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TBSの2大ヒット作が2025秋ドラマランキングで接戦!「セラピーゲーム」驚異の伸び率!2026/01/30 10:00

妻夫木聡&目黒蓮「ザ・ロイヤルファミリー」/「月刊TVガイド 2025年12月号」より【BRAND NEW TV WORLD!!】

 今回は関東165万台を超えるレグザ視聴データをもとに、2025年10月クールの秋ドラマランキングを発表していく。注目作がしのぎを削ったこの秋、視聴者に最も愛されたのはいったいどの作品だったのか? 放送回ランキング、ドラマごとの平均視聴ランキング、継続視聴率ランキングをそれぞれ公開する。

 まずは「リアルタイム視聴」とタイムシフトを利用した見逃し視聴や後日再生視聴を含む「録画視聴」を合算した各作品の放送回データから、「放送回ランキング ベスト20」を見ていこう(朝ドラや夜ドラ等の帯ドラマ、および大河ドラマは除いている)。ポイントは1位を100とした場合の割合である(以下同)。

2025年秋ドラマ/放送回ランキング ベスト20【BRAND NEW TV WORLD!!】

 TBS系で放送された「じゃあ、あんたが作ってみろよ」の最終回(第10話)が、堂々の放送回首位に輝いた。日曜劇場を制して火曜日10時枠が首位に輝くのは快挙と言えるだろう。

 「じゃあ、あんたが作ってみろよ」は夏帆竹内涼真のダブル主演。上から目線で時代遅れの男女感を振りかざす海老原勝男(竹内)が山岸鮎美(夏帆)にフラれる初回の時点では“あるある”ベースのフラットストーリーだが、フラれたことで自ら筑前煮作りに挑む勝男と髪を染め自分を解放する喜びを知る鮎美、双方の“変化”が描かれることでドラマは一気に立体的な成長物語になる。親世代も含め、互いの変化は少しずつしか進まないという展開も、これまたリアル。首位以外に2位に8話、4位に9話、5位に6話とドラマ後半の各回が上位に並んだのも、2人の行く末を見届けたいという視聴者が多かった証拠だろう。

 そして初回の3位を筆頭に17位までに全10話すべてを送り込んだのが、こちらもTBS系の「ザ・ロイヤルファミリー」。このドラマも大きな注目を集めた。

 競馬界を舞台とした、馬と人と継承の物語。20年という長い歳月を濃密かつ大胆に切り取った全10話の構成とリアリティーあふれるレースシーンの迫力、そして何より劇中登場する馬たちの美しさ──。主演の妻夫木聡はじめ、佐藤浩市、目黒蓮、松本若菜、沢村一樹らの俳優陣もそれぞれキャリアの頂点と言っていい快演だった。競馬ファンを魅了したのはもちろんのこと、競馬を全く知らないものにも鬼気迫る臨場感でその魅力を伝え、受け継がれていく“血”と“情熱”のたぎりが見る者の胸を熱くする。長く記憶に残る作品となったといえよう。

 この2作によるベスト20独占に待ったをかけたのが、19位「良いこと悪いこと」(日本テレビ系)の最終回だ。現在、社会問題にもなっている“いじめ“をテーマに、被害者・加害者が大人になってからタイムカプセルを掘り出したことから始まり、いじめ加害者が次々と殺されていく物語。“犯人は誰か”という興味を最終回まで持続し、考察系ドラマとして成功を収めた。同時に最終回に込められたいじめに対する強いメッセージに打たれた視聴者も多かったと思う。

 続いてドラマごとの「平均視聴ランキング ベスト20」。こちらも「リアルタイム視聴」と「録画視聴」の合算ポイントの全話平均を集計、高い順に並べたランキングである。

2025年秋ドラマ/平均視聴ランキング ベスト20【BRAND NEW TV WORLD!!】

 「ザ・ロイヤルファミリー」が「じゃあ、あんたが作ってみろよ」をわずかに抑えてトップに立った。3位以下のドラマとは大きく差が開いており、この2作が秋ドラマの2トップだったことに議論の余地はないだろう。

 この2作に共通しているのはどちらも原作ものだという点である(「ザ・ロイヤル~」は早見和真の小説、「じゃあ、あんたが~」は谷口菜津子のコミックが原作)。ともに原作のテイストを比較的忠実にたどりながら、映像でしか成しえないオリジナリティーも十二分に加えられていた。ネタバレをことさら恐れる向きもある昨今、原作もの2作品の高いレベルでの成功は秋クールの大きな収穫だったといえる。

TBSドラマ合同制作発表会見より、「ザ・ロイヤルファミリー」「じゃあ、あんたが作ってみろよ」「フェイクマミー」出演者たち【BRAND NEW TV WORLD!!】

 同時に、このクールは「良いこと悪いこと」、「フェイクマミー」(TBS系)、「ちょっとだけエスパー」(テレビ朝日系)、「小さい頃は、神様がいて」(フジテレビ系)、「もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう」(フジテレビ系)など、個性的なオリジナルドラマが揃い、それぞれに楽しませてくれた。また、さまざまな事情で公開が延期となっていた劇場版「緊急取調室 THE FINAL」につながる「緊急取調室」の第5シーズンも4位にランクインし、ドラマ愛好者には実りの多いクールだった。下のグラフはドラマ平均視聴上位10作品の視聴推移をグラフ化したものである。

2025年秋ドラマ/上位10作の視聴推移グラフ【BRAND NEW TV WORLD!!】

 上位作品は押しなべて最終回でポイントを上げているが、「じゃあ、あんたが作ってみろよ」と「良いこと悪いこと」の伸びがひときわ顕著なことが分かる。特に、初回から2話目にかけてはほとんどすべての作品が数字を落としている中、「じゃあ、あんたが~」1作だけが大きくポイントを伸ばして最終的に「ザ・ロイヤルファミリー」を追い抜いているのは特筆に値するだろう。

 最後に「最終回継続視聴率ランキング ベスト20」を見てみよう。最終回のポイントを初回ポイントで割った数値によるランキングで、継続率が高い(=初回に比べて最終回の数値が高い)ということは作品内容対する“満足度”が高い傾向があるのでは、という仮説に基づいた検証である。

2025年秋ドラマ/最終回継続視聴率ランキング ベスト20【BRAND NEW TV WORLD!!】

 最終回継続視聴率が100%を超えた(=最終回のポイントが初回を上回った)ドラマは全部で6本。うち、プライムタイムドラマは3本だが、6位の「フェイクマミー」はかろうじて100%をキープした印象で、やはり「じゃあ、あんたが作ってみろよ」と「良いこと悪いこと」の高い継続率(満足度)が目立つ。そしてもう一つ、ポイント自体は低いものの170%超えという驚異の最終回継続視聴率を示してランキング1位となった深夜ドラマが「セラピーゲーム」(日本テレビ)である。

「セラピーゲーム」発表会見よりNAOYA&冨田侑暉【BRAND NEW TV WORLD!!】

 BLコミックとして大きな人気を誇る原作を、それぞれオーディションを経て結成されたボーイズグループ“龍宮城”の冨田侑暉と“MAZZEL”のNAOYAという激甘キャストで映像化した話題作で、回を重ねるごとに大きな人気を得た。年明けにはドラマと同じメインキャストでの舞台化も行われ、今後の展開も期待できる。ドラマ・アニメともにBL作品が着々と人気を博してきている。

 そして、次回は2025年の「年間ドラマランキング」を発表する予定だ。果たして25年を制したのはどのドラマだったのか? お楽しみに。

文/武内朗
提供/TVS REGZA株式会社

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