湊(吉澤要人)の「同棲して」に航(雨宮翔)は……。親友であり恋人、10年分の思いつながる第10話2026/03/23 18:00

吉澤要人さん(原因は自分にある。)と雨宮翔さん(GENIC) がダブル主演を務める読売テレビのドラマDiVE「親友の『同棲して』に『うん』て言うまで」(月曜深夜1:29〜)。3月16日放送の第10話では、同時に「会いたい」とメッセージを送り合った湊(吉澤)と航(雨宮)が海辺で再会。親友と恋人の間で揺れ続けた航が、ついに自分の言葉で答えを出した。タイトルにあった「うん」へ、ようやくたどり着いた瞬間だった。
必死に走る航が行き着いたのは、いつも2人で訪れていた海辺。波の音を背に、湊は「目閉じて」と告げる。目を背けているから怖いだけ。そんな思いを、不器用な例えで伝えようとする。
そして湊は、抑えてきた気持ちを一気にさらけ出す。「俺は航のことが好き。それは多分この先もずっと変わらない」「どんなささいな時間でも隣にいるのは航がいい」。さらに「恋愛感情は何で嫌? ちゃんと目を向けて教えて」と問いかける。迷いなく思いを並べるその声には、ここまで積み上げてきた時間の重さがあった。
一方の航も、自分が怖がっていたものに向き合う。「親友だった時間がうそになるのが怖かった」。楽しかった記憶まで塗り替わってしまうような気がしていた。恋に踏み出すこと以上に、それが切実だった。けれど航自身も分かっている。「全部楽しかったのは俺と湊だったからだろ。俺は湊だから楽しかった」。分かっていたのに、認めるのが怖かった。それを自分の声で口にできた瞬間の、雨宮のこらえきれないような笑い泣きの表情。あれは、きっと見た人の数だけ刺さり方が違う。

そんな航に、湊は答える。「フィルターがあってもないものは写せない」。恋愛をカメラのフィルターに重ね、「親友なのも好きなのも、どっちもうそじゃない」と肯定する。写真を撮り続けてきた2人だからこそ、この言葉は真っすぐ届く。親友だった時間の上に恋が重なっていく——その関係の在り方こそが、全10話を通して描かれてきたものの核だった。
「俺、分裂しなくていいってこと?」「しないで。航は航でいて」。親友の自分と恋人の自分を切り分けなくていいと知った時、航の表情からすっと力が抜ける。「そっか。一緒でいいんだ」。
そして航は、ついに自分の気持ちを口にする。「俺、湊のことが好き」。
それを聞いた湊が返すのは、たったひと言。「うれしい」。10年分の片想いを受け止めるには短すぎる言葉なのに、不思議とそれで十分だった。大きく感情をあらわにするのではなく、わずかににじむ喜び。吉澤のその控えめな表情が、むしろずっと胸に残る。
ここからのやりとりは、第10話の中でも際立つハイライトの一つだ。ハグを交わした2人。「キスとかは航がしたくなかったらしなくていいから」と遠慮する湊に、航は間髪入れず「しろよ」と自分からキスをし、「そこはしろよ。いろんな面があっていいんだろ」と続ける。驚く湊に、「照れてる?」「バレた?」「今までムッとした時って照れてたの? なんだよ、かわいいな」「だろ」「開き直んな」とテンポよく言葉が交わされる。張り詰めていた空気がほどけ、そのやりとりに見ている側まで頬がゆるむ。そして今度は、湊から航へキスを返す。
そして、航の「もう1回聞けよ」からの「航、俺と同棲して」に、「うん、いいよ」。その一言に、10話分のすべてが詰まっている。無邪気な返事じゃない。親友という場所にとどまっていた自分を超えて、湊の隣を選ぶ「いいよ」だった。
帰り道、「20年目にお祝いはいらない」「写真撮ればいいじゃん」と未来を当たり前のように語り合う。その何げない会話に、ようやく手にした安心がにじむ。
「変わることは怖い。でも今まで過ごした時間は消えない。俺の一番いい顔を撮るのは湊で、湊の一番いい顔を撮るのは俺だ。これからもずっとそうありたい。親友であり恋人、恋人であり親友。たった一人の俺のかけがえのない人」。航のモノローグが、全10話の答えそのものだった。親友だった時間を失うのではなく、その時間ごと相手を好きになっていく。だからこの結末は、こんなにもあたたかい。

後半では、新生活に向けた準備も描かれる。汐入(中山翔貴)が感慨深げに2人を祝福し、祖父・毅(ベンガル)も「湊が大事にしたい人を、じいちゃんも大事にしたい」と受け入れる。航の両親も「最初から合格」と笑う。どれも過剰ではないけれど、周りの人たちのさりげない肯定が、2人の選択を柔らかく包んでいた。

その後、「同棲して」に続いて「航、結婚して」と切り出す湊に、「まだ引っ越しもできてないのに急すぎるし」と慌てる航。恋人になっても変わらないこのテンポ感が、最後まで健在でうれしくなる。
そこから、「うん」と言うまでの3698日が振り返られる。学生時代に一緒に写真を撮りに行った日、「同居したら毎日会えるじゃん」と笑い合った日、「10年目も俺は航の隣にいる」と告げた日、「結婚してください」とトルコキキョウを贈り合った日。「俺たちは親友」と本音にふたをした日。積み重ねてきた日々の一つ一つが、今の2人へとつながっている。
「航、俺と同棲して」「いいよ」。

親友であり恋人であるという関係を、自分たちの手で選び取った2人。吉澤と雨宮が見せた、感情を抑えながらも思いをにじませる芝居が、最後までその関係の尊さを支え続けていた。本日・3月23日にはドラマオリジナルのアフターストーリーが放送される。湊の家にお泊まりした翌朝、コーヒーの香りで目を覚ました航がリビングへ向かうと、先に起きていた湊が2人分のコーヒーを入れていて——。もっと素直になってほしい湊と、もっと愛情を伝えたい航。2人の何げない日常に、小さな“キュン”が積み重なる。答えを出したあとも続いていく2人の時間を、しっかりと見届けたい。


【番組情報】
ドラマDiVE「親友の『同棲して』に『うん』て言うまで」
読売テレビ
月曜 深夜1:29~1:59
文/斉藤和美
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