性ブランコが紡ぎ出す「自分たちにしかできないこと」。大事にしている、2人の中の価値観【ロングインタビュー後編】

――お二人の中で大事にしていることや、ルールがあれば教えてください。

浦井 「最近話したのは、『無理だと思ったお仕事はやめておく』。もちろん『やってみるか!』っていう時もあるんですけど…」

平井 「そうですね、それは本当にもう、仕事を失ってもいいので言おうと。いや、失ったら良くはないですし、ホンマに、ホンマにお仕事をいただけるのはありがたいですけど、『ちょっとこれ、今はキツいです…』っていうのはお互いちゃんと言うよな。『ちょっと俺、これやめときたいわ…』って」

浦井 「『OK、じゃあやめよう』って。2人ともが乗り気じゃないと、というのはありますね」

平井 「今のところないパターンですけど、『俺は出たい』、でも片方が『俺はちょっとやめときたい』だったら、たぶんお互い説得するか、『そこまで言うならやろうか』になると思うんですよ。頑なに断ることはしないですかね。浦井に委ねるパターンもあります。『任せるわ』って(笑)」

浦井 「それが一番迷うんですけどね。『果たしてこれは…』って(笑)」

平井 「でもそういう時って、もしかしたらもっと適任者がいるかもしれないなって思ったりとかもしますね。あまりにも僕らである必要性がなさすぎたら、結果としてあんまりいいものにならないんじゃないかとか。『僕らには難しいかも…』って思う場合だとしても、先方の方の熱意があったりとか、思いを伝えてくださったりした時は、『そこまで言ってくださるなら挑戦してみようかな』という気持ちになりますし。やっぱり全部やりすぎてしまうと、パンクして、もう何もできなくなっちゃうので」

浦井 「あとこないだ話したのは、『休みを取ろう!』って」

平井 「あ~、そうね(笑)。でも僕正直、そんなになくても大丈夫だったんですよ。ただ休みがあった時に、『あ、ええわ!』って(笑)」

浦井 「いざ休んでみたら、良かったよな」

平井 「だから浦井から『ここ休ませて』って言われても、『全然いいよ』って。休むのが悪いことだっていう考え方はやめようと。休みたい時に休もうと」

浦井 「平均のパフォーマンスが下がる気がして。メリハリをつけて、休む時は休むことで、次の日からまたギアを上げられるなという気がします。3月に、平井が今田(耕司)さんの舞台『正偽の芸能プロダクション』に1人で出たんですけど、僕5日間くらい休みがあって。遠慮なく、思いっきり休みました(笑)。その期間、ライブ打とうかとか、ソロで何かやろうかって一瞬よぎったんですけど、『休もう!』って。『こんな連休もうないぞ!!』って」

平井 「絶対、休んで良かったと思う。連休ってマジでないもんね。もちろん、お仕事があることはめちゃくちゃありがたいんですけどね」

浦井 「それがもう大前提です。大前提でありがたいことです」

平井 「うん。それは大前提で、お互い遠慮せずにいようと。休みたいと思ったら、お互い言うようにしてますね」

男性ブランコおすすめの、横浜&京都のおすすめスポット

男性ブランコが紡ぎ出す「自分たちにしかできないこと」。大事にしている、2人の中の価値観【ロングインタビュー後編】

――今回の単独ライブ「やってみたいことがあるのだけれど」が横浜と京都で開催ということで、横浜や京都のおすすめスポットや、思い出の場所があればお聞きしたいです。

平井 「横浜の赤レンガ倉庫は、1回ぼる塾と行ったやんな。最近リニューアルしたんでもしかしたらお店も変わってるかもしれないんですけど、奥の方の喫茶店に行って。あとは、近くに横浜中華街もありますね。中華街に、お粥さんのめっちゃうまいお店があるんですよ。中華粥って僕初めて食べたんですけど、めっちゃうまかったです。昔は、『ヨコハマおもしろ水族館』っていうのがあったんですけどね。吉本が中華街でやってる水族館で、上京したての時に行ったんですけど、面白かったんですよ。でもなくなっちゃいました。あとは、みなとみらいの山下公園。その公園の向かい側に倉庫がたくさんあるんですけど、その倉庫の一角で、12時間草を結ぶっていうバイトをしてました」

浦井 「12時間? すごいバイトしてる(笑)」

平井 「草を結んで、5キロ積み上げるんですよ。むっちゃ固い草で、1万円札の原料なんですけど、それを結んで塊にしてました。めちゃくちゃ重かったです」

――浦井さんは京都出身ですが、いかがですか?

浦井 「会場の京都府立文化芸術会館が、出町柳とか丸太町から行けるんですよね」

平井 「俺、あんまり詳しくないなぁ。同志社大学があるとこ?」

浦井 「同志社もありますね。今出川キャンパスっていう」

平井 「クローバーホールとかあるとこ?」

浦井 「あるあるある」

平井 「あ~、僕じゃあ何回か行ってるわ。浦井のアカペラのライブ見に行きました。クローバーホールでやってたよね?」

浦井 「そう、クローバーホールでやってた。大学は違うんですけど、サークルだけ同志社のアカペラサークルに所属してたんです。一時期、自分の大学より同志社の方がよく通ってました。あとはそのあたりでいうと、新風館っていういろんなちっちゃいお店が集まってるところもよく行きましたね」

――新風館、2016年に閉館したのですが、20年にリニューアルオープンしたそうです。

平井 「あ~! 中庭的なのがある?」

浦井 「そうそう。リニューアルしたんですね」

平井 「あったなぁ~」

浦井 「京都の好きな場所、ほかにもマジでいろいろあるなぁ。キャピタル東洋亭っていうお店のハンバーグがおいしいんですよ。前菜の、トマトを丸ごと使ったトマトサラダがおいしすぎて。あれで僕、トマト嫌いが直ったんです。新大阪にもお店があるんですけど、めっちゃ好きですね」

平井 「へぇ~。新大阪にもあるんだ。行ってみよう」

浦井 「京都の会場からもうちょっと北に行ったところに本店があるんですけど、一軒家みたいな感じで。めっちゃおしゃれなんで、おすすめです」

男性ブランコが紡ぎ出す「自分たちにしかできないこと」。大事にしている、2人の中の価値観【ロングインタビュー後編】

――ありがとうございます。では最後に、横浜公演の最終日、5月14日が母の日ということで、お母さんやご家族にまつわるエピソードをお聞きできたらと思います。

浦井 「うちは、ずっと母と妹が東京まで単独ライブを見に来てくれていて。妹が双子なんですけど、母親と3人で東京旅行来て、単独ライブ見て、次の日は観光して帰るというのがルーティンになってますね。だんだん観光の方がメインになってるみたいですけど(笑)。『新幹線とホテルのセットで、新宿のホテルにめっちゃ安く泊まれた!』って次の日に連絡来たりとか。いつもめちゃくちゃ楽しんでますね(笑)。前は『浅草でめっちゃレアなスター・ウォーズのフィギュア見つけた!』って喜んでました。ただ今回は京都公演もあるので、来るとしたら京都かもしれないですね」

平井 「そうやな~。うちはばあちゃんもいるんで、オカンもなかなか東京には来れないんですよ。今回も聞いてはみますけど、京都も遠出にはなっちゃうんで、ちょっと難しいかなって。配信で見てもらおうかなという感じですかね」

浦井 「見れる媒体があるかしら」

平井 「一応ね、スマホがあるかな」

浦井 「FANY難しいからなぁ…。できるかなぁ…」

平井 「FANYなぁ…。ムズいかなぁ…」

浦井 「会員登録とかもしないといけないですからね」

平井 「そうやなー…。できるかなぁ…。テレビとかは結構チェックしてくれてるんですよ。めっちゃ見てくれてるんですけど、前に言われたことがあって。『一つだけ。これだけ言わせてもらうけども、ラヴィット!とかで時々見受けられる、こなれ感。あれはやめた方がいい』って(笑)」

浦井 「え~? 出てるかなぁ? 毎回めっちゃ頑張ってるつもりなんやけど…(笑)」

平井 「わりと緊張していつも出てんのになぁ、って思いつつ(笑)。『分かった、気をつけるわ』って。でもたぶんね、そんなこと言うつもりじゃなくて、単純に言葉選びのミスだと思います(笑)。『親として、息子に何か言ってあげたい』っていう優しさだと思います」

浦井 「探して探しての、こなれ感やったんや。でも服に言うやつやん、こなれ感は(笑)」

平井 「ブランドもんばっかり着て、とかね(笑)」

男性ブランコが紡ぎ出す「自分たちにしかできないこと」。大事にしている、2人の中の価値観【ロングインタビュー後編】
男性ブランコが紡ぎ出す「自分たちにしかできないこと」。大事にしている、2人の中の価値観【ロングインタビュー後編】
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男性ブランコが紡ぎ出す「自分たちにしかできないこと」。大事にしている、2人の中の価値観【ロングインタビュー後編】

【プロフィール】

男性ブランコ(だんせいぶらんこ)
浦井のりひろ(1987年12月3日生まれ、京都府京都市伏見区出身)と、平井まさあき(1987年8月1日生まれ、兵庫県豊岡市出身)が別々の演劇サークルで出会い、その後ともに大阪NSC33期生として入学。2011年、コンビ結成。16年より、活動拠点を大阪から東京に。「キングオブコント2021」準優勝、「M-1グランプリ2022」決勝進出。23年5月10日~14日に神奈川・横浜赤レンガ倉庫1号館ホール、5月25日、26日に京都府立文化芸術会館ホールにて、全11公演のコントライブ「やってみたいことがあるのだけれど」を開催。オンラインチケットが発売予定。

【公演情報】

男性ブランコのコントライブ「やってみたいことがあるのだけれど」

■横浜公演
会場:横浜赤レンガ倉庫1号館 3階ホール(〒231-0001 神奈川県横浜市中区新港1-1-1)
5月10日(水)①18:30開場/19:00開演
5月11日(木)②13:00開場/13:30開演 ③18:30開場/19:00開演
5月12日(金)④18:30開場/19:00開演
5月13日(土)⑤13:00開場/13:30開演 ⑥18:30開場/19:00開演
5月14日(日)⑦13:00開場/13:30開演

■京都公演
会場:京都府立文化芸術会館(〒602-0858 京都市上京区寺町通広小路下ル東桜町1番地)
5月25日(木)①13:00開場/13:30開演 ②18:30開場/19:00開演
5月26日(金)③12:00開場/12:30開演 ④17:30開場/18:00開演

※公演収録映像のアーカイブ配信となる、オンラインチケットを販売予定

【プレゼント】

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【締切】2023年5月29日(月)正午

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取材・文/宮下毬菜 撮影/尾崎篤志



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