「無用庵隠居修行10」夏木マリが明かす“声の仕事”の面白さと吉川一義監督への厚い信頼2026/08/23 12:00

水谷豊主演の痛快エンターテインメント時代劇「4K時代劇スペシャル 無用庵隠居修行10」(午後7:00)がBS朝日で9月22日に放送。水谷、岸部一徳、檀れいら豪華出演者による演技とともに物語を彩るのが、夏木マリによるナレーションだ。
同シリーズは、直木賞受賞作家・海老沢泰久の短編時代小説「無用庵隠居修行」(文春文庫刊)が原作の痛快エンタメ時代劇。2017年に放送を開始した本シリーズも今年で10作目。今回は、スペシャルゲストに里見浩太朗を迎え、水谷扮(ふん)する“隠居殿”日向半兵衛が旧友の窮地を斬新な方法で痛快に解決する様を描く。
これまで全作で語りを担当している夏木。今回TVガイドWebでは、「無用庵隠居修行10」のナレーション収録に密着した。

8月某日。収録スタジオに現れた夏木は、本作を手がける吉川一義監督と明るくあいさつを交わす。2人が会うのは実に1年ぶり。和気あいあいとした雰囲気の中、収録がスタートする。初めにテストで夏木がセリフを読むと、監督も「いいね」と太鼓判を押す。
一つ一つのセリフを丁寧かつスピーディーに仕上げていく夏木。時折、吉川監督自ら夏木のいる収録ブースに赴き、直接アドバイスをする場面も。監督の指示を踏まえ、夏木は即座に修正しOKテイクを重ねていく。熟練された夏木のセリフ回しに、制作陣からは感嘆の声が上がっていた。
最後のセリフを録り終えた後、夏木と吉川監督は笑顔で記念撮影。瞬く間にナレーション収録は終了した。
収録を終えた夏木を直撃。「無用庵隠居修行」シリーズの魅力や吉川監督と築いてきた信頼関係、声の仕事への思いを語ってもらった。

――ナレーション収録お疲れ様でした! 今の心境を教えてください。
「いつも監督のご指示が早くて、収録があっという間に終わってしまうんですよね(笑)。私はナレーションなので、出演者の方にもお会いしていないし。でも『無用庵』シリーズも10年目を迎えたと思うと、やっぱりいとおしい番組になっていますね」
――出演者にはお会いしていないという話でしたが、もし主演の水谷さんにお会いするとしたら伝えたいメッセージはありますか?
「(ナレーション風に)『いまだ盛んな日向半兵衛』にね、10年続ける力はなんですか?」
――夏木さんは「無用庵隠居修行」シリーズにどのような印象をお持ちですか?
「王道の時代劇が数少なくなってきている中で、監督が作り上げる『無用庵』は本当に痛快ですよね。だからこそ人気があるんだなと感じます。実は最初、私は出演でお話をいただいていたんですよ。ただ、撮影のタイミングが合わず出演はできなくて……」
――そうだったんですね!
「それでも監督が大好きなので、何かしらの形で関われたらと思っていたところ、『そうだ、ナレーションがある!』と(笑)。それで監督にご相談したらOKしてくださいました。『(出演が)できないから、さよなら』ってしたくなかった。『無用庵』はそう思える番組でしたね」
――夏木さんのお話を伺っていると吉川監督への厚い信頼がうかがえます。
「監督には昔からお世話になっていますけど、的確な指示で演出してくださるのでね、一緒に作品を創っていく人間としては、すごくありがたいなと。監督がいてくださるだけで現場が締まる感じ。ですから、きっと『無用庵』の現場も楽しいんだろうなという感じがします」

――夏木さんは多方面で活躍していらっしゃいますが、「ナレーション」の仕事に関してはどのように捉えていますか。
「私、ナレーションの仕事とか朗読の仕事が大好きで。体が動かなくなってもそれだけはやっていたいんですけど。例えば、映画やドラマだとカメラが寄ったり引いたりして雰囲気も作ってくれる、だから、俳優はやったつもりになっちゃうんですね。でも、ナレーションは声だけで全てをやらなきゃいけない。話すテンポの早い遅い、音の高低、強弱……。どれも俳優に必要なスキルだし、全部監督が求めるものなんですよ。声の仕事はその調整を瞬時にする訓練にもなる。俳優にはナレーションの仕事はマストだと思います」
――ナレーションの仕事がご自身の演技にも生きているということですね。
「一口に“声の仕事”といっても、作品によって求められるものが違う。だからこそ、映像に映る時とは違う準備をしなきゃいけないというのはありますね。例えば、『無用庵』はナレーションが少ないですね、限られた分量で表現しなきゃいけないので、非常に難易度は高いんじゃないかなと(笑)。ドラマの導入と締めを含め視聴者がもう一段物語に入っていけるような声になっていたらいいなとこの10年、ずっと思っていますし、他の演技の勉強にもなっています」
――夏木さんにとって「無用庵隠居修行」シリーズと共に過ごした10年は長かったですか? それとも意外とあっという間でしたか?
「あっという間でした! 監督にもこの『無用庵』で1年に1回しかお会いしていないので、年に一度会う楽しみにさせていただいて。なんか織姫と彦星みたいでしょ(笑)」

――これまで放送してきた中で、一番印象に残っているのはどの回でしょう。
「やっぱり1作目ですね。毎回面白いんですけど、初回は自分なりの思い入れがあります。あと、“講談調”のナレーションは『無用庵』でしかしていないので、初めてやってみた時は緊張もありました。スタートとして愛着がある作品です」
――“講談調”の語りは珍しいという話ですが、現在の「無用庵隠居修行」のナレーションスタイルはどのように確立していったのでしょうか。
「客観的にかつ熱い語り部として、どのような口調がいいか、監督と相談しながら創り上げていったイメージですね」
――今回の「無用庵隠居修行10」では“恩師との関係性”もテーマの一つですが、夏木さんにとって“恩師”とはどういう存在ですか?
「恩師って、人としては先輩でしょ、テクニックとか現場のことだけじゃなくて、その方の魅力、人としてのチャーミングなところを知らず知らずの間に教えていただいているんだろうなと感じています」

――ちなみに、「無用庵隠居修行」シリーズといえばおなじみの半兵衛の“扮装”ですが、もし夏木さんが本シリーズに出演し、扮装できるなら何になりたいですか?
「うーん、何でしょう。私、普段人間離れした役が多いんですよ。今回水谷さんが扮装した祈禱(きとう)師のようなちょっと神がかった感じの。だから普通に生きている平民を演りたいかも(笑)。本作に出てくる小川村の人みたいな」
――最後に視聴者の皆さんへ向けて「無用庵隠居修行10」の見どころを教えてください。
「今回も、レギュラーの皆様、面白いです。ゲストの方々のお芝居も本当に見どころです。ぜひ、シーズン10も楽しんでくださいませ〜」
【プロフィール】
夏木マリ(なつき まり)
1973年に歌手デビュー。1980年代より演劇にも活動の場を広げ、現在では俳優業のほか声優、ディレクターなど多岐にわたり活躍している。近年の出演作に、ドラマ「照子と瑠衣」(2025年/NHK BS)、映画「ほどなく、お別れです」(26年)などがある。
【番組情報】
「4K時代劇スペシャル 無用庵隠居修行10」
BS朝日
9月22日
午後7:00~8:54
【「無用庵隠居修行」シリーズ一挙再放送!】
「無用庵隠居修行」8月24日 午後7:00〜8:54
「無用庵隠居修行2」8月25日 午後7:00〜9:00
「無用庵隠居修行3」8月31日 午後7:00〜8:54【4K】
「無用庵隠居修行4」9月1日 午後7:00〜9:00【4K】
「無用庵隠居修行5」9月7日 午後7:00〜8:54【4K】
「無用庵隠居修行6」9月8日 午後7:00〜9:00【4K】
「無用庵隠居修行7」9月14日 午後7:00〜8:54【4K】
「無用庵隠居修行8」9月18日 午後7:00〜8:54【4K】
「無用庵隠居修行9」9月21日 午後7:00〜8:54【4K】
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