吉村崇が人気商品“アレ”と“イマ”を深掘り! 山田文裕プロデューサー「世代を超えて楽しんで」2025/07/03 12:00

今では誰もが知る人気商品や生活必需品として欠かすことのできない製品には、知られざる意外なルーツがあった!?
昭和・平成のヒットアイテム=“アレ”と令和=“イマ”をつなぐストーリーを深掘りする、HBC北海道放送制作「先駆け!アーレーイーマー~アレがあるからイマがある~」が7月13日にTBS系で放送。HBCの山田文裕プロデューサーに、番組の見どころやポイント、企画に込められた思いを聞いた。
昨年の手応えを受けて、さらにブラッシュアップ!

――平成ノブシコブシ・吉村崇さんと令和ロマン・松井ケムリさんがMCを務め、いとうせいこうさんと大久保佳代子さん、みりちゃむさんといった各世代を代表するパネラーが、昭和・平成の“アレ”が令和の“イマ”に通用するのか、“アレ”は“イマ”どんな進化を遂げているのかなど深掘りしていく「先駆け!アーレーイーマー~アレがあるからイマがある~」。まずは企画の意図からお聞かせください。
「HBCが年に3回、全国のTBS系列28局に向けて放送する機会がありまして、昨年の7月には今回とほぼ同じ座組で『スマホがない時、どうしていたの?』という番組を制作したんですけど、それを受けての企画となります」
――各ローカル局が企画・制作した番組を東京局がネットする、いわゆる“上りネット”の枠。「スマホがない時、どうしていたの?」はどんな番組だったのですか?
「タイトルのとおり、検索や地図機能などが便利なスマートフォンがなかった主に昭和の世代は、“遠距離恋愛をする時”“チケットを買う時”など、それぞれどうしていたのか振り返る番組で、今回も昨年と同様、日曜日の午後3時30分~4時24分という放送枠ですから、全世代が共感できる、ご家族で楽しめる番組作りを心掛けました」
――昨年の手応えを受けて制作されたなかでブラッシュアップした部分は?
「昨年の“スマホ”に加え、夏の風物詩である“アイス”、お子さんには新鮮に映り大人には懐かしい“おもちゃ”の昔と今を比べるとともに、開発者の方々やメーカーさんが試行錯誤の末に生み出したヒットアイテムの歴史や舞台裏も深掘りしています。“スマホ”では、1台でいろんなことができるスマホを究極の家電と考え、かつて存在したひげ剃りとドライヤーを合体させた“ひげドラ”など、昭和・平成の合体家電なども紹介。“アレがあるからイマがある”ということで、“アーレーイーマー”という言葉も作りました」
“あれ? これじゃないよね”となって、番組タイトル変更
――タイトルに込めた思いはありますか?
「“おもちゃ”はモーラーやファービー、チクタクバンバン、ホッピングといった最近復刻された商品に注目して紹介していますが、リサーチをするなかで“ヒットアイテムには必ず原点があって、それが今の時代にどう生きているのかな?”という切り口が見えてきました。それで最初は“復刻=リバイバル”に特化したタイトルが付けられていたところ、途中で“あれ? これじゃないよね”となって『先駆け!アーレーイーマー』に変更しました」

――昨年のスマホにアイス、おもちゃが加わり、柱が三つに増えたことでリサーチには苦労されたと想像します。
「幸い『スマホがない時~』の放送後すぐに、準備に取りかかれましたし、例えば“アイス”であればアイス研究家の方々にブレーンとして入っていただいき、作家も含めてネタ出しをしていだだきました。ご協力いただいた企業さまのご厚意のもと、あずきバーをはじめとする懐かしのアイスがたくさん登場しますので、楽しみにしていただきたいです」
チクタクバンバンで、乃木坂46・菅原美月の才能が開花!?

――番組ではロケパートも。乃木坂46の菅原美月さんと一ノ瀬美空さん、平成ノブシコブシ・徳井健太さんが、先ほどおっしゃったおもちゃを体験します。
「3人には、実際にリバイバルされたおもちゃで遊んでいただいて、どう進化したのかを体感してもらいつつ、令和の時代の子どもたちも引き付ける魅力に迫ります。とりわけリアクションの数が大幅に増したうえにさまざまな機能が追加されたファービー、もはやそれをホッピングと呼んでいいのか分からないくらい、エクストリーム系スポーツとして進化した最新のホッピング『Vurtego(バーテゴ)』には驚くと思います」
――実際に体験、チャレンジされた乃木坂のお二人、徳井さんはどんな様子でしたか?
「進化型ホッピングには、徳井さんが果敢にも挑んでくださいましたし、乃木坂のお二人もチクタクバンバンを楽しんでいました。徳井さんとチクタクバンバンで対戦した菅原さんは知られざる才能が開花。いわく『このゲームの選手権があったら出たい!』というくらいご本人も熱くなっていました(笑)。対戦自体も名勝負となっていますので、放送をお待ちください」
――三つ目の柱となる“スマホ”では、昭和・平成世代には懐かしい合体家電も紹介されるとのこと。
「私は物心ついた時には当たり前にラジカセがあった世代ですが(※山田Pは1977年生まれ)、よくよく考えたらあれもラジオとカセットレコーダーの合体家電だったんだなと、改めて思わされましたし、世の中にないものを作ろうとするトライアルな時代のよさも取材を通じて感じました」
――日曜の午後にはちょうどいい、カジュアルな“プロジェクトX”といった側面もありそうですね。
「当時の開発者の方々やメーカーさんの努力も知っていただけると思います。試行錯誤するなか完成した合体家電のなかには、“今これがあったら便利だよね!”という製品もあれば“なんでこんなものを作っちゃったの!?”と思わず目を疑う製品もありますので(笑)、硬い面・やわらかい面、どちらも楽しみにしてください」
内容がギュッと詰まった、子どもからお年寄りまで楽しめる番組

――そうした“アーレーイーマー”についてワイワイ語り合うのが、60代のいとうさん、50代の大久保さん、40代の吉村さん、30代のケムリさん、20代のみりちゃむさん。
「令和世代の若者と昭和・平成世代のベテランが二つに分かれている番組はよく見ますが、出演者さんが20代から60代まで10年ごとに分かれているので、皆さんの言っているニュアンスがそれぞれ違って面白かったです。ただ、私は吉村さんと同世代なので、どうしてもそこがセンターになりがちです。そのため作家にも20代の若手を入れて“知っているか、知らないか”ジャッジしてもらうなど、どの世代も楽しんでいただけるよう注意しました。昭和・平成と令和、どちらがよかったとか不便だったとか、そうした比較にはしないよう作ったつもりです」
――お茶の間でちゃぶ台を囲みながら語り合う、年の差40歳の5人が古きよき時代の一家団らんを思わせます。
「古民家をお借りして撮影したのですが、演者さんの後ろには山下メロさんという昭和・平成の風俗・文化を研究する方からお借りしたレトログッズが並んでいます。『あれ知ってる?』『フラワーロックと言うんだよ』など、ご家族の会話のきっかけになってくれたらうれしいです」

――最後に、視聴者にメッセージをお願いします。
「番組をご覧になる皆さんも、年代によっていろんなことを思い出したり想像したりできると思いますし、小さなお子さんから10~20代の若者、お父さんお母さん、お年寄りも楽しめるよう作りました。私はテレビが大好きで、テレビとは本来そうした家族をつなぐ存在だと思っていますので、ぜひ楽しんでいただきたいです」
――気は早いですが、「先駆け!アーレーイーマー」の続編も楽しみにしています。
「今回番組を見た企業さまから“うちで復刻していいよ”“限定で復刻しよう”と言っていただけるのであれば、まだまだテレビには力があるなと思えますし、作ってよかったと思います。1時間弱の放送枠内にはすべてのネタが入りきらなかったので、取捨選択には頭を悩ませましたが、内容がギュッと詰まった、世代を超えて楽しめる番組。ご家族揃って、ぜひご覧ください」
【プロフィール】
山田 文裕(やまだ ふみひろ)
北海道生まれ。HBC北海道放送 コンテンツ制作センター 情報制作部 プロデューサー。
北海道大学工学部卒業後、北海道大学大学院を修了、2003年4月に北海道放送に入社。
テレビ制作部、東京支社テレビ営業部などを経て、2022年7月より現職。これまで「今日ドキッ!」や「知らなくて委員会」、「ジンギス談」、「全国ボロいい宿」、スペシャルドラマ「三笠のキングと、あと数人」などを手がけた。
【番組情報】
「先駆け!アーレーイーマー」
TBS系(北海道放送制作)
7月13日 午後3:30~4:24
取材・文/橋本達典
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