DRAMA ADDICT「インターホンが鳴るとき」2023/12/14

記者会見情報

BSテレ東ほかで放送の連続ドラマ「インターホンが鳴るとき」の制作発表記者会見が行われ、出演する土村芳、堀井新太、古屋呂敏の3人が登壇した。同作は、普通の主婦が夫の不倫相手を次々と排除していく令和の不倫ドラマ。「人はなぜ不倫をテーマにしたドラマにひかれるのか」という記者からの質問に対し、土村は「恋愛の在り方の選択肢が広がってきていることで、あらためて考えさせられる」と話し、堀井は「壊れていくさまは見ていて気持ちがいいのかも。自分ではできないからこその面白みがあるのでは」と鋭い考察を披露した。さらに、古屋は 「不倫は絶対悪」と前置きした上で、「今回、結花を含めた6人の女性と向き合った際に、どこかで肯定してしまう部分があった。そういう矛盾にひかれてしまうのかも」と分析し、タブーとも言える不倫への三者三様の考え方がうかがえる会見となった。

覚悟を持って演じなければいけないと思いました（土村芳／田中結花）

私はまだ結婚もしていないですし、子どももいないですけど、自分が信じている日常や世界がある日突然崩れてしまうのは相当のことだと思います。そこから、自分では気付いていなかった新たな一面を知って、結花の変化であったり成長であったりを全体を通して表現することが、演じる上で大切になってくるだろうなという印象を受けました。結花は、私だったら選ばない選択をする女性なので、覚悟を持って演じなければいけないと思いました。不倫相手と対峙（たいじ）していくことで、結花が少しずつ変わっていくんです。今まで細々としていた結花の中の心（しん）に、いろんなものがくっついて、結花の軸がどんどん太くなっていく印象を持ちながら演じさせていただいています。ただ、やりすぎてしまっても、それは結花でなくなってしまうので、その加減は監督と相談させていただきながら演じています。ドラマは、見る方に届いたらもうその方のものになると思っているので、それぞれの「インターホンが鳴るとき」がいっぱいできてくれたらうれしいと思いますし、何か一つでも皆さんの中に残ればすごくうれしいです。

ここ数年で一番しんどく、毎日心が削られる現場でした（堀井新太／田中真治）

ここ数年で一番しんどかった役で、毎日毎日心が削られる現場でした。でも、すごい作品ができた、いいシーンが撮れているなという自負はあります。ドロドロした不倫劇かと思いきや、その後に進んでいくと全く違うストーリーが出てくるんです。この脚本を読んだ時に、これは本気で取り組まないと僕の役のつらさや、家族の切なさはちゃんと伝わらないなと思いました。もっともっと役にどっぷりと漬かって、皆さんに何かが届くようにできたらいいなという思いでやってきました。僕は、真治は本当に家族が好きなんだなって思うんです。今は「どこに家族を好きな部分があるんだ」って思うじゃないですか（笑）。でも、あるんですよ。そこを早く見てほしいんです。このドラマはジェットコースターみたいに展開が目まぐるしいので、あっという間に見ていただけますし、次が気になると思うので、ドロドロした不倫テーマの作品で皆さんに中毒になってもらえたらなと思います。

答えがない作品なので、自分の答えを見つけてもらえたらうれしいです（古屋呂敏／佐伯海斗）

3人が、環境やそれぞれの思いによってどんどん変化していくというのが見どころだと思うんですが、中でも海斗は最初から何かを提示しているわけでもなく、徐々に真実がこぼれ落ちていくような役になっています。どうつじつまを合わせているのか、あのシーンはそういうことだったのかと、最初は分からないようにしながらも、こぼれ落ちていく前後で海斗として成立しているかどうかという点が難しく、考えてお芝居をさせていただきました。あえて、慣れない、器用にならないというところはとても気をつけて役と向き合いました。人と接する時、セリフを言う時に自分の中で1回飲み込んだり、言葉を発する前に頭でちょっと考えてみたりというのは意識していました。この作品は、答えがない作品なのかなと思っております。世間一般には絶対悪と言われる不倫を題材にして、その中で一人一人が自分なりの答えを見つけることができる作品になっています。この作品を見た時に、私はこういう考え方だった、私はこれが嫌いでこれが好きだったと、自分の答えを見つけてもらえたらうれしいです。