「西田二郎のたし算」第21回 T部長に見抜かれた西田の武器「いい人」はテレビマンの最大の戦略!?2026/08/28 17:00

「どう見られるかよりも、どういう意識で戦っているか」。変化の激しい現代メディアにおいて、常に自分自身をアップデートし続ける“伝説のテレビマン”西田二郎。テレビの枠を飛び出し、新たなステージで挑戦を続ける彼が、エンタメの裏話から自身の異端なキャリア論までを赤裸々につづる不定期連載。今回からタイトルを一新し、「西田二郎のたし算」としてリニューアル! 今回は、あのT部長に言われた「ある一言」から自身の生き方を振り返る。
どうも、西田二郎です。
今回からタイトルも「西田二郎のたし算」と変わりまして、またいろんなたくらみや思いをここでお話ししていきたいなと思っております。
さて、先日ですね、「進め!電波少年」などで大活躍された、テレビの世界を大きく変えたT部長こと土屋敏男さんとトークイベントをやったんです。
今、土屋さんはケーブルテレビで初となる100局以上のネットワークで見られる番組を作られたり、最近では愛知県蒲郡市の繊維産業をテーマにしたドキュメンタリー映画「わたのまち、応答セヨ」をプロデュースされたりと、相変わらずパワフルに活動してはるんです。
この映画もね、市のお金も使って作ったのに「完成まで一切中身は見せない(報告・連絡・相談はしない)」っていう条件でやったらしいんですよ。相変わらずパンクというか、常に革新の先頭に立っている方なんですが、そのイベントの中で、土屋さんがふと「運の話」をしはったんです。
「運のいい人っているよね」って。「運がいい人っていうのは、結局のところ『いい人』なんだよ」と。
「いい人」って、なんかすごくざっくりした言い方ですよね。そしたら土屋さんが、僕の顔をポロッと見て「西田くんは運がいいでしょ。やっぱいい人なんだよね。俺、見てても思うよ。西田くんはいい人だよ」って言ってくれはったんです。
テレビマンとか、ビジネスマンもそうですけど、なんか「いい人」っていうだけじゃやっていけない世界じゃないですか。「それだけじゃあかんでしょ」って普通は思いますよね。
だから僕も「いやいやいや、そんなん言われたって」と返したんですけど、土屋さんは「いやいや、西田くんは本当に人がいい。なんかピュアだよね」って言い切りはったんです。
「ピュアかぁ……」って、僕も自分で考えちゃいましてね。
そんなことないぞ、といろんなことを打算的に考えてるし。ピュアやって言われたって、「いやいや」って思うんです。
でも、土屋さんが言う「ピュア」とか「いい人」っていうのは、おそらく物事に対して向き合う姿勢が「真っすぐ」だということなんやと思うんです。
うがった見方をしたり、疑ってかかったりしない。そういうことをひっくるめての「いい人」なんちゃうかなと。
自分自身でね、「俺はいい人だ!」なんてずっと思って生きてきたことなんかないし、「いい人じゃないといかん」と思ったこともない。なんなら「別にいい人なんかじゃなくてもええやんか」って思ってきたくらいです。
でも、土屋さんにそう言われてから、改めて「あ、俺っていい人なんやな」って考えるようになりました(笑)。
そっか、素直に何でも受け止めるっていう、この姿勢自体を「いい人」って言うんやな、って。
なんか自分の中で、ずっと持ってたモヤモヤしたものが、土屋さんの一言でストンと腑(ふ)に落ちたような気がしました。これからも「いい人」のたし算で、いろんなことを素直に受け止めながら、面白いことをたくらんでいきますよ!
【プロフィール】
西田二郎(にしだ じろう)
1965年生まれ。1989年に読売テレビ入社。「11PM」のディレクターを経て、「ダウンタウンDX」のプロデューサーに。2015年に営業局へ異動し、新規事業などを担当。現在は静岡放送(SBS)のCCIO(チーフコンテンツイノベーションオフィサー)、一般社団法人未来のテレビを考える会の代表理事を務めるほか、2026年6月、株式会社エビリーの最高クリエイティブ責任者(CCO)に就任。
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