「告白―25年目の秘密―」が首位! TVガイド識者が選ぶ2026年夏ドラマ前半戦ベスト32026/08/18 18:00

2026年7月クールのドラマも中盤戦。オリジナル脚本の意欲作から本格ミステリー、心理サスペンスまで幅広いジャンルが並び、各局が力作をそろえた見応えのあるクールとなっています。今回は東京ニュースチャンネルのYouTube番組「TVガイド目利きゼミ」のTVアナリスト・武内朗と元TVガイド副編集長・三宅俊郎が前半戦を振り返りながら、今クールの特徴と注目作品について語り合いました。
オリジナル脚本の充実が豊作の背景に
三宅 「今クールは本当に豊作ですよね。曜日ごとに『これは見ておきたい』と思える作品があります」
武内 「そうですね。特にプライム帯ではオリジナル脚本が多い。企画段階から時間をかけて作られた作品が目立ちますし、取材に力を入れているドラマも多い印象です」
三宅 「リアリティーのある職業描写や設定が多いですよね」
武内 「脚本家や制作陣が『これを描きたい』というテーマを明確に持っている。そこが今クールの面白さにつながっていると思います」
心理的な「怖さ」が今季の特徴
三宅 「見始めて驚いたのは、思った以上に怖い作品が多いことです」
武内 「確かに。松村北斗(SixTONES)さん主演の『告白-25年目の秘密-』(日本テレビ系)、内田有紀さんと寺西拓人(timelesz)さんがダブル主演を務める『ラストノート』(フジテレビ系)、玉森裕太(Kis-My-Ft2)さん主演の『マイ・フィクション』(ABCテレビ・テレビ朝日系)あたりは、ホラーではないけれど心理的な恐怖を巧みに描いています」
三宅 「特に『告白-25年目の秘密-』は毎回ゾッとします。主人公が少しずつ本性を見せていく展開が秀逸ですよね」
武内 「しかも視聴者がいつの間にか主人公側に感情移入してしまう。危険人物だと分かっているのに、『今回はバレないでくれ』と思わせる力があります」
三宅 「僕なんか毎回見ながら『気を付けろ!』って思っていますよ(笑)」
武内 「主人公側に感情移入しちゃっているじゃないですか(笑)」
三宅 「そうなんですよ。危険人物なのに、なぜか応援してしまう。そのあたりの作り方が本当にうまいと思います」
“ネタバレしない”時代のドラマ作り
武内 「最近のドラマは、第1話ですべてを説明しなくなりました」
三宅 「確かにそうですね」
武内 「昔は初回で見どころを提示していましたが、今は大事な設定をあえて隠してスタートするケースが増えている。『ラストノート』もその代表例でしょう」
三宅 「SNSとの相性もありますね。『そういう話だったのか』という驚きが口コミになって広がっていく」
浮かび上がる「喪失感」という共通テーマ
三宅 「もう一つ印象的だったのは、『喪失感』を抱えた人物が多く登場することです」
武内 「山田涼介(Hey! Say! JUMP)さん主演の『一次元の挿し木』(読売テレビ・日本テレビ系)もそうですし、今クールには大切な人を失った経験が物語の核になっている作品が少なくありません」
三宅 「失ったものとどう向き合うか、というテーマですね」
武内 「そうですね。最近読んだインタビューで、千鳥の大悟さんが『失ったものは仕方ないと思うタイプなんです』と話していたんです。意外とそう言い切る人は少ないので印象に残っていて。だからこそ今クールのドラマで、喪失感を抱えながら生きる人たちが多く描かれているのは興味深いなと思いました」
三宅 「確かに、今のクリエーターたちが関心を寄せているテーマなのかもしれませんね」
武内 「おそらくそうなのでしょう」
細かいけれど忘れられないシーンも
三宅 「あと全然テーマとは関係ないんですけど、『一次元の挿し木』の第2話で、山田涼介さん演じる主人公が病院から逃げ出すシーンがあったじゃないですか」
武内 「ありましたね(笑)」
三宅 「あそこで山田さんが全力疾走するんですよ。追いかける木戸大聖さんも全力なんですけど、とにかく走りがすごい」
武内 「また走りの話ですね(笑)」
三宅 「いや、本当に説得力があるんですよ。見ていて思わず『逃げろ!』って応援したくなる」
武内 「確かに臨場感がありましたね」
三宅 「細かいシーンなんですけど、ああいう場面にドラマの力が宿るんです」
そんな今クールだが、前半戦を終えた現時点で2人はどの作品を高く評価しているのだろうか。放送はまだ折り返し地点。今後の展開次第で順位が大きく入れ替わる可能性もあるが、まずは現時点での「夏ドラマ前半戦ベスト3」を発表してもらった。
夏ドラマ前半戦ベスト3
<三宅俊郎のベスト3>
1位「告白-25年目の秘密-」(日本テレビ系)
心理サスペンスとして非常に完成度が高い作品。危うい主人公像と巧みな構成によって、毎回強い緊張感を生み出している。
2位「さよならノワール」(フジテレビ系)
映像、演出、音楽の完成度が際立つ一作。犯罪被害者支援という社会的テーマを丁寧に描きながら、高いエンターテインメント性も両立している。
3位「マイ・フィクション」(ABCテレビ・テレビ朝日系)
不穏な空気感の作り方が秀逸。キャスト陣の演技力も作品の魅力を大きく支えている。
次点「一次元の挿し木」(日本テレビ系)
本格ミステリーらしい謎解きの面白さが魅力。先の読めない展開に加え、山田涼介の熱演も作品を大いに盛り上げている。
<武内朗のベスト3>
1位「大空港」(テレビ朝日系)
外国語が飛び交う空港を舞台にした異色作。大胆なアイデアと爽快なストーリー展開が魅力的。
2位「名探偵のままでいて」(テレビ朝日系)
正統派ミステリーとして高い完成度を誇る作品。主演2人の会話劇も見どころとなっている。
3位「今夜もシリアルキラーと待ち合わせ」(カンテレ・フジテレビ系)
30分枠ならではのテンポの良さが光る。コンパクトながら満足度の高いエンターテインメント作品。
次点「一次元の挿し木」(読売テレビ・日本テレビ系)
原作の持つミステリーとしての完成度をしっかり生かした作品。謎が少しずつ積み重なっていく構成が巧みで、続きが気になる一本。
後半戦で順位は変わるのか
今回ランクインした作品以外にも、「GTO」(カンテレ・フジテレビ系)「Tシャツが乾くまで」(TBS系)「スピナーベイト」(フジテレビほか)など話題作は数多い。前半戦を終えた段階では「豊作」という評価で両者の意見は一致したが、物語が本格的に動き出すのはむしろこれから。心理サスペンスやミステリーの行方はもちろん、今後どの作品が大きく評価を伸ばすのかにも注目したい。
武内 「まだまだ楽しみな作品がたくさんあります。ぜひ皆さんにも、それぞれのお気に入り作品を見つけてほしいですね」
三宅 「僕らが挙げなかった作品も含めて、後半戦もじっくり見届けたいと思います。ぜひ皆さんの“推しドラマ”も教えてください」
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