橋本愛、比嘉愛未が「にこたま」瀬戸康史の“妄想演技”を絶賛!?2025/12/27 15:00

FODとPrime Videoで配信中のFODオリジナルドラマ「にこたま」の完成披露イベントが、配信開始当日の12月26日に行われ、ダブル主演を務める橋本愛、瀬戸康史と、共演の比嘉愛未が登壇。作品への思いや撮影秘話などを語った。

第1話を見たばかりの観客の前に登場した3人。本作で橋本と瀬戸は、長年同棲するカップルである浅尾温子と岩城晃平を、比嘉は晃平の同僚で、彼と一夜を共にして妊娠する高野ゆう子を演じている。
橋本は「第1話では平和に過ごしていたあっちゃん(温子)ですが、そこからどんどん追い詰められていきます。その先の彼女の選択や晃平との関係性、高野さんが歩んでいく別の道など、30代のリアルで切実な現実が描かれていると思います」と作品の見どころを明かしつつ、「あっちゃんは恋愛感情が人よりも希薄。そもそも恋ってなんだろうとか、自分は晃平を好きなのかといった複雑な感情を(原作者の)渡辺ペコ先生独自の視点で描いているので、ぜひ最後まで見ていただきたいと思います」と役どころにも触れた。

温子という恋人がありながら高野と浮気をしてしまう晃平を演じた瀬戸は、居心地悪そうに「申し訳ございません……。役ですから! 皆さんすごい目で僕を見ないでください(笑)」といきなり謝罪。「彼は過ちを犯して一瞬逃げようと考えたかもしれませんが、彼なりに向き合おうと思ったところは褒めてあげてもいいかなと思っています。今後、彼がどうやって信頼を取り戻すのか、それとも戻せないのか。そして高野さんとの決着はどうするのか、僕は第6話まで見たんですけど、本当に面白い作品だと思います」と今後の展開への期待をあおった。

また、演じる高野がどんな女性か聞かれた比嘉は、「感情がくみ取りにくい、常に冷静でりんとしていて自立したイメージがあるんですが、晃平とこういうことになってしまう……。なってしまうというのは少し違うと思うんですが、高野としては自分で選択した」と役柄を分析。「もちろん倫理的にどうかということはありますが、ただ人間は真っ当に生き続けるのは難しいじゃないですか。高野の尊敬できるところは、過ちや失敗を他人に押し付けないで、自分で全部背負って生きていくという覚悟をもった強い女性であること。その強さが今の時代は大事になってくるんじゃないかなと思います。高野を演じながらたくさん学ぶことがあって、渡辺ペコ先生が作った世界観の素晴らしさを感じることができました」と本作への出演を通して感じたことを明かした。

ここで、原作者の渡辺氏からコメントが到着。「『にこたま』は“人を好きになる、家族をつくるとはなんだろう”を掘り下げた作品である」という言葉を受けて、渡辺氏の漫画を愛読しているという橋本は「恐ろしいのがこの漫画が描かれたのが10年以上前。今はいろんな恋愛のかたちがあって、家族を作らない選択肢もありますが、その頃は“人は恋愛をするのが当たり前”“家族は幸せであることが当然”と思われていたような気がします。そこを渡辺先生がこじ開けて描いていたという先見の明が恐ろしいなと。それを今、実写化する意味も考えなければいけないと思って、原作から少し表現を変えたところもありますが、制作チームのみんなで一生懸命考えながら作っていったので、今を生きる皆さんに少しでも届いたらいいなと思って演じていました」と実写化について言及した。

リアルな人生のテーマが映し出されていく一方で、ポップな面も持ち合わせている本作。独特な表現で晃平の心情を表した劇中のシーンが紹介された。妄想のシーンの瀬戸の見事な演技を、橋本と比嘉は「プロ意識を感じた」と絶賛。加えて比嘉は「表情が絶妙なんですよね。コメディーの部分はやりすぎると世界観が崩れてしまうけれど、本当に人間らしさ、放っておけないなという愛らしさを感じさせる。さすがだなーと思いました」と褒め称えた。

瀬戸は「晃平は本当に申し訳ないと思ってるんだけど、少し間抜けな表情や声色になってしまうというのが彼のいいところでもあり、悪いところでもある。作品のテーマとしては難しく捉える方もいらっしゃるかもしれませんが、ペコさんの軽やかなタッチによってスッと心に入ってくるような物語だと思います」と多面的な作品の魅力を伝えた。

「にこたま」には心に残るセリフも多い。温子の心情を表すセリフで「傷ついた」の代わりに「ざらっと残る」という表現をしていることについて、橋本は「なんとも言えないすてきさがあるなと、あっちゃんの強さも感じる表現だと感じました」とコメント。比嘉は「短いセリフの中でも共感しかなかった、親子でも通じ合えないところやもどかしさが表現されている」と自信のセリフを回想した。瀬戸も「晃平は表現がストレートだからこそ伝わる。当たり前だからこそ忘れがちなことに気付かされることがあったと思います」とそれぞれがセリフから感じたことを話した。

トークは、本作の大事な要素の一つでもある“食”に。渡辺氏は「食べ物は生活そのものを象徴している。信頼や身体的なつながりが失われても、それでも残る絆として食事シーンを描いていた」という。橋本はうどん、瀬戸は何個も食べたという肉巻き卵、比嘉はポテトフライと、それぞれ印象的な料理を振り返った。

そして、今度は互いへの質問コーナー。晃平が涙を流すあるシーンに関して、橋本から瀬戸へ「何度繰り返しても同じ熱量で涙を流すことができるのがすごい。どうやって感情を保っているのか」と質問すると、瀬戸は「コツはなくて“あっちゃん大好き”という気持ちだけ。ごめんと大好きという気持ちだけでしたね、あのシーンは」と回答。
瀬戸は比嘉へ「明るさやポジティブさの秘けつは?」と問いかけ、「人生は一度きりだと思って、今、体験できることを思いっきり楽しもうと思っています。できるようになったのは最近ですが、大変なことも体験できたことへの感謝や学びに変換するようにしています」と答えた。比嘉とは1日くらいしか撮影で会わなかったという橋本は「比嘉さんが『占いに行ったら、オーラが子どもだって言われた!』と言っていてめっちゃ面白い人だ! いい人だ! って思いました」と、比嘉のおちゃめな一面も暴露。

瀬戸から橋本へ「いつも現場で爆笑しているんですか?」という質問も。橋本は「ラランドさんのYouTubeとか見て何も考えずに笑っています」と意外なリフレッシュ方法も披露した。
そのほか、くるりが歌う主題歌について、撮影スタッフからの橋本に関するタレコミ、高野の母親(筒井真理子)と親しくなる庭師を演じる高橋克実の撮影中のハプニングなどが紹介され、終始共感と笑いに包まれた会見となった。

最後に、あらためて作品の見どころを聞かれ、比嘉は「声を大にして自信作と言える作品が出来上がりました。不器用に一生懸命に生きている人たちばかりです。個々が奮闘している姿を見てくれたらうれしいです」。瀬戸は「皆さん、大切だと思った人は大切にしましょう。よろしくお願いします」と作品をアピール。


橋本は「あっちゃんが物語を通して選ぶ選択は、数ある中の一つで、最善かどうかではなく、彼女と晃平にとって覚悟を持って選んだ一つの道だと思います。いろんな選択があるけれど、1人で生きていくという選択肢もあるし、家族は授かりものでもあるけれど、自分で作れるものだったり、選べるものだったりするという、いろいろな筋道をこのドラマを通して見せてもらった気がします。あっちゃんたちの選択は見る人にとって自分とは違うかもしれませんが、“人生”や“選択”について考え直すきっかけになるんじゃないかなと思います。ぜひ3人の行方を見守っていただきたいです」と締めくくった。

なお、この完成披露の模様は、後日FODで配信される。
【コンテンツ情報】
「にこたま」(全8話)
FOD、Prime Video
12月26日午後8:00から第1・2話配信中(以降、金曜午後8:00に最新話を配信)
※配信日時は予告なく変更になる場合あり。
※FODでは1話無料。
※Prime Videoでの視聴には会員登録が必要。

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