Cheer up! アスリート2020

連載

パラ五輪に向け頑張るバドミントン選手・大濱真選手&長島理選手

戦うことは、生きること

 競技歴約3年でパラバドミントン強化指定選手の大濱真と、競技歴約18年のベテランで数多くの国際大会にて優勝経験がある長島理。後輩&先輩であり、よきライバルでもある2人が、自らの人生に欠かせないというパラバドミントンへの熱い思いを語り合う。

 大濱真と長島理の出会いは今から約3年半前、大濱の所属する団体の主催するイベントに、パラバドミントンの選手として長島が参加した時だった。

大濱 「その時、初めて車いすでバドミントンをプレーしたのですが、長島さんにすごく褒めていただきました(笑)」

長島 「車いすで動いてシャトルを打つのは難しく、普通なら初心者はうまくできません。でも、彼はドロップショット(シャトルを相手コートのネット際に落とす打法)もキレイに打てていて、これは強くなるんじゃないかと、お世辞じゃなく褒めました(笑)」

 この時、パラバドミントンの難しさと楽しさを知り、“長島さんを目標に頑張ろう”と決意したという大濱。その後、パラバドミントンに専念するために勤めていた一般企業を退社し、現在の会社にアスリート雇用されて競技中心の生活に。“目標の人”である長島と2人で練習する機会もあるという。

大濱 「まだ経験も浅いので、試合に臨む際のメンタル面や『次の試合ではこういう組み立てにしようと思うけど、長島さんならどう攻めますか?』と戦略についても質問します。長島さんも『俺だったらこう攻めるな』って、きちんと答えを返してくださいます」

長島 「車いすの設定などについてもお互いに情報交換しますし、真くんとはフラットに話せますね。彼はとにかくひたむきに競技に取り組んでいます。いつか追い付かれるんじゃないかと思いつつ、ずっと目標にしてもらえるように頑張ろうと、お互いに切磋琢磨しています」

 パラバドミントンの世界では中国、韓国、タイなどアジア勢が強さを誇っているが、そうしたアジア勢の選手を倒し、東京パラリンピックでメダルを獲ることが目標の2人。彼らにとってパラバドミントンとは?

長島 「自分が自分であるための構成要素として主要なパーツの一つ。約18年間プレーしてきて、いろんな経験ができました。今、40歳になりましたけど、まだまだ限界を迎えていません。もっと上を目指して勝てるように頑張りたいです」

大濱 「僕も長島さんと同じく、人生の柱かなと思います。事故で障がい者になった後、パラバドミントンに出会って初めて生きがいを見つけられました。僕は子どもがいるので、競技を通じて子どもが自慢できる“カッコいい父ちゃん”になりたいです」

 選手として精進することはもちろん、2人はパラバドミントンを多くの人たちに認知してもらうための広報活動にも意欲を見せている。

長島 「約3年半前、私がたまたまイベントに出演したことをきっかけに大濱選手が誕生しましたし、また私が出演したテレビ番組を見てパラバドミントンを始めて、今、強化指定選手になっている人もいます。これからもイベントやメディアを通じてこの競技を知ってもらい、競技者が増えればいいなと考えています。競技人口が増えれば、当然競技レベルも上がってくると思うので!」

大濱 「障がい者の方ももちろん、健常者にもこの競技を知ってほしいです。パラバドミントンでは、健常者でも車いすに乗れば同じ土俵でプレーできるんです。実は健常者も出られる大会があって、そこで障がい者と健常者がダブルスを組むこともあるんですよ。まさに“バリアフリー”という言葉がピッタリな競技。僕もイベントなどを通じて、社会の中でのバリアフリーを広げていきたいと思います」

【TVガイドからQuestion】

Q バドミントン以外で関心の高いスポーツは?

大濱 「野球です。ポジションはセカンドだったんですが、動きや連携で頭を使う点がバドミントンと少し似ています。ロッテの清田(育宏)選手が高校時代のクラスメートなので、ロッテの試合は欠かさず見ています」

長島 「チェアスキーです。しばらく続けていたんですが、けがのリスクがあり、体力も消耗してしまうので、パラバドミントンで東京パラリンピック出場を本格的に目指し始めた2016年頃からはやっていません」


パラバドミントンとは?
大きく分けて「車いす」と「立位」があり、障がいの種類や程度によってクラスが分けられている。障がいの種類はアルファベットで表記され、車いすはWH、下肢障がいはSL、上肢障がいはSU、低身長はSH。障がいの程度はWH1→WH2のように数字で表される。同程度の障がいの選手ごとに試合を行う。大濱、長島のクラスはWH1。パラリンピック種目としては、2020年の東京大会から正式採用となった。
【プロフィール】 
大濱真(おおはま しん) 
1985年10月18日千葉県生まれ。てんびん座。A型。
小学校から高校まで野球をしていたが、大学時代に事故に遭い車いす生活に。その後10年間スポーツをやっていなかったが、長島との出会いをきっかけにパラバドミントンを始める。「最初に出たのが2018年のタイの大会。韓国の選手と対戦して世界との差を痛感しました。19年のアイルランドの試合では、あと一歩でメダル獲得を逃して悔しい思いを。でも次につながる試合なのかなと思いました」。長所は「長島さんに褒めてもらったドロップショット。あとは、とにかく頑張れること」。
長島理(ながしま おさむ) 
1979年10月21日埼玉県生まれ。てんびん座。A型。
中学時代からバドミントン選手として活躍。大学時代の事故で障がいを持ってからパラバドミントンを始め、徐々に強くなって国際大会に出るようになった。「初めて出た2004年の大会でマレーシアの選手を見て“こんなに強い選手がいるんだ”と衝撃を受けた」とのこと。17年のペルー大会では、シングルス、ダブルス、ミックスダブルスに出て3種目とも優勝し、「一番成績のよかった大会でした」と。得意なプレースタイルは「手首を使ったショットで相手の逆を突くプレー」。
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(応募締切:2020年2月19日午前11:59)

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取材・文/水野幸則 撮影/Marco Perboni





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