篠原涼子×SixTONES・ジェシー×藤木直人「パンチドランク・ウーマン」3人が語る役と人間関係【前編】2026/01/05

篠原涼子が主演を務める、日本テレビ系で1月11日スタートの連続ドラマ「パンチドランク・ウーマン −脱獄まであと××日−」(日曜午後10:30)。
規律正しく真面目に生きてきた刑務官・冬木こずえ(篠原)が、強盗殺人の罪で起訴された未決拘禁者・日下怜治(ジェシー/SixTONES)と出会ったことをきっかけに、決して越えてはならない一線へと足を踏み入れていく。さらに、こずえの過去を知る刑事・佐伯雄介(藤木直人)も巻き込み、3人の関係は次第に緊張感をはらみながら揺れ動いていく。
女性刑務官と殺人犯による前代未聞の脱獄劇を描く本作で共演する篠原、ジェシー、藤木の3人に、前後編にわたってインタビューを実施。前編となる今回は、タイトルの印象や“衝撃”のエピソード、役柄への向き合い方、撮影現場への思いなど、作品の入り口となる部分を中心に話を聞いた。
出演オファーを受けて、それぞれの第一印象
――まずは、本作への出演オファーを受けた際のお気持ちをお聞かせください。
篠原 「今回、初めて刑務官という役柄に挑戦させていただくことになり、私を抜てきしてくださったことをとても光栄に感じました。一方で、身が引き締まる思いもあり、強い緊張感を持って丁寧に向き合いたいという気持ちが芽生えました。刑務官という初めての役柄なので、『どう演じていけばいいのか』を模索しながら取り組むことになるだろうな、と。題材もとても面白く、やりがいのある役だと感じています」
ジェシー 「2025年の4月から『Golden SixTONES』(同系)が始まって、少しずつ自分のキャラクターや、ふざけている部分が、お茶の間の皆さんにも伝わってきていると思うんですけど、今回は逆にかなり“ヤバい”役になります。そのギャップを楽しんでもらえたらうれしいです。台本も、どうなっていくのかドキドキ、ワクワクしながら読ませていただいていて、それが映像でどう描かれるのか、今から楽しみです」
藤木 「今年の夏に、本当に久しぶりに『ラスト・シンデレラ』(13年/フジテレビ系)のメンバーで集まろう、という話があって、涼子ちゃんやプロデューサーの方々と会う機会があったんです。その直後にこの作品のオファーをいただいたので、正直びっくりしましたし、何か運命めいたものを感じました。とても面白い作品になるといいなと思っています」
――あらためて台本を読んだ際の印象を教えてください。
篠原 「こずえは、本当に真面目で責任感が強く、規律を重んじて生きてきた女性です。そんな女性が殺人犯と出会い、脱獄へと導いていく。その設定にまず衝撃を受けました。でも同時に、強くひきつけられるものがあって、『どういうことなんだろう』『のぞいてみたい』と思わせる力のある物語だと感じました」
ジェシー 「脱獄できるのか、できないのか、そこが一番気になりますよね。まだ最後までの台本はいただいていないんですけど、気になりすぎて早く続きがほしいです。怜治はミステリアスな部分も多い役なので、そこをうまく出せるように、今はとにかく台本を覚えています」
藤木 「本当に真面目なこずえが、脱獄の手引きをしてしまう。その“禁断の恋”がどう動き出していくのかも見どころですし、脱獄に至るまでの過程も、エピソード一つ一つが先の読めない展開になっている。二つの要素でドキドキできる作品だなと感じました。ただ、登場人物が本当に多いので(笑)、早くオンエアを見て整理したいです」
こずえ、怜治、佐伯のキャラクターの作り方
――続いて、皆さんが演じられる役柄と、役作りで意識していることを教えてください。
篠原 「こずえは、とても規律正しい女性なので、表情や感情を前面に出す芝居を、あまりしないようにしています。感情を表に出したほうが伝わりやすい場面もありますが、今回はそうではなく、視聴者の皆さんに想像していただける余白を、程よいバランスで届けられたらいいなと考えています」
――こずえは、“世界チャンピオンになれたかもしれない”と言われるほど、柔道が得意な設定ですよね。
篠原 「嫌なことがあった時や、悲しいこと、つらいことがあると、柔道に一心不乱に打ち込んで自分の気持ちを整える。こずえにとって柔道は、自分を保つための大切なものなんですね。なので、柔道はちょっと頑張らないといけないなと、この歳になって感じています。実はこの間、柔道の練習があると聞いて『はい!』とやる気満々だったんですが、前日に腰を痛めてしまって。翌日、現場には行ったんですけど、もう本当に使い物にならなくて(笑)。でも、今回は柔道を一生懸命やって、皆さんにお届けできたらいいなと考えています。頑張りたいと思います」
ジェシー 「似ていないところで言うと……未決拘禁者ってところ。僕はいい人です(笑)。役作りとしては、まずセリフをしっかり入れることと、声を意識しています。普段はわりとフラットにしゃべってしまうので、少し落ち着いたトーンで話すようにしています。聞きやすさも大事なので。あとは冬の撮影なので、寒さに負けないように(笑)。『今、自分はカイロだ』と思い込んで、いい意味で脳をバグらせながら、演じていきたいと考えています」
藤木 「僕が演じる佐伯は、こずえの過去を知っている、とても近しい存在です。物語全体としては緊張感のあるスリリングなシーンが多いんですが、こずえと佐伯のシーンは、少しホッとできるというか、違うベクトルを持った場面にしたいなと考えています」
――演じる役とご自身を比べて、共感できる部分はありますか?
篠原 「こずえは、冷たく見えがちな人物だと思うんですけど、いろいろな出来事を経験してきた結果、そうならざるを得なかった“一匹狼”のような人なんですよね。でも、心の中はとても温かくて、血の通った人。そういうところは自分とも重なる部分があるのかなと感じています。不器用で、自分の内側を人に見せない、あえて見せないという選択をしてしまうところもあって。こずえと自分自身を重ね合わせながら演じることで、自分のことも見つめ直していけたらいいなと考えています」
ジェシー 「怜治も、全部をさらけ出すタイプではないんですよね。自分の中ではいろいろ考えているけど、それをあえて外に出さない。その距離感が、人としての魅力になったりもすると思っています。全部を見せなくてもいいし、見せないからこそ生まれる関係性もある。そういう感覚は、自分自身にもあるなと感じます」
藤木 「佐伯の“踏み込めなさ”は、演じていてもどかしいですし、実は自分自身にもそういうところがあるなと感じています。一歩踏み込めないからこそ、関係が停滞してしまう。でも、それも含めて人間らしさなのかなと受け止めながら演じています」
お互いの素顔と現場で見えた意外な一面
――共演して感じたお互いの印象や、現場で見えた意外な一面があれば教えてください。
篠原 「ジェシーとは、バラエティーでご一緒することが何度かあって。テレビで見ていても、先ほどご本人がおっしゃっていたように、ちょっとふざけているイメージがあると思うんですけど、本当に明るくて楽しくて、現場を盛り上げてくれるムードメーカーだなと。でも、私がひそかに感じているのは、とても真面目で、すごく気遣いができる人だということ。私なりの言い方になりますけど、語弊がなければ、少し慎重というか、繊細なところがあって、そこがすごく人間らしくて共感できるなと感じています。明るいイメージの一方で、裏では本当に人のことを考えて、周りに気を配っている。……と、いっぱいここで褒めておいて、裏で『篠原さんって本当にいい人だな』って言ってもらえたらうれしいな、なんて思っているわけではないんですけど(笑)。今回の撮影を通して、ジェシーの本当に素の部分を、少しでものぞけたらいいなと思っています」
――ジェシーさん、それを受けていかがでしょうか。
ジェシー 「ありがたいですね。僕、ドラマや映画の撮影では、あんまりふざけないようにしているんです。というのも、ふざけた後にセリフをかんでしまうと、『お前はふざけてるからそうなるんだよ』って言われかねないので(笑)。なので、セリフがあまりないタイミングで、ちょっとずつ素を出せるように頑張れたらいいなと考えています」
篠原 「今も話していて緊張しているのかなって。この見かけによらないギャップを、もっとお届けしたいなと思っています」
ジェシー 「僕の篠原さんの印象は、バラエティーで何度かご一緒しているので、もうそのままの明るい方のイメージです」
篠原 「……猫をかぶってますよ(笑)。本当はもっとちゃんとしてて、逆にすごくしっかりしてるんです。今回の役にもぴったりな感じで、だから楽なんじゃないかなって。素でいけるんじゃないかなと(笑)」
ジェシー 「楽しみです。藤木さんは、一度だけ番組でご一緒したんですが、あまりお話はできなくて。この間、初めてちゃんとお話しできた時に、ルービックキューブを持っていらして。もう、めちゃくちゃ速いんですよ。本当にびっくりしました。なので、クランクアップまでには勝てるように頑張りたいと思います」
藤木 「相当速いからね、俺(笑)。セリフを覚える時間、なくならない? 大丈夫? ジェシーくんは『おしゃれイズム』(同系)にゲストで来てくれたこともあって、その活躍ぶりを見て、本当に何でもできる器用な人だという印象があります。今回は、ものすごく真面目なこずえを“禁断の恋”へと誘う役ということで、悪くてセクシーな一面が見られるんじゃないかと、すごく楽しみです。涼子ちゃんとは、もしかしたら一番多く共演しているんじゃないかと思うくらい、これまで何度もご一緒しています。いつも自由で、そのエネルギーに圧倒されることも多いんですが、今回は自分を強く律している役。僕の立場としては支える側ではあるものの、こずえを自由にするのは自分じゃないんだろうな、と感じていて……正直、ちょっとジェラシーを感じています(笑)」
篠原 「藤木くんは、私の中では“戦友”という感覚ですね。若い頃から何度かご一緒していて、『ラスト・シンデレラ』では特に深く関わる形で共演しました。昔から本当に優しくて、レディーファーストな方。ご一緒していると、いつも支えてもらっていて、自由にのびのびとお芝居をさせてもらえる、器の大きな方だなと感じています。甘えて頼らせてもらうことも多くて、時には慰めてくれたり、背中を押してくれたり。普通の共演者というよりも、その一線を超えた“親しい戦友”。今回またご一緒できることを、とても光栄に感じていますし、きっとまた力を貸していただけるんじゃないかなと楽しみにしています」
三角関係の行方――こずえ・怜治・佐伯の視点
――三角関係という構図の中で、佐伯という人物は、どんな立ち位置にいる存在だと感じていますか。
藤木 「佐伯は、こずえに対してほのかな思いを抱きながらも、なかなか一歩を踏み出せない人物だと思います。はたから見ると、はっきりしなくて、少しイライラしてしまう存在かもしれませんね(笑)。演じている自分自身も、『もう一歩行けばいいのに』と思う瞬間はあります。ただ、佐伯はこずえの過去や、彼女が抱えている闇やトラウマを知っているからこそ、簡単には踏み込めない。守りたい気持ちはあるけれど、その一歩が彼女を傷つけてしまうかもしれない。そうした迷いを抱え続けている人物なんだと思います」
――その一方で、怜治はまったく違う距離感でこずえに近づいてきます。
藤木 「佐伯から見ると、怜治はとても危うい存在です。捕らわれの身で自由に動けない状況の中で、周囲をどう使い、どう脱獄へ向かおうとするのか。その知性や計算高さも含めて、非常に頭の切れる人物だと感じています。こずえに近づくのも、純粋な恋愛感情なのか、それとも“利用”なのか、その境界線がとても曖昧。だからこそ佐伯は止めたいけれど、止められない。そのもどかしさが、3人の関係をより複雑にしていくんだと思います」
――ジェシーさんから見て、怜治という人物はどんな存在ですか。
ジェシー 「うーん……怜治は、ずるいですね(笑)。ミステリアスで、『何を考えているんだろう』と思われがちですけど、実は人をよく見ているし、人を使うところもある。こずえさんとの関係も、最初から大きな出来事が起きるわけじゃなくて、小さな違和感や『あれ?』という瞬間が少しずつ積み重なっていく感じだと思うんです。触れてはいけないと分かっているのに、なぜか気になってしまう。日常で言うと、『今日はいつもと違う店に入ってみようかな』と思う感覚に近いかもしれないですね。入る前は怖いけど、入ってみたら意外と居心地がいい、みたいな(笑)。そういう視点で見てもらえたら、受け取り方も人それぞれになるんじゃないかなと思います」
――こずえの印象については?
ジェシー 「やっぱり、強い女性ですよね。ただ、ふとした表情や一瞬の隙に、素の部分が見えることがある。その瞬間を、怜治は見逃さないと思います。そういうところを見て、『利用してやろう』という計算が働く部分もあるのかもしれない。それが本心なのか、別の感情なのかは……まだ言えないですが(笑)」
――篠原さんは、2人の男性に挟まれるこずえを、どのようにとらえていますか。
篠原 「こずえは、刑務官という立場上、怜治に近づいてはいけないと頭では分かっている人間です。規律を守り、ルールの中で生きてきたからこそ、『それはやってはいけない』という判断が、はっきりしている。それでもなお、どうしても近づかざるを得ない魅力や何かが、怜治にはある。そこが“禁断”なんですよね。その一線を越えてしまったら、見る側はどう感じるのか。『自分だったらどうするだろう』と、自然と考えてしまう。そうした問いが、この作品の大きなポイントだと思っています」
――怜治の、どんなところにひかれていくのだと思われますか。
篠原 「やはり、人間味だと思います。この作品は、単なるサスペンスではなく、こずえという人間の倫理観や、『本当の真実とは何なのか』を問いかける物語。人と人との絆がとても深く描かれていて、サスペンスでありながら、ヒューマンドラマの要素がとても強い作品です。そうした中で、怜治の心の奥にある、人としての部分――普段は見せない深いところを、こずえが目にしてしまう。そこから、近づきたくないのに近づいてしまう関係が生まれていくのではないかなと思います」
それぞれの立場や思惑が交錯しながら、こずえ、怜治の関係は、“越えてはいけない一線”へと近づいていく。後編では、タイトルに込められた意味や、3人それぞれが受けた“衝撃”、そして演技という仕事の魅力について掘り下げる。
【プロフィール】
篠原涼子(しのはら りょうこ)
1973年8月13日生まれ。群馬県出身。1990年に東京パフォーマンスドールのメンバーとしてデビュー。94年「恋しさと せつなさと 心強さと」が大ヒット。2025年は医療サスペンスドラマ「DOCTOR PRICE」(日本テレビ系)に出演。本作、「パンチドランク・ウーマン −脱獄まであと××日−」で主演を務めるほか、鈴木雅之 feat. 篠原涼子として主題歌「Canaria」を歌う。
ジェシー(じぇしー)
1996年6月11日生まれ。東京都出身。2020年にSixTONESのメンバーとしてCDデビュー。25年は映画「お嬢と番犬くん」で福本莉子とダブル主演、ほか舞台「ビートルジュース」に出演。また、SixTONESとして音楽活動も精力的に行い、16枚目シングル「Stargaze」をリリースするなど多方面で活躍。
藤木直人(ふじき なおひと)
1972年7月19日生まれ。千葉県出身。95年、早稲田大学在学中に映画「花より男子」の花沢類役でデビュー。その後、「ナースのお仕事」シリーズ(フジテレビ系)や「ホタルノヒカリ」シリーズ(日本テレビ系)など、多くの人気ドラマに出演し、俳優として確固たる地位を築く。2025年は「最後の鑑定人」(フジテレビ系)で主演を務めた。また、25年4月からは「朝だ! 生です旅サラダ」(テレビ朝日系=ABC制作)のMCを務めるなど、情報番組でも活躍の幅を広げている。
【番組情報】
「パンチドランク・ウーマン −脱獄まであと××日−」
日本テレビ系
2026年1月11日スタート
日曜 午後10:30~午後11:25
文/斉藤和美 ヘアメーク/(篠原)宮本陽子、(ジェシー)朝岡美妃(Nestation)、(藤木)大渡八千代 スタイリスト/(篠原)宮澤敬子(WHITNEY)、(ジェシー)柴田拡美(Creative GUILD)、(藤木)古田ひろひこ(chelsea films)
衣装協力/(篠原)ジャケット・パンツ(ハイク/ボウルズ)【問い合わせ先】03-3719-1239
(ジェシー)シャツ:27,500円/LOVELESS(SANYO SHOKAI)、ジャケット:77,000円、パンツ:58,300円(共にミカゲシン)、靴:49,500円/ph7+【問い合わせ先】SANYO SHOKAI カスタマーサポート(0120-340-460)、ミカゲシン(050-3131-8658)、ph7+(03-6555-2677)
(藤木)junhashimoto
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